真正保守を訴える

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ニーチェ()は彼の超人を、ゲーテのそれとは逆に、余りにも極端に此岸の人間に近づけすぎるという危険な挙に出た。その結果ニーチェは不可避的に反キリスト教的ルサンチマンを舞台に登場させることになってしまった。−心理学と錬金術−
  哲学者山崎氏は書いている。のハンナ・アーレントはヒトラーやスターリン的全体主義の熱狂の渦の中へ、どのように人間を取り込まれていくのかを見ていると、アーレントの言わんとすることがよくわかる。人間は何事であれ、わかりたい、問題を解決したいと欲する動物である。そして、「わかりやすい答え」にすぐ飛びつく。
 インテリであれ大衆であれ、それは変わらない。先の見えない暗中模索の時代になると、不思議な人間が暗躍するようになる。「わかりやすい答え」が威力を発揮するのはそういう時である。
 私は戦後における知の巨人は吉本隆明だと思う。彼が日本浪漫派について書いてるところに興味がある。吉本は「四季派」と「コギト派」との近縁に吉本は注目する。「コギト」は日本浪漫派の保田與重郎が拠点とした雑誌である。そして、伊藤静雄の「わがひとに与えふる哀歌」を引いている。
 戦争はつねになんらかの意味で「他の手段を以てする」政治であった。しかし、過去においては、軍事力による決戦によって政治問題を解決することを可能であった。
 グラウゼヴィッツがまず、「戦争とは、敵を屈服せしめて自分の意志を実現せんが為に用いられる暴力行為である」と定義しながら、その目的に確実に到達するためには敵の抵抗力を喪矢させることが必要であり、それゆえ、それが「概念上軍事行動の本来目標」であり、それが「敵に吾々の意志をおしつけるという戦争の究極の目的に代行し、いわば之を後方に押しのけている」と書くことができたのはそのためであった。
 しかし、いまや全軍事力を用いての決戦は不可能になった。核兵器の出現が全面戦争を不可能にした。しかし、人間は完全なる平和をつくることのできるほど善良でも、賢明でもない。その結果、全面戦争に至らないような形での軍事力の行使が、依然として続くと思う。尖閣諸島はまさに部分戦争になる危険があるのだ。
 
荘子書、斉物論篇の始まりの一節です。
「私は今、自分を失っていた。君はそれがまだ理解できないだろう。君は人籟(じんらい)、つまり笛の音のような人為的な音はわかるだろう。君は地籟(ちらい)、つまり風の奏でるさまざまな音を聞いているだろうか。地籟を聞いていたとしても、まだ君は天籟(てんらい)を聞いていないだろう」と師が弟子に語ります。そして、
「天の息吹(いぶき)は風となり、時には嵐のようであり、また微風の時もある。その風の強弱によって音を変え、またそれを受ける形や穴によって様々な音を奏でる。激しい風が止むときは、すべてが静寂に包まれる。これが、現社会のあるがままの状態を示す地籟の音である」と語ります。弟子はまた尋ねます。
「地籟はそれぞれの持つ特徴や形状で、まるで穴の大きさ、深さなどで変わる音のこと、人籟は笛のように人為で作られたものの音だというのがわかりました。では天籟とは何ですか」
「天籟はいろいろな音を出しているが、受け取る人により音色は変わる。すべてその人の受け取り方による。ただ、人籟を離れ、虚静恬淡(きょせいてんたん)にして、天籟、すなわち神々の声、精霊の声、大自然の声を聞くように努めることが大切なのである」と師は答えます。

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