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防衛大学校教授・神谷万丈氏
先の参院選後、多くの外国の外交専門家から結果をみて安堵(あんど)したとのメールを受け取った。米国第一主義で世界をみるトランプ米大統領と緊密な関係を築きつつ、他方では米国離脱後の環太平洋戦略的経済連携協定をTPP11としてまとめあげ、自由で開かれたインド太平洋構想を推進するなどルールを基盤とした国際秩序を守るための多国間協調を主導する。こうした安倍晋三首相の外交手腕は海外でも評価されているからだ。
≪安堵とともに対露、対北懸念≫
国民も安倍外交を支持している。朝日新聞の6月の調査では、首相の外交政策を「評価する」が52%と、「評価しない」の34%を大きく上回った。今回の選挙は安倍外交の国内基盤が依然強固なことを内外に示したといえよう。
だが最近の日本外交には、気になる点もある。それは、ものごとが想定通りに進んでいないのに、政府が方針を見直さず従来通りの行動をとり続ける、という場面をみることが増えていることだ。
たとえば対露外交だ。第2次安倍政権の下、政府は北方領土問題の解決と日露平和条約の締結を重要な外交目標に掲げ、領土について4島返還から2島先行返還への方針転換を行ってまでも、ロシアの歩み寄りを促そうとしてきた。
だが、果たしてこの戦略は奏功してきたのか。去る6月22日、プーチン露大統領は、国営テレビで領土を日本に引き渡す計画はないと語った。8月2日にはメドベージェフ首相が択捉島を訪れた。ロシア機への航空自衛隊のスクランブルは、2018年度には343回を数えた。こうした現実は、領土問題の解決と平和条約締結により日露関係を強化するという政府の方針が、順調に実現しつつあるわけではないことを示している。
政府の対露外交には中国を牽制(けんせい)する狙いがあるが、その実現可能性も心もとない。世界の外交専門家の多くは、中露が米国主導の既存の世界秩序が自らにとって不利だとの認識を共有し、関係を深めているとみているのだ。
≪過去に米政権も陥った「罠」≫
こうした状況で求められるのは、相手の出方に応じた外交方針の柔軟な調整だ。ところが、最近の日本の対露外交には、そうした臨機応変さが乏しいのではないか。上にみたような事態に直面しても、政府は、1956年共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させると繰り返すばかりだ。そこには交渉の前途についての奇妙な楽観があるように思われる。
楽観といえば、日朝関係についても同じことが言えないだろうか。この5月に安倍首相は、日朝首脳会談を前提条件をつけずに目指す方針を打ち出した。だが北朝鮮は冷淡だ。制裁を維持しつつ対話を唱える首相を、北は「面の皮が熊の足の裏のように厚い」「近視眼的な馬鹿」と罵(ののし)った。政府は依然として対話実現に期待をつないでいるようだが、それはどこまで現実的なのか。
なぜ、最近の日本外交にはこのような楽観が生じ、相手の出方に応じた臨機応変な対応が十分にとられない場面が増えているのだろうか。私が危惧するのは「集団思考」の罠(わな)だ。「集団思考」とは、米国の社会心理学者アーヴィング・ジャニスが提唱した概念で、米大統領のような強い指導者の下で、思想や発想が似通った少数の者だけで意思決定が行われる場合、異論が表明されにくくなる、不都合な情報が軽視される、代替案が十分に検討されない、といった現象が起こりやすくなり、意思決定の質の低下を招くと説くものだ。ジャニスが特に警鐘を鳴らすのは、既定の方針の前途に対する過度の楽観だ。彼は、朝鮮戦争における「北進」の決定やベトナム戦争の拡大などの米国歴代政権の犯した大失敗の多くが、「集団思考」によるものだと述べている。
≪闊達な議論が力強さに≫
安倍政権の中枢には首相と近しい人物が多い。指導者が信頼できる者を中心に人事を固めるのは当然のことなので、これを「お友達重視」と揶揄(やゆ)するのは揚げ足とりにすぎぬ。だが、いかに優れた指導者でも少数の者とだけ外交を考えることが常態となってしまうと、異論に目が向きにくくなり「集団思考」が発生しやすくなりかねない。この点には警戒が必要だ。
私は、今年1月15日の本欄で、野党に内向き傾向が強く外交論議が不活発なことを嘆いたことがある。だが問題は野党だけではない。政府が対露外交や対北朝鮮外交で重要な方針転換を打ち出したにもかかわらず、与党からも議論らしい議論が聞こえてこないのは一体どうしたことか。
時の政権の外交方針に対する賛否両論の闊達(かったつ)な議論がなければ、政権が異論に耳を傾け、既定の方針を再考するチャンスも少なくなってしまう。その先に待っているのは「集団思考」の落とし穴だ。与野党の政治家には勇気をもってより活発に外交を論ずる姿勢を、そして政権には、そうした議論の中から有用な異論をすくいとり、外交の質の向上と力強さの継続につなげていく態度を求めたい。(かみや またけ)産経新聞
安倍総理は、自民党総裁任期を円満に終了したいという気持ちがあるのではないのか。北朝鮮の核だけでなく、中露の核も重大な脅威脅威である。外交でなく安全保障も検討すべき、核保有も検討だ。
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2019年08月21日
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中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の任正非最高経営責任者(CEO)は21日までに、社内文書で「会社は存亡の機にある」との認識を示した。米国による制裁を克服するため、製品の研究開発を強化すると社員に呼び掛けた。
任氏はファーウェイは「戦時状態」にあると表明。全力で販売を拡大し、経営の質を向上させると強調。製品の競争力を確保するため「研究開発では戦略的な投資を拡大する」との考えも示した。3〜5年の戦いを経て「世界を制覇する」と宣言した。米国はファーウェイだけでなく関連会社も禁輸対象とし、制裁を強めている。(共同)
米商務省は19日、(ファーウェイ)への米国製品の禁輸措置を強化する。エンティティー・リスト(EL)」への指定を続ける。さらに制裁回避を防ぐため関連会社46社を追加した。(ファーウェイ)は存亡の機であるのだ。
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