真正保守を訴える

日本を愛し、郷土愛に燃える。

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恋愛は神と人がするものでなくて、同じ惨めな人間同士のすることであるから、空中で互が互いの首筋をつかんでぶら下が合ってゐるやうなものである。遅かれ早かれ墜ちるに決まってゐる。とは長谷川三千子が書いている。
 「吉原御免状」で水野十郎左衛門が新吉原の屋根で松永誠一郎に説いたものである。峰 慶一郎の文は心にとどく。人生の哀歓がある。還暦を過ぎた者には、何ともいえない清々しさを感じるのである。
 そうだ。俺たちに出来るのはそれしかない。人を滅し、家を滅し、我が身を滅ぼす。それだけだ。こんなうす汚い世の中に、糞尿に塗れながら生き永らえるなど、真平御免だ。(天は我をどこに導こうとしているのか)誠一郎はもう一度胸の中で呻いた。
 今の時代も自己の生きる目標を持ち、後世に遺すことができるものは何だろうか。この本を読みながら考えてしまった。人生かくあるべしということですね。
 人は時代に生きるという姿勢と歴史に生きるという覚悟をもちながら何事かをなしとげていく。時代に生きるというだけでは歴史からいつの日か無惨な報復を受ける。同時に歴史に生きるというだけでは、時代に生きたとはいえないないし、それは夢想家のひとりよがりと受け止めても仕方がない。「志に生きる」のまえがきで保坂正康氏が書いたものである。保坂氏は昭和という時代は人類史の見本市であるとも」述べている。この本には、中野正剛、石原莞爾、河合栄治郎、夢野久作、徳富蘇峰、という、私にとって興味ある人物が描かれている。「生きるという覚悟をもちながら何事かをなしとげていく」というこの言葉に心が響くのである。
路傍の愛人よ。一瞬のビアトリチェ。生涯の間にもう一度、あふ機会はおそらくあるまい。俺が、彼女に捧げたものは、決して、にせものの純情ではない。かうして、俺は、生涯かゝつてつくつた大切なものを、むなしく、つかひへらしてしまふ
 批評に限らず、あらゆる文章は傳達ではなく定著を目的とするものであります。自分の思想の整理箱にまたひとつの中身がふえたといふやうなものではありません。甲から乙にひとつの眞理が傳達されうるなどと考へることに、すべての禍根が横たはつてをります

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