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「世界平和は…、大多数の者が抱く私的な戦争放棄を含んでいる。だがそれと同時に、戦争を放棄しない他国の餌食になる用意も、そのなかに秘かに含まれている」とシュペングラーが『運命・歴史・政治』で指摘している。
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思想家
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現代が不安の時代であるかどうか、私はよく知らない。しかし、そのような形容詞が、よく用いられているらしいことは、知らないでもない。しかし私は、一般に、形容詞というものを疑う。世間では「学問の自由を守る何々」とか、「戦争に反対する何々」長ったらしい形容詞をつけて、これらの仰々しい形容詞と一緒に、あやしげな実体を抱き合わせで、売りこもうとする動きが少なくないが、私はそういう形容詞を、いっさい聞かないことにしている。
他の人たちも、そういう形容詞は、まず信用しないで、実体だけを見ることにしたらよいと思う。よい品であるかどうかは、平和をほんとうにねがっているかどうかは、そのありのままを見て、こちらが判断することなのであって、そんな形容詞を押しつけられる手はないのである」
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天野 貞祐は、大正・昭和期の日本の哲学者・教育者・文学博士。京都帝国大学名誉教授。第二次世界大戦後は第一高等学校校長・文部大臣(第3次吉田内閣)を務めた後に獨逸学協会学校を母体として創立された獨協大学の初代学長を務めた。文化功労者。
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「われわれは運命を背負って生まれてきた。運命の中にそだち、運命の中に死にゆくのだ。運命はしかし盲目的自然必然ではなくして歴史的必然である。人間の生存は過去のたんなる延長ではない。過去の限定とともに目的の定立による未来の限定をふくむ。運命を背負うて運命をつくりつつある。ひとは自己の罪過を運命に帰してしまうわけにゆかぬ。それにかかわらず運命の力を思わざるをえない。幸運に驕らず、悲運にも屈せず「仁者不憂」の心境にあずかりたいと思う」天野貞祐 |




