京都のまつ

マルチアンプ駆動と精緻なタイムアライメントへのこだわり

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DEQXの再試聴

 ちょうどマルチアンプ方式におけるタイムアライメントの重要性を意識し始めた10年前に、日本上陸して間もないオーストラリア製のDEQXという音響補正機材を借りたことがあった。
 当時、Krizz-Laboを立ち上げて間もない頃の栗原さんも正月明けで、あいにくの大雪の中にもかかわらず、軽井沢から拙宅に来ていただき、石井伸一郎氏、三田の塚本氏も同席のもと、栗原さんによるDEQXをキャリブレーションの後にその効果を試聴したことを思い出す。
 
 先日、TRINNOVを借りて音響補正を試して好結果を得たこともあり、DEQXの試行から10年の時が経過し、拙宅のシステム環境もJBL-4350Aから現在ではSTS-Limitedへと180°と言えるくらい大きく変わったので、最新のDEQXを再度試してみることにした。
 10年前はJBL-4350A4Wayなので、ルーム音響補正機能のみの試行であったが、今回は「STS-Limited」も3WayなのでDEQXの音響補正機能付き3Wayのデジチャンとして、AccuphaseDF-65に差し替えて試聴することにした。
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 DEQXPCにコントロール用アプリをインストールしてUSB接続でキャリブレーション作業をする仕様であるが、いつも音響測定に使っているWindows7搭載のSONYVAIOが、何故かDEQXを認識できないというスタート段階からこの種の機材ならではのトラブルから始まった。
 何度かトライを試みたがDEQXと接続出来ないので、やむなく接続するPCを変更して、スピーカー特性の補正用パラメーターの設定に必要なユニット毎の音響特性の計測作業から始めた。
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 ユニットの音響測定には、至近距離から1mまで、いくつかの位置で計測をして試聴を繰り返した。
 小生はPCによる音響測定を何度も実施しているので、計測マイクとPCによるこの種の作業には慣れてはいるが、やはりDEQXの計測とパラメーターの設定手順を理解するまでには時間がかかった。
 これらの作業に慣れていないと、Kurizz-Laboのサポートなしで自力による計測・設定作業は難しいかも知れない。
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 音響特性に使用する計測音の反射波による影響を最小限にするには、SPユニットからの計測距離は近い方がいいのであるが、ある程度ユニットからの音が拡散してバッフル板からの反射である、いわゆるバッフル効果の特性も含めた1m程度の位置で計測した結果が最も良いと思われる。
 
 スピーカーの特性補正後の試聴結果は、サウンドの印象としては鮮度はDF-65に譲らざるを得ない結果ではあったが、音楽的な全体のバランスはDEQXの方が妥当なバランスであると感じられたことやフィルターがDF-65IIRからFIRによって高域の群遅延歪みが無くなったことにで、ツィータのシャリつきが目立たなくなった印象がある。
 このフィルターの郡遅延歪みについては、急峻な特性ほど歪が大きいことから96B/octを定番にしている小生としてはAccuphaseも位相回転の弊害の少ないFIR方式に変更してほしいものだと思っている。
 残念ながらDF-65の高いS/N比の鮮度に慣れた耳には、DEQXがもう少しS/N比が良ければ申し分ないとの不満を残す結果となった。
 
 今回の試聴にて数カ所のポイントで計測して、DEQXが導き出した計測結果による補正値は、DF-65に設定している3Wayのアッテネータの設定値と比較して、最大で10dB近くも食い違う結果となったのである。
 STS-Limitedが誕生して半年が経過し、DF-65に設定しているLOW,MID,HIGHのアッテネータバランスも落ち着いて、時には1dB程度の調整をすることがあったものの、ここまでギャップが出たことには直ぐには納得出来なかった。
 
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イメージ 5
 DEQXを返却後、このMIDの音圧差が音楽表現の違いになったのではないかとの思いから、今までベストと思って設定してきたDF-65のアッテネータの値をDEQXによって示された3Wayの音圧レベルに近づけて試聴をしてみることにした。
 DF-65における最近の値は、LOWから順に+10.0,+3.0,+1.5であったが、+10,-1.5,+1.5MID4.5dBも下げて試聴を始めたのである。
 これだけミッドを下げるとかなり印象が変わるだろうと思いながら試聴を始めたのだが、むしろ中域の硬さが収まって落ち着いたサウンドになった。
 DF-65は、DEQXのようにイコライジング機能がないので、各帯域の音圧を変更するしか出来ないのであるが、それでもこのバランスへの追い込み領域も残されていたという思いと同時に、マルチアンプのユーザーは、最後はリスナーの耳によるサウンドバランスで追い込んでいるが、改めて人間の耳による調整の限界を思い知らされるとともに、先般のTRINNOVによる試聴結果に続いてDEQXについてもDSPによる音響アナライザーの補正効果を認めざるを得ない結果となった。

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京都のまつさん

上から4番目の周波数特性の図を拝見しますと、補正に使ったウーファーの測定結果に疑問を感じます。結果として間違った補正になったように私には思えます。

上から3番目の周波数特性は正しそうで、それを見る限り補正は100−300Hz辺りを少し補正するだけで良さそうです。私には中域と高域のレベル設定はとても自然に見えます。

2018/8/15(水) 午後 6:36 [ Myu ] 返信する

さすがDEQXユーザーであったMyuさん ですね。

補正範囲の指示画面を追加掲載しましたが、250Hz以下のウーファーの補正は、100Hz〜200Hz辺りの谷の逆補正のみで、補正範囲外の100以下は補正の信頼性が得られないことから補正の対象外となっていますので、結果AS-250の能率差が顕著に出て、Low,Midの音圧差で10dBの格差になっていると思います。
DEQXの低域補正は、FIRフィルタのTAP数の限界から実質補正が出来ないものと認識しています。
この辺の補正は、ルーム補正のパラメトリック・イコライザー機能で調整するしかないと思います。
そんなこともあって、DEQX返却後のDF-65による補正を5dB程度の差に留めたのも、その辺の誤差を聴感上で補ったつもりです。

2018/8/15(水) 午後 9:27 [ 京都のまつ ] 返信する

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自分はCONEQとトリノフを試して結果的にトリノフに一票を投じまして、とても満足しています。何十年来悩んでいた位相問題などもあっという間に解決しました。最近のデジイコは満足できるものになりましたね。驚きです。

2018/8/15(水) 午後 9:36 audiovideo_fan 返信する

S藤さん
仰る通りだと思います。
実はS藤さんをよくご存じのオーディオファイルとDERACも試めさせて貰いました。
TRINNOVの優れたアルゴリズムには、感服しますが、永年マルチのチューニングに心血を注いできた思いから、どこかでデジイコに任し切れないで抵抗している自分がいることも認めざる得ません。(笑)

2018/8/15(水) 午後 10:40 [ 京都のまつ ] 返信する

補正技術の進歩は素晴らしいですね。
自動車業界でも音に関しての技術進歩も目覚ましいです。
先日見たものは音を粒子的に捉えて速度、方向、圧などアナライズします。欲しいなと思いましたが、1500枚諭吉円。他にライセンスや保守やらで年間百諭吉位はかかるのかな?
私はやはり自分でやるのが楽しいので(できるできないは別にして) 楽しく苦しみます(^^)

2018/8/21(火) 午後 10:25 [ デビルJyajyaoの秘密基地 ] 返信する

ジャジャオさんのシステムは、ジャジャオさんしか、調整・補正はできないと思います!

2018/8/22(水) 午後 4:17 [ 京都のまつ ] 返信する

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