「小数の者の豊かさは、多数の者の貧しさを意味することになる」 |
経済学者
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米シカゴ大学教授らによって唱導されつつ登場し、たちまち全米の学会を席巻するに至る学派ですが、何よりも、自由な価格機能の復活、市場機能の絶対視、そして、いわゆる「小さな政府」を最善のものとする理論において、他の学派とは決定的に違っていること、などに特徴をみることできるでしょう。一言でいえば、何事も市場に委ねさえすればうまくいく、市場機能の動きによって最適の資源配分が達成される。というもので、雇用・労働もまたその例外ではありません。今の世界も日本もこのような市場原理主義が経済学の主流になっています。
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「弱い個人の仮定」を前提とすれば、市場に任せる以外にないのではないのか。ノーベル賞経済学の受賞者ハイエクの問題設定である。ハイエクは、人間の理性や認知能力の限界を強調するという意味で、「弱い個人の仮定」に立っている。批判の矛先は、設計主義―ケインズ経済学や社会主義―に向けられる。つまり理性や認知能力に限界のある人間が、社会を設計しょうとしても、必然的に「個人の自由」を失わせる。それゆえ、ハイエクは、市場の「自主的秩序」に任せるべきと主張する。市場こそは、知識の初見と拡散の過程と位置づけられる。人間は、制度やルールを外され「すべてを自己責任でやりなさい」と言われても、ハイエクの認めるとおり人間の合理的判断能力には限界があると思う。
参考 反グローバリズム 金子勝
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これだけゴールドマン・サックス関係者が集まると金融の世界は狭いと思わされる。コロンビア大学の経済学者ジャグディシュ・バグワティはかつて「ウォール街・財務省複合体」と呼んだ。これだけ政治力にたけているのだから「ガバメント(政府)サックス」だ、という冗談もある。
この危機を打開できるのは、危機の創出に手を貸した当の企業の専門家以外にいないのだろうか。権利擁護団体「消費者教育財団」の新しい報告書によると、過去10年のウォール街からの政治献金は17億2500万ドルにのぼる。さらに34億ドルがロビー活動に費やされてきた。 「政府はゴールドマン・サックスにいいように利用されている」と、インスティテューショナル・リスク・アナリティクスの共同創業者クリストファー・ウェーレンは言う。ウォール街のエリートが金融政策を作り続けるなら、同じ危機を繰り返さないためだという新しい規制は、本当に実行に移されるだろうか。 問題は、ゴールドマン・サックスやシティグループ、AIGなどウォール街の巨人が20年以上やりたい放題だったことだけではない。彼らが現在の状態で存在し続けることだ。これらの企業は、通常の自由市場のルールに従って倒産させるには、規模も金融システム全体への影響も大きすぎる。そして彼らが今のまま存続すれば、納税者が再び救済しなければならない事態は避けられないだろう。 ■33年銀行法に学ぶ教訓 同じ悪夢をわれわれは経験してきた。1932〜34年に上院銀行通貨委員会は29年の大恐慌に関する公聴会を開き、商業銀行が預金者に対し、投資銀行部門が売り込んだ証券の価値を正しく伝えていなかったことを明らかにした。 フェデラル・デポジット・インシュアランス社のウェブサイトに掲載されている歴史によると、「罪人」のなかでもファースト・ナショナル・シティ・バンク(現在のシティグループ)は中南米の銀行ローンをリパッケージし、リスクを開示せずに証券化した。どこかで聞いた話ではないか。 政府の対応は断固としていた。33年の銀行法で商業銀行の証券業の兼業を禁じたのだ。65年後に再び巨人に成長したシティグループが、この銀行法の廃止を最も強硬に主張したのは歴史の究極の皮肉だ(同法は99年に廃止)。それを強力に応援したゴールドマン・サックス軍団のうち、ルービンは程なくシティグループの経営執行委員会会長に迎えられた。 消費者教育財団の報告書は次のように結ばれている。「33年の銀行法は……崩壊した金融システムへの社会の信頼を回復するためにも、新たな経済崩壊から国を守るためにも不可欠とみなされた」 オバマの大統領就任から5週間で経済と金融システムが安定しつつあるように思えても、根本的な自信が回復したと断言はできない。政府は現実を把握し、「大きすぎてつぶせない」問題にもある程度は真っ向から取り組むかもしれない。ただし、ウォール街の「元エリート」たちのチームが、自分たちを育てて儲けさせた企業の解体を推し進めるとは思えない。 ガイトナーが外部の助言を求めている様子はほとんどない。オバマが創設した経済再生諮問会議を率いるポール・ボルカー議長はウォール街に徹底して懐疑的な論客だが、ガイトナーにウォール街の外の声は届かないようだ。 財務長官は誰を信頼するだろうか。少なくとも首席補佐官のマーク・パターソンは腹心の部下だ。パターソンは──ゴールドマン・サックスの元ロビイストだ。 ・・ |



