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「胡錦濤先生と李克強先生のおかげですね」。上海駅から高速鉄道で江蘇省南京市を経由して3時間あまり。やや内陸に位置する安徽省の省都、合肥市を案内してくれた地元の経済人は、政府庁舎やマンション群など、高層ビル建設が急ピッチで進む街並みを次々と見せながらこう言った。
とりわけ威容を誇っていたのは「国際会議場」。2010年上海万博の中国館に似た逆三角形の構造物だが、その規模は中国館の数倍はあろうか。建設の槌音(つちおと)が鳴り響く中、「北京に次ぐ『第2首都』が合肥にできるだろうと地元は期待しているんですよ」と、その経済人は笑顔で話した。
今年3月に首相に就任した李克強氏は安徽省定遠県の出身。合肥と南京の中間に位置する県だ。退任した前国家主席の胡錦濤氏も、戸籍上は安徽省の出身だ。政治家が栄達した後、選挙地盤がインフラ建設で潤う現象は日本でもみられるが、選挙のない中国でも地元の期待感はかくも膨らんだ。
李首相は就任後、「都市化の進展が中国最大の潜在力」と繰り返し表明。中国政府は近く、地方の都市化推進で10カ年計画をとりまとめる。合肥市政府は胡主席時代からこの都市化計画を知っていたのか、20年に現在の2倍以上となる人口1千万人の都市発展計画を11年に打ち出している。合肥市都市部の住民1人当たりGDP(域内総生産)を、現在の約7500米ドル(約74万円)から2倍以上の2万ドルに引き上げると鼻息も荒い。「第2首都構想」が実際にあるのかどうか確認はできなかったが、大気汚染など環境問題がまだ深刻ではなく、未開発の広大な平地が広がる安徽省に首都機能の一部移転や災害時に代替機能をもたせる計画があってもおかしくない。
一方、安徽省といえば、かつて農村部から上海周辺の都市部に出稼ぎ労働者を供給する貧困省とのイメージが強かった。
製造業やサービス業で安徽省出身の従業員を雇用する例が多いとの理由から、日本企業約2千社で構成する上海日本商工クラブは07年度以降、安徽省の農村部で小学校建設に資金を支援する「希望小学校プロジェクト」を11校分実施している。支援額は累計340万元(約5500万円)。13年度も1校に30万元を支援する予定だ。
すでに金満国家となった中国の今をときめく首相のおひざ元。昨年秋に炎上した反日デモで破壊や放火、略奪や暴行の対象となった日本企業や日本人があえて資金支援を続けることの是非はここではおく。問題は合肥市の建設ラッシュがどこまで実需に基づくものなのか、疑わしい点にある。20〜30階建ての高層新築マンションが数十棟立ち並ぶ地区は人影もまばら。洗濯物を干すなど生活感のある部屋はごくわずかだ。販売価格が数百万元(数千万円)のマンションに手の届く住民の少なさは、食料品店や学校の少なさからも明らかだ。片側6車線の大通りも整備されてはいたが、少し走れば建設中で行き止まりとなった。
将来の発展を見込んだ都市計画といえば聞こえはいいのだろう。しかし、ゴーストタウンのようなマンション群や、誰が利用するのか想像のつきにくい国際会議場などを見せられると、実需がなければ借金だけがかさみ、最終的には不良債権となるのではないかと心配になる。建設費はすぐ地域のGDPに加算でき、数字を問われる地元政府幹部の“得点”にはなるのだが。
インフラ建設費の捻出窓口として、各地で地方政府が次から次へと設置した第三セクターの資金繰りが行き詰まり始め、破綻と不良債権化の懸念が広がっている。その中で胡氏と李氏の“威光”に頼ったかにみえる安徽省はアクセルを踏み続けたままで、「第2の北京」に賭けた目はなお血走っていた。(かわさき ますみ=上海支局長)産経新聞
李克強首相は、共産主義青年団出身だけれども、現実派であり、良識ある政治家として期待していたが、今日の産経新聞の記事でゴーストタウンのようなマンション群や、誰が利用するのか想像のつきにくい国際会議場などを見せられると、実需がなければ借金だけがかさみ、最終的には不良債権となるのではないかと心配になる。中国の経済危機の根本である。 |
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2013年07月01日
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個人主義の問題を分析した社会学者の作田啓一が「個人の自尊心」と「国家の自尊心」とは深いところで密接に結びついているとし、「個人主義」だけでなく「個人主義の双生児であるナショナリズムも、自尊心によって動かされて」きたと指摘したことである。北朝鮮も、中国もそうすると納得できる。
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中国国家統計局と中国物流購買連合会が1日発表した6月の景況感を示す製造業購買担当者指数(PMI)は50・1と、5月の50・8から低下した。指数は景気判断の節目となる50を辛うじて上回る低水準で、中国経済の勢いの弱さが鮮明になった。
PMIが50を上回ると受注や生産などの拡大傾向を示し、50を下回ると縮小傾向を意味する。英金融大手HSBCが6月20日に発表した6月の製造業PMIの速報値は48・3と、50を2カ月連続で下回り、景況感の悪化を示していた。
国家統計局とHSBCは、それぞれ製造業企業への調査でPMIを算出している。これらの結果に差が出るのは、統計局の調査対象は大企業が多く、景気が良い方向に数値が振れやすいためとみられている。(共同)
英金融大手HSBCが6月20日に発表した6月の製造業PMIの速報値は48・3と、50を2カ月連続で下回り、景況感の悪化を示していた。中国国家統計局と中国物流購買連合会が1日発表した6月の景況感を示す製造業購買担当者指数(PMI)は50・1と、5月の50・8から低下した。中国経済の勢いの弱さが鮮明になった。
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ブログでも、facebookでも、ツィッターでも、この世は理不尽だと書いてしまう。藤沢周平の「蝉しぐれ」のなかには「理不尽な憤り」という言葉が出てくる。宮部みゆきは、次のように述べている。そうですね、ほんとに今の世の中で、特に若い人や子供たちが教えられていないのは、結局世の中は理不尽が動かしているんだよってことだと思うんです。だからこそ、そのなかで、どれだけ自分の思いをとげて生きてゆくかが課題であると。
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静かなり 花も微笑の 半夏生(はんげしょう) 篤人
半夏生(はんげしょう)=太陽の黄経が一〇〇度となる時。夏至から一一日目。太陽暦では七月二日頃。[季]夏。
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