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詐欺商法だったユーロ通貨統合 債務共有化が不可欠
11日夜、米ニューヨーク市マンハッタン。地中海に浮かぶ小国、キプロス政府が地元記者たちを招待し、郷土料理とワインを振る舞った。
ホスト役はニコラス・エミリウ国連大使。キプロスは欧州連合(EU)評議会の議長職に就いたばかりで、EUやキプロスの外交情勢を前向きに説明するのが当初の趣旨だった。
だが、キプロス側の思惑は外れ、記者からは欧州経済危機に関する質問が集中した。
「ユーロの価値下落と緊縮財政で、外交予算も圧縮されているのではないか」「ギリシャの混乱がキプロスに及ぼす影響はどうか」
仕方がない。17カ国あるユーロ通貨圏に所属するキプロスは、ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペインなど財政事情の悪い“PIIGS”諸国に次いで金融支援を要請したばかりなのだ。
脱退すれば大混乱
キプロスでは、国民の8割をギリシャ系が占める。ロシアと中東からのEUへの投資中継地ということもあり、ユーロ統合で流れ込んだ資金がギリシャで焦げ付いた。それでも、エミリウ大使は「厳しい状況」と自国経済の苦境を訴えながらも「ユーロを脱退し、自国通貨に戻したら経済が大混乱する」と述べ、ユーロ圏にとどまる意向を強調、理解を求めた。世界が欧州危機におびえている。ウォール街は「EU首脳が基本合意した銀行の一元監督は年内の実施が期待薄」(バークレイズ)とみている。欧州安定メカニズム(ESM)の国債買い取りにドイツなどが条件を付け、PIIGS支援に役立つとされるユーロ共同債も発行実現の見通しは立っていない。
ユーロ経済はなぜ崩壊の危機にあるのか。減税から増税路線に舵(かじ)を切ったスペインをはじめ、南欧諸国は景気が悪いのになぜ緊縮財政を進めざるを得ないのか。複雑怪奇な欧州情勢を解く鍵は、ユーロの生い立ちにある。
ユーロは1999年の通貨統合で生まれ、参加国は欧州中央銀行(ECB)に金融政策を委ねた。最大の受益者は国際競争力が低く、財政状態も良くなかったPIIGSで、政府の資金調達コストといえる国債利回りが、最も格付けの良かったドイツにさや寄せする格好で低下した。つまり、実力以上に金回りが良くなったのである。
財政協定は骨抜き
他方で、金融・為替政策の自由を失ったユーロ参加国は景気を刺激するために財政出動に走った。これは南欧などに顕在で、インフレ気味となった域内国に対する交易条件が良くなったドイツが輸出ドライブをかけた。当初のユーロは、域内の南北経済格差の解消にも役立つ「ウィン・ウィン」の仕組みだったのだ。
問題は財政に負荷がかかった点だ。ユーロ創設にあたっては、国内総生産(GDP)に対する財政赤字比率などを抑制する「財政安定化・成長協定(SGP)」があったが、中核であるドイツ、フランスが自ら違反を続け、2005年に骨抜きにした。その抜け穴を利用したのがPIIGSらだ。国内の不動産投資と並行して、リターンの低い年金制度や公共工事などへの過剰投資を続けた。
ビジネスに例えるならば、M&A(企業の合併・買収)の失敗だ。独仏などが周辺国を買収(編入)したのだが、周辺国は無駄に公的債務を拡張し、結局、国家自体が不良債権化してしまった。
見切った金融市場
これは、ユーロ圏17カ国の財政赤字比率のばらつきを示す標準偏差を計算すると分かりやすい。好景気に沸いた04〜06年はユーロを採用していないイギリスなどを含めたEU27カ国よりも低い。だが、SGP緩和の効果が出た07年以降はより高くなっている。
つまり、EUよりも経済のつながりを強めたはずのユーロ17カ国の方が、逆に財政の統合がバラバラになっていたのである。
価値に見合わない低金利だったのだから、ユーロはポンジースキーム(詐欺商法)に等しい。それを見切ったのが金融市場で、それまで収斂(しゅうれん)していた国債利回りが元のもくあみとなり、08年から再び乖離(かいり)・分散してしまった。
金融のシステミックリスクに関して米財務省をアドバイスし、08年の金融危機を予見したリスク分析の専門家、リチャード・ブックステーバー氏によると、「スペインなどの混乱はEUの矛盾した制度の象徴」。ユー価値に見合わない低金利だったのだから、ユーロはポンジースキーム(詐欺商法)に等しい。それを見切ったのが金融市場で、それまで収斂(しゅうれん)していた国債利回りが元のもくあみとなり、08年から再び乖離(かいり)・分散してしまった。ロの維持には、参加国全体の債務共有化・財政統合が不可欠なのだ。ということなのだ。 |
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2012年07月15日
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世界の金融取引の基準金利であるロンドン銀行間取引金利(LIBOR)をめぐっての不正操作問題が底なしの様相を見せている。
英大手銀バークレイズがLIBORのベースになる金利を意図的に操作していたことが発覚し、トップの辞任に発展した。さらに、英中央銀行副総裁の関与が取り沙汰される一方、疑惑はドイツやスイス、米国まで拡大しつつある。
欧米では住宅ローンはじめ個人向け融資、企業向け融資、金融商品取引などの金利を「LIBORに一定の率を上乗せ」という具合に決めることが多く、その残高は数百兆ドルに上るともいわれる。
いわば金融取引の「物差し」の決定過程に潜んでいた闇が姿を見せ、金融の世界を覆いつつあるのだ。各国の監督当局は、厳しい姿勢で徹底的な事実解明と再発防止に取り組まねばならない。
LIBORは、有力銀行がロンドン市場で他行と直接お金を貸し借りする際の金利を英銀行協会に申告、それを元に同協会が定めている。当然、銀行が正直に申告しているという「信頼関係」で成り立っている。
ところがバークレイズは、2008年のリーマン・ショック後、他行より高い金利を申告すると、経営が悪化し資金調達難に陥っているとみられるため、実際より低い金利を申し出ていた。他行のトレーダーと結託し、実態と違う金利を申告した疑いもある。ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)をめぐっての不正操作問題 産経
世界の金融取引の基準金利であるロンドン銀行間取引金利(LIBOR)をめぐっての不正操作問題が底なしの様相を見せている。各国の規制当局がきちんと対応しないと世界の金融取引は危機になると思う。
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米大統領選挙が近づくほど、民主・共和両陣営の中国批判は強度を増す。しかし、オバマ政権の中国に対する立ち位置は当初、腰が引けていた。
米ワシントン・ポスト紙の今春の報道によると、中国政府は、複数の中国当局者と協議予定だった米国務省高官のビザ発給を拒否した。高官は訪中前、チベットの人権団体や気功集団・法輪功から被弾圧状況を聴取。新疆ウイグル自治区訪問も検討していた。
発給拒否は人権・宗教の自由侵害に敏感な、米政府の姿勢を逆に浮き彫りにした。だが、習近平国家副主席訪米への悪影響を懸念したオバマ政権は関係者に箝口(かんこう)令を敷いていた。同紙は「人権問題よりも貿易や為替問題を優先させた」と失望感を露(あら)わにした。
中国の軍拡路線に対抗すべく安全保障政策転換を図った矢先の箝口令だった。もっとも、腰の引け具合では、日本の対中外交ほど無残ではないものの、過去の米外交・安保政策には「逡巡(しゅんじゅん)」が少なからず在った点は注視せねばならない。外交・安保のアンテナの弱い日本を筆頭にその都度、同盟国は翻弄(ほんろう)されてきたからだ。
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【人間よ、自己の慾望と向き合え。そして反省し、真理に従って行動せよ―】
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野田佳彦首相が集団的自衛権の解釈見直しや尖閣諸島国有化に意欲を示し、保守色を前面に打ち出し始めた。政治生命を懸ける消費増税関連法案に成立のめどが立ち、求心力確保に向け新たな政権課題を探っているとみられる。自民党に近い政策を打ち出すことで、将来の大連立や政界再編への布石とする狙いもありそうだ。
「現時点では今の解釈の下で対応するが、議論はさまざまなレベルで行われてしかるべきだ」。首相は12日の衆院予算委員会で、憲法解釈で行使が禁じられている集団的自衛権について、将来の行使容認に前向きな姿勢を見せた。 尖閣国有化も首相の意向だ。「挑発」行動を繰り返す中国側に対し、首相は16日の「海の日」を前にしたメッセージで「海洋権益の確保、離島の保全など海洋を取り巻く課題が山積しており、国を挙げて取り組まなければいけない」と訴えた。菅直人前首相が昨年、「離島の保全」には直接言及しなかったのに比べ、首相は毅然(きぜん)とした姿勢をアピールした形だ。 集団的自衛権の解釈見直しは首相の持論。民主党野田グループの若手は「消費増税法案の成立がほぼ確実になり、(外交・安保政策の)弾込めを始めた」と解説する。首相が掲げる安保政策の多くが自民党の政策と重なることから、同党の防衛相経験者は「野田さんとは一緒にやれるが、今のままの民主党とでは無理だ」と一定の理解を示す。 ただ、首相のこうした姿勢に対し、民主党内の旧社会党系などには「右傾化」との懸念が少なくない。昨年8月の代表選で首相を推した菅グループ関係者は10日、首相側近と会った際に「党内でしっかり議論すべきだ」とクギを刺した。首相が「タカ派志向」でこのまま突っ走れば、9月の代表選に影響を与える可能性も否定できない。(2012/07/15-14:14)時事 野田総理が自民党と連携するならば、今、集団的自衛権・憲法改正・尖閣の実行支配を確実にするならば、野田政権が保守政治に近いと考えるべきだろう。それを、民主党の左派は容認できるのだろうか。
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