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眠らうとして目をば閉ぢると 真ッ暗なグランドの上に その日昼みた野球のナインの ユニホームばかりほのかに白く――
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詩
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こどもが せっせっ せっせっ とあるく すこしきたならしくあるく そのくせ ときどきちらっとうつくしくなる(美しく あるく『貧しき信徒』)
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旅人の夜の歌
峰峰に
憩いあり
梢を
わたる
そよかぜのあともなく
小鳥は森にしずまりぬ
待て しばし
汝もまた憩わん
ゲーテ(小塩節 訳)
今日は朝から「竹山道雄と昭和の時代」を読んでいる。平川祐弘東大名誉教授が書かれたものである。竹山、平川、両氏ともドイツ文学者だ。この歌は竹山が平川に教えたといわれる。
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水中花 伊東静雄
今歳 水無月のなどかくは美しき。
軒端を見れば息吹のごとく 萌えいでにける釣しのぶ。 忍ぶべき昔はなくて 何をか吾の嘆きてあらむ。 六月の夜(よ)と昼のあはひに 万象のこれは自ら光る明るさの時刻(とき)。 遂ひ逢はざりし人の面影 一茎(いつけい)の葵の花の前に立て。 堪へがたければわれ空に投げうつ水中花。 金魚の影もそこに閃きつ。 すべてのものは吾にむかひて 死ねといふ、 わが水無月のなどかくはうつくしき。 |



