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安倍晋三首相は先月下旬、訪中して中国の習近平国家主席、李克強首相と首脳会談を行った。その際に首相は、両氏との間で「日中関係の道しるべ」となる3つの原則を確認した、と自身のツイッターに書き込んでいる(10月26日)。
すなわち「国際スタンダードの上に、競争から協調へ。隣国同士として、互いに脅威とならない。そして、自由で公正な貿易体制を発展させていく」という3つの原則である。今回の訪中で日中関係は「正常な軌道」に戻った、と自負する首相にとって重要な成果と思われる。
ただ不思議なことに、この「3原則」について、外務省は特に説明を行っておらず、中国政府も沈黙している。それで中国側が、首相がいう「3原則」を受け入れたのかどうかは、不確かといわざるを得ない。
だが、たとえそうだとしても、この「3原則」は、今後の日中関係に重要な意義を持つことになるだろう。なぜならこれは、安倍首相が中国側に示した、両国関係改善の基本条件といえるからである。そう考えれば大事なことは、まさに中国政府が沈黙していること、つまり首相の「3原則」発言を否定していないことになるだろう。
否定していない理由は明らかである。中国はいま米国との貿易「戦争」のさなかにあり、その厳しい圧力を少しでも緩和するため、日本との関係改善、経済協力強化を望んでいる。もし「3原則」を否定すれば、関係改善は進まず、通貨スワップ協定の再開など、せっかく端緒をつかんだ経済協力強化も頓挫するおそれがある。 
今回の訪中については、中国と対立を深める米国との関係に与える影響を懸念する見方もあった。だが「3原則」は、その懸念を和らげたといえよう。というのも「3原則」は、日本が事実上、米国に味方し、中国に対して米国との妥協、関係改善をうながす圧力をかけるものにもなるからである。
まず「競争より協調」は、それが本物になるには、日中両国の協調だけでなく、日本の同盟国である米国と中国の協調も必要になるだろう。また「互いに脅威とならない」には、中国の急速な軍拡と東シナ海・南シナ海における軍事的冒険主義が、日本だけでなく米国にも脅威となり、米中関係悪化の要因になっていることを警告する含みがある。さらに中国に「自由で公正」な貿易を求めるのは、9月の日米首脳会談後に出された共同声明第6項、すなわち名指しは避けつつも、中国の不公正な貿易慣行に日米両国が協力して対処することを約束した条項、と平仄(ひょうそく)が合うものである。
安倍首相は、6年前に首相に復帰して以来、アジアへの関心を強める米国、また中国の台頭を警戒する中国周辺諸国(ロシアを含む)との外交関係強化をはかり、中国が、国際社会で大国にふさわしい振る舞いをするよう圧力をかけてきた。先月の訪中と「3原則」の表明は、そのいわゆる対中「包囲」外交が、新しい段階に入ったことを意味するものと思われる。(さかもと かずや)…「産経新聞」
安倍総理が習近平へ語った『3つの原則』がある。「競争から協調へ、互いに脅威とならない、自由で公正な貿易体制を発展させていく」とである。でも、中国は了解していならば、日中スワップ協定も、一帯一路への協力も破棄すべきである。

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