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今話題は、自民党総裁選挙であるが、最も総理・総裁に近い人は安倍官房長官であることは誰も否定できない。そうするならば安倍さんのブレーンは誰なのか興味があるところである。
独断と偏見で言うならば「中西輝政京大教授」かなと思う。拉致問題、対北朝鮮外交、中国との関係に日本の国益を明確に主張して、利害むきだしの国際社会で現実主義を主張する考えに賛成である。そこには保守主義の思想を持っている学者としての凛としたものがある。この中西先生に思想的影響を与えた人が高坂正堯先生だと思う。
私は、先日古本屋で購入した。粕谷一希の著した「アステイオン」の2005年11月に発行された総合誌に「高坂正堯の世界」を読んだ。私達の学生時代に「現実主義政治」をわかりやすく的確に述べたことで定評のある高坂にいつも感銘していた。高坂正堯こそ戦後自民党の政治外交の実質的ブレーンだなかったのではないかなと思う。
高坂正堯の思想には、父高坂正顕の「京都学派」の世界史の哲学というかそんな思想が根底にあったと思う、粕谷は鈴木成高の「世界史は対象でなく構想で」あるということをこの文章で書いている。高坂正堯の「文明が衰亡するとき」には父高坂正顕の思想との思想的連帯感があるように感じられる。
粕谷は高坂正堯の語り口に、暫定的な結論はついに一度も聞かれなかったとしている。粕谷は高坂について「彼はかりにはっきりした主張がある場合でも、「そうでないですか」という問いかけになることである。彼はつねに対話的思考方法を好んだ。「そうですか、・・・とちがいまっか」という京都弁がまた対話的に出来上がっており、高坂正堯の体質になじんでいたとしている。」粕谷は、また高坂正堯を懐疑主義者としている。思考を停止するための会議でなく、思考を進めるための方法的会議であるとと。
私がいいたいのは、総理のブレーンには深い教養と保守政治の根本である対話と寛容の思想がなければならないと思う。市場経原理主義・米国一辺倒ではなく、外交に関しては「軍事力、経済力、加えて輿論を国際政治の動因としている」ことに着目しながら、政治についても、今どこの時代に生きているのかという歴史観と使命感が大切であると思う。粕谷の「高坂正堯の世界」を読みながらそう考えた。
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