京都のまつ

マルチアンプ駆動と精緻なタイムアライメントへのこだわり

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 イタリアのハイエンド・スピーカー・メーカーであるALBEDOAcclara(アルベド アクララ)の試聴会に参加してきた。
 
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 ユニット構成に全てAccutonCell-Conceptのユニットを採用し、低音はトリプルの16cmウーファーをトランスミッションラインというバスレフ方式ではない排圧を活用する、極めてチューニングが難しいと言われている独特の低音再生方式を採用しているのが大きな特徴だ。
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 エンクロージャーの構造図の写真のとおりで、3つのウーファーの背面から出る奇数次高調波をエンクロージャー内のレゾネーターという吸音材を入れた領域で除去し、結構迂回した長い音道を通って後方のポートから再生されるとういう方式で、小口径で高い反応速度と重低音再生の両立を目指したスピーカーとのことである。
 またエンクロージャーは、不要振動を抑えるためにエンクロージャーの両側板に重量級の鉄板を固定した構造で重量も135kgもあり、小生の推奨コンセプトにも沿ったスピーカーであることから、是非聴いてみたいとの思いで試聴会に参加したのであった。
 
 試聴が始まって、Accutonならではのトランジェントの高いサウンドと、かなり下まで伸びた低音に納得したのであるが、同時に縦にスリムな形状にもかかわらず、以外と面で押すような印象のサウンドを感じた。
 
 いくつかの試聴曲が演奏される中で、ユニットのクロスオーバー周波数についての説明があり、ウーファーは400Hz、ツィーターは2400Hzとなっているとのことで、小口径のウーファーでもあり、ウーファーのクロスオーバーとしては妥当な設定と思ったのであるが、販売先のMCが、トランスミッションラインの後方のポートからも、「かなり上の周波数まで後方のポートからも出ています」との説明があり、是非一度聴いてみて下さいとの案内があった。
 そして、ムターのバイオリン演奏の後に、コンサートのリアルな再生をしていますと試聴会のMCから説明がなされたのであったが、参加者から「どう聴いてもリアルな音には聴こえませんでしたが〜」との不躾な発言があり、「まだエイジングが充分にできていないので〜」との苦し紛れの説明がされたのであるが、要は臨場感の表現という点では、期待値を下回っていたということから出た感想であったといえる。
 
 トランスミッションライン方式は設計が難しく、イタリアの音響専攻の大学教授も参加してSPの設計シミュレーションソフト社内開発をして製作したとし、低音のブーストアップ効果によって、かなりの重低音再生を可能にしているものの、やはり音道の長いポートから400Hzを超える音域が出ていることが、せっかくの臨場感再生を阻害しているものと思われる。
 
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 エンクロージャーには密閉型、バスレフ型があることは周知のとおりであるが、密閉型では一般的に音の濁りが少ない反面、重低音の不足や低音の圧迫感が否めないが、一方バスレフの利点を活かし且つ中低域の混濁感を少なくするためには、バスレフ・ポートから出る音域はできる限り指向性を感じ始める80Hz以上の音域の漏れを少なくする方が好ましいと改めて感じさせられた。逆に言えば、中低域の混濁感が多いと、面で押す様な印象になり、臨場感の表現は難しくなる傾向を、このスピーカーでも改めて鮮明に感じた。
 もっともスピーカーの開発者が、どの様なサウンドを目指して開発したのかにもよるが、このユニット構成とエンクロージャーであれば、もっとハイレベルな臨場感再生を目指して欲しかったというのが正直な感想である。
 
 小生は、このバスレフ方式の欠点ともいうべき問題の軽減の為には、中低音のクロスオーバー周波数は、できる限り下げ、ポートからの出音も指向性を感じる周波数帯域は抑えるのが望ましいと思っている。
 しかし、ネットワーク方式では、ネットワークが大掛かりになるというネックがあるが故に、小生はマルチアンプ方式にこだわって来たといっても過言ではない。
 本当に上質な低音再生の評価を得ることは容易なことではない。

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閉じる コメント(9)

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中低音のクロスオーバー周波数は、できる限り下げたうえで、ウーファーをサイドに配置するのもひとつのやり方かと思います。

2018/11/21(水) 午後 11:59 [ よし ] 返信する

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400Hzクロスが悪さをしている感じですね

2018/11/22(木) 午前 7:53 [ よし ] 返信する

よしさん
リアからの出音の処理を色々工夫することで、かなり変わりそうですが、やはりウーファー背面の音道が長いのも気になります。

2018/11/22(木) 午前 11:24 [ 京都のまつ ] 返信する

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TLSの場合、基本的に音道には吸音材を入れて共振は抑え込むのですが、
このスピーカーはもしかして吸音材は使ってないのでしょうか
吸音材を使わない場合は音道の出口にポートを配置してMassLoadedと
言われる形式にする作例が多いです

2018/11/22(木) 午後 6:03 [ lev*at*an*31* ] 返信する

lev*at*an*31*さん
お詳しいようですね。

確か吸音材を入れているようなアナウンスがありましたが、バックポートからの音をかなり高い音まで出ていますよと試聴参加者に聴いてみてくださいと薦めていました。 (あり得ない行為です)
音道が長いことは、より遅延による弊害があるとしか思えないです。

2018/11/22(木) 午後 7:54 [ 京都のまつ ] 返信する

pmcのMB1使っていました(まだ持ってますが)音道には山形スポンジ、出口はエアークリーナーのようなスポンジで塞ぎ低域のみを出すような感じです。クロスは380。遅れ感はありませんでした。
これは出口が後ろ向きなので多少混濁音が出ちゃっても味になるかなといった狙いなのかも?
インターで某国産スピーカー、聴いた瞬間バスレフ臭い。勘弁。と思ったのですが、何やら工夫してバスレフ感がない音にしてると言うアナウンス。冷や汗が出ました(笑)

2018/11/22(木) 午後 11:01 [ デビルJyajyaoの秘密基地 ] 返信する

ジャジャオさん
PMCは、上手くこなしてるとの評価ですね。
販売者は、セールストークを言いますが、参加者も買わないけれど、色々聴きに行って耳が肥えた人が多くいますので、いい加減なトークは言えませんね。

2018/11/22(木) 午後 11:18 [ 京都のまつ ] 返信する

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こんにちは。

16僖Α璽侫 爾400Hzクロス、-12dB/octのネットワークで動作させているところ(カタログ値確認)にも課題がありそうに感じました。

小口径のミッドレンジなので400Hzはやむを得ないとしても、-24dB/octくらいにすれば、すっきりとした音場感が出せるかも、ですね。

2018/11/23(金) 午前 8:44 [ ゴンザエモン ] 返信する

ゴンザエモンさん
おっしゃる通りです。
どうして、音響工学の教授まで噛んだ開発がこうなったのか分かりませんが、面で押すサウンドにチューニングしたのかもしれません。

2018/11/23(金) 午前 10:01 [ 京都のまつ ] 返信する

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