京都のまつ

マルチアンプ駆動と精緻なタイムアライメントへのこだわり

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  Ta.Qu.To-Zeroとネーミングされた世界初のオール金属削り出しエンクロージャーのスピーカーが完成し、試聴できる状況になったとのことで、製作者であるY’Acoustic Systemの吉崎氏と設置先のダイナミックオーディオ・川又ルームにて試聴させていただくことになった。
 
製作者の吉崎氏とは、2016年の暮れに大阪のTKさんの引き合わせで交流が始まった。
当時、小生も「終のスピーカー」の製作構想を妄想中で、まだ暫定的なシステムであったのだが、小生宅にて当方の取り組み状況やサウンドを聴いていただいた。
吉崎さんは高度なグラフィックデザインに関する才能とスキルの持ち主で、その能力を生かした事業の経営者である傍ら、過去にも弩級スピーカー製作されたこともあって、スピーカー製作に関する技術やユニットに関する情報のみならず、オーディオ全般に関する知識も豊富であったことから、20歳以上の年齢差があるにも関わらず同じ価値観から話が弾み、以来、親しく交流をさせて頂いている一人である。

彼は、まだ世界には製作例のないオール金属削出しのエンクロージャーでスピーカーシステムを製作するという構想を膨らませていた。
一方、小生もAdvanced-4350というコンセプトで様々なユニット選別の過程を経て、選抜された優れたユニットでスピーカーの集大成ともいえる「終のスピーカー」を製作する構想の中で、同じくエンクロージャーの素材や形状で徹底的に共振を抑え込むために石材を素材としたエンクロージャーのスピーカーの具体化を検討していた。

どのようなスピーカーも机上では妄想出来ても、実際に具体的な形にするまでには、前例もないだけに様々なハードルを克服する必要があると共に、必ずしも良い結果が保証されているものでもない。
とりわけ吉崎氏のTa.Qu.To-Zeroの設計には3次元CADを駆使した設計力と、製作には2.5トンにも及ぶ金属塊を削り出して、エンクロージャーにするまでの加工工程の請負先の確保には、小生のストーン・スピーカーとは桁外れの技量が要求される。

また採用する合金の種類も、金属の共鳴を抑えるためにマグネシウム、アルミ、真鍮と異なる素材の金属を適材適所に配置したこだわった構成や、ユニットの特性を生かすための形状や組み込みなどの整合性に加え、最大限の性能を引き出すための中核ともいうべくネットワークの設計・チューニングも含めて膨大な試行錯誤が必要になる。
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小生のような一人のオーディオ・ファイルの集大成という個人作品ではなく、先々は販売も視野に入れたスピーカーの開発スタンスとしては製造原価の投入コストの観点から疑問を持った時期もあったが、販売は二の次ぎで、彼の一切の妥協を排除したスピーカーを作りたいとの思いから製造原価も度外視した物づくりのスタンスが貫かれており、加工を請け負う職人達にも熱意が受け入れられて誕生したスピーカーであると思っている。
小生のストーン・ウーファーも製作経験のない工程を請け負ってくれた日本や中国の職人たちとのコラボなしでは誕生し得なかったであろう。その意味では様々な出会いと熱意によって誕生したスピーカーである。
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Ta.Qu.To-Zeroの製作開始は、ストーン・ウーファーよりも若干先行していたのであるが、やはり加工が大規模で進捗にも時間を要し、結果的にストーン・ウーファーが昨年暮れには音出しに漕ぎつけたが、ようやく今年の7月にようやく塗装と組付けが終わって音出しの運びとなり、その後のチューニングと試聴を経て、このたびのお披露目の運びとなったのである。
 
ダイナミックオーディオの7階の訪問で、ようやく完成した雄姿を見たのであるが、開発のCAD図面の段階から何度も見ていたのであるが、やはり完成した実物を目の当たりにすると、誕生を期待してだけに感慨深いものがある。
 
試聴は、午後1時から5時までのたっぷり4時間をかけて、この試聴のために選曲して焼いてきた各種ジャンルのCD音源をほぼ一通り聴かせていただいた。
吉崎氏とは拙宅のストーン・スピーカーで共に様々な音源でサウンドの印象を評価してきたこともあって、Ta.Qu.To-Zeroは、特段に今迄に聴いたことのない異次元のサウンドという印象はなく、物量で制動のきいたサウンドで、拙宅で聴いているような印象すら感じた。
ほぼ半年間、拙宅のストーン・ウーファーの低音に聴きなれた耳には、同様に締まった印象であるが、初めて聴くAudio Technology 12inchウーファーとAccuton AS-250ウーファーとの印象の違いに加え、やはりネットワークを介してドライブされていることもあって、若干しなやかで量感のある低音であると感じた。
また、ミッドレンジに配置されたVOLTのソフトドームと30mmのダイヤモンド・ツイーターは吉崎氏の狙いのとおり、極めてリアルなボーカルを表現し、Accutonユニットのような硬質感は全くない。
この中高音域の印象は、同じフロアーに設置されたヒロ・アコースティックのユニット構成とは逆の構成で、結果的には販売される川又さんの営業展開からすれば、リスナーの好みによって選択余地のあるラインナップが揃ったともいえるのではなかろうか。
 
まだ若い製作者であるにもかかわらず、このようなスピーカーを完成させて、今後どのような進化を遂げていくのか、今後も大いに期待しながら注目をしていきたいと思っている。
今後、このフロアーを訪れる様々な見識をもったオーディオ・ファイルの評価が巷に発信されることになろうが、ホーンシステムを除いて、今までこのタイプの超弩級スピーカーは、ほぼ海外で誕生してきたが、まさに日本発の世界初、メタル削り出しエンクロージャーという超弩級スピーカーを誕生させたことを誇りにしたいと思う。
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試聴時間が終わり、ダイナの3階に今話題のマジコのA3が常設されており、折角の機会なので試聴の予定をしていたのだが、Ta.Qu.To-Zeroを4時間聴かせていただいてレベルの引き上げられた耳には、あまりにもそっけないサウンドに感じられ、じっくりと聴く気にもならなかったので、またの機会に試聴することにし、吉崎氏とTa.Qu.To-Zero完成のお祝いの食事をしてから、明日のからの訪問に備え宿泊先のホテルへ向かった。

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遠征試聴頂き有難うございました。
ようやく「出来る出来る詐欺」から解放されホッと一息つけました 笑
この先色々なコンポーネントの組合せで鳴らして頂けると思いますので、沢山の方々に聴いて頂けると嬉しいなぁ〜と思うと共に暫くは開発を忘れて音楽を楽しみたいと思います♪
京都へ行く際には、また聴かせて下さいませ!

2018/9/26(水) 午後 3:34 [ yas*22 ] 返信する

その部屋は、世界のハイエンド機器とのコラボが可能な絶好の場所ですから、色んな出会いで新たなステージの発見を期待しています。
又、拙宅でお会いしましょう。

2018/9/26(水) 午後 5:15 [ 京都のまつ ] 返信する

京都のまつさん、先日はありがとうございました。 S邸でのリスニングでは大変お世話になりました。またTa.Qu.To-Zero
大変興味深く思っています。近々試聴会を聞きに行こうと思っています。
マグネまで使われていると言うこと、もし大きなエンクロージャーの部分?AZ91dなどでDCを作成してからCN Cで加工したのか?だとするとそれこそものすごいコストになってしまうと思います。とんでもないことだと恐れおののいております。

2018/9/27(木) 午後 9:52 [ デビルJyajyaoの秘密基地 ] 返信する

ジャジャオさん 加工の機材まで承知をしておりませんが、当然に数値制御の加工機で金属のインゴットを削りだすので、とんでもないコストと時間も掛りますし、塗装やネットワークにもとんでもないコストが惜しみなく投入されています。

2018/9/27(木) 午後 11:05 [ 京都のまつ ] 返信する

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> デビルJyajyaoの秘密基地さん
ジャジャオさま、初めましてTa.Qu.To-Zeroの製作者でございます。
マグネですが、純マグネシウムの切削品を高域・中域のデッドマスとスパイク関係全般に使用しております。

2018/9/28(金) 午前 8:52 [ yas*22 ] 返信する

yas*22さん はじめまして。川又さんのメルマガで拝見しております。なんともとんでもないものを創造されて驚きです。
機会がありましたらぜひ相互訪問などで詳しいお話をお聞かせください。
ダイナミックオーディオのマラソン試聴会、大きな会場ですから、後にびしっと鳴らした川又ルームHAL7階でまた体験させていただきたいと思います。今後ともよろしくお願いします。

2018/9/29(土) 午前 9:21 [ デビルJyajyaoの秘密基地 ] 返信する

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> デビルJyajyaoの秘密基地さん
ジャジャオさま、こちらこそ是非宜しくお願い致します。
因みに、Ta.Qu.To-Zeroはマラソン試聴会には出ませんので、
HAL7階でお聴き頂ければ嬉しいです♪

2018/9/29(土) 午後 1:38 [ yas*22 ] 返信する

yas*22さん ありがとうございます。マラソンは出ないのですね。それでは7階の方へ伺おうと思います。 エール音響、Sさんもお誘いして都合の良い時に行って参ります。楽しみです。

2018/9/30(日) 午後 10:06 [ デビルJyajyaoの秘密基地 ] 返信する

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