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パプアニューギニアのポートモレスビーで開かれたAPEC首脳会議に出席したペンス米副大統領(奥)と習近平・中国国家主席=17日(ロイター)

トランプ米政権が仕掛ける中国との貿易戦争は、本当に通商上の争いに由来するものなのか。それとも、地政学的な大国間のライバル意識に基づくものか。もし、貿易に限ったものならば、どこかで合意に到達することは可能だろう。
 その意味で、30日からブエノスアイレスで始まる20カ国・地域(G20)首脳会議は、中国にとって米中の激突を貿易問題の枠内にとどめられるか否かの「最後の機会」になるだろう。
対中強硬論で気を吐くペンス副大統領は13日の専用機内のインタビューで、「中国が全面的な冷戦を避けたければ、基本的な行動を変えなければならない」と述べ、第2次冷戦による全面対決になるかどうかは、中国の出方次第であることを宣言していた(米政治外交誌ナショナル・インタレスト)。
中国はブエノスアイレスの米中首脳会談にさきがけ、貿易戦争の打開策として142項目の行動計画を提示している。しかし、トランプ政権にとっては、中国に進出した外国企業に技術移転を強要することをやめること、そして、政府補助金による技術開発を放棄することが、当面のターゲットになる。
しかも、トランプ政権内では、ペンス副大統領、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)、ナバロ大統領補佐官(通商製造政策担当)ら安保・通商タカ派が、貿易戦争を地政学的な米中覇権争いとみている。米中激突を貿易分野に限定せず、安全保障、政治経済を含む地政学的な大国間の争いと位置づけ、長期戦を戦い抜く決意を固めている。
背景には、全体主義国家である中国パワーのすさまじい伸長がある。「銃口から生まれる」共産党の国だから、国防費は国内総生産(GDP)の伸び率を上回る。
米クレアモント・マッケナ大学のミンシン・ペイ教授に言わせると、中国の習近平国家主席は、覇権争いが初期段階のうちに、トランプ大統領と手を握るしかない。ブエノスアイレスの首脳会談の交渉テーブルには、142項目を超える大幅譲歩の品ぞろえを用意する必要がある。
中国が周辺国に対する柔軟政策に転じたのも、多国間協調の輪を広げ、米国からの地政学的な圧力をかわすためだ。ただ、南シナ海の領有権争いや東シナ海の尖閣諸島周辺での傲慢な振る舞いなど日頃の行いが悪いから、借り物のほほ笑み外交を信じる国はない。
習近平政権の巨大経済圏構想「一帯一路」は、中国の過剰生産のはけ口であることが動機であるし、相手国に高利で貸し付け、返済不能になれば港などを借金のカタとして巻き上げる。最近は米国の同盟構造に対抗する拡大戦略がその正体であることが明らかになってきた。
中国が一時の戦術的後退でなく、信頼できるパートナーを獲得したいのなら、領有権争いで譲歩する度量をみせるしかない。習主席の訪比でカネをばらまいてドゥテルテ大統領の歓心は買えても、それは一時的なことだ。早くも、中国人労働者がフィリピンの町にあふれて、人々の反感を買っている。
中国が米国とその同盟国との建設的な関係を回復するには、国際ルールに沿った貿易慣行に修正し、発火地点にもなりかねない南シナ海、台湾海峡、東シナ海で独善的な行いを改めねばならない。それが、最悪の米中冷戦を避ける道であり、習政権にとってはいかに困難な選択であることか。(産経新聞)
米中の覇権争いの回避は中国共産党の一党独裁では成り立たない。中国の中華思想と全体主義は大軍拡と膨張主義で世界支配を企んでいる。民主主義国家は連帯して、中国の野望を阻止すべきである。

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