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「いのちが有限であるということからできるだけ目をそらして、健康と長寿ばかりを願う。故障が起これば医者がなおしてくれる。物がありあまっているときに、物に対する感謝の念が薄れるのとおなじように、私たちは、いのちをあまりにも粗末にしてはいないであろうか。
いのちはもろいものであり、今日の健康は、いつまで続くかわからないということをもっとしっかり認識すれば、一日一日が大切にいとおしく思われるであろう。私たちは、いのちに対してもっと慎ましくなれないものであろうか。
人間は死ぬものであるということを心に刻んで、いつ、死が訪れてもあわてない心構えで人生をおくれば、日々の色合いがかわってくるのではなかろうか。いのちに対しては清貧が心がけたいものである。周囲の人びとにも同じ気持ちで接すれば、毎日の生活がたいへん貴重なものに思え、感謝の念がわいてくるであろう。」作家・理学博士・歌人 柳澤桂子
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好きな・感銘した文章
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「詩人とは、本来存在の言葉の実存において永遠の原点のなかに書きこまれている、心秘の言葉の解読者である」俳人 河原枇杷男
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「女は俺の成熟する場所だつた。書物に傍点をほどこしてこの世を理解して行こうとした俺の小癪な夢を一挙に破ってくらた。」小林秀雄 |
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「『言霊の幸ふ』というのは、紀貫之が「猛きもののふの心を慰むるは歌なり」ですか、古今集の序にありますね。言葉が現実というものを支配しているのだ」そうして現実の人間感情というものは決局その言葉から出て来たものでできているのだという、現実に対するアンチテーゼを立てる立て方なんですね」三島由紀夫 |
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作家三島由紀夫と、文藝評論家 中村光夫の対談・人間と文学で。中村 ぼくが堀辰雄で一ついいと思ったのは、人間の生活というのは運命よりましだと、いうものがある。あなたは嫌いかな。三島 ぼくは大嫌いだ。運命が一番美しいので、あとは滓だよ。……でも、運命には挑むしかないんだよ。
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