京都のまつ

マルチアンプ駆動と精緻なタイムアライメントへのこだわり

全体表示

[ リスト ]

  今回、maginitudeを借りた目的は、小生が今日まで音響計測技術を活用して積み上げてきた、マルチアンプ方式のチーニングにおける「タイムアライメント」と「ユニット間の適正な音圧調整」をTRINNOVのアルゴリズムがどこまでの精度で自動設定するのかを検証することである。
 
 搬入されたTRINNOV magnitudeを目の前に置きながら、ケーブルの手配ミスでステラの橋隅氏の再訪問を待つだけで何もできないのも歯がゆいので、ステラに連絡して自力で最初から設定作業をすべく、計測マイクの延長ケーブルと操作マニュアルを送ってもらうことにした。不明な点はメールでサポートを願うこととして、自力で使い始めることにした。
 
まずはiPadにコントロール用の汎用VNCアプリをインストールし、ネットワークへの接続環境も整えて、まずは3Wayのデジチャンとして使うためのキャリブレーション作業に入った。
イメージ 1
 計測用のマイク入力や出力の接続環境の設定など、全てiPadのタブレットの設定画面からの操作で行う。
 DEQXはパソコンに専用のコントロール・アプリをインストールする必要があるが、TRINNOVの場合は専用のコントロール用アプリを必要とせずに、汎用のVNCソフトで直接コントロールできるのがよい。
TRINNOVのフィルターはFIR型で、バターワース、ベッセル、リンキッツ・ライリーの3種類からが選べるが、Accuphase DF-65のフィルターは、IIR型のバターワース・タイプの固定フィルターなので、DF-65と同じバターワース型を選択して設定作業を始めた。
 小生は永年、カットオフ・スロープを各帯域の重なりが少ない96dB/octにこだわってきたが、残念ながらmagunitudeのカットオフのスロープは最大24dB/octまでなので、最大に設定してキャリブレーション作業の信号音で高価なダイアモンド・ツィータを壊さない様、設定値の誤りがないか慎重に確認しながら作業を行った。
  結果、小生が数年の歳月をかけて磨いてきた調整作業を、片チャンネル当たり、わずか15秒程度のピンクノイズでユニット間のタイムアライメントと音圧差を計測し、最適値を設定してしまうTRINNOVのアルゴリズムには驚くしかなかった。
イメージ 8

イメージ 2
 チャンデバ機能のキャリブレーションを終え、ユニット間の遅延時間とそれぞれの帯域の音圧が1dB以下の単位で設定がされていた。
いつもDF-65で設定しているディレイタイムと音圧差の値に近いものの、かなりの差がみられるが、DF-65とはカットオフのスロープが異なるので、その妥当性は分からない。 
設定が終わり慎重に音出しの確認をしてから、magunitudeのチャンデバのAuto-Cariblationで設定された値でサウンドを聴き始めた。
magunitudeDACは一般的なDACチップではなく、PC用のintelCPUを使用したDAC機能であるが、ツィータに近づくと若干の残留ノイズが感じられる。
また、ノイズフロアーの低いオーディオ・ルームの環境もあって、若干のファンノイズも気になる。 
magunitudeのデジタル入力には一般的なCOAXIAL端子の装備がなく、TASCAM配列のDB25というプロオーディオ用の端子しかないので、本格的な試聴に入る前にTASCAM配列のDB25ケーブルを調達してデジタル入力でネットワーク・トランスポートに接続して試聴を開始した。
magunitudeのスロープが最大で24dB/octまでなので、DF-6596dB/octに比べ、鮮度が良くないのではないかと危惧していたが、あまり劣るような印象は感じられず、いつもの音源でしばらく試聴を続けたが、充分に各ユニットの音圧バランスの取れたサウンドと評価できる。
3種類のデジチャン用のフィルタータイプの全てにキャリブレーション作業を行って試聴したが、ベッセル型がもっとも良い印象をもった。
このサウンドの印象から、キャリブレーションの自動設定によるデジチャンとして、かなり高いレベルにあることが聴いてとれた。 
 後日、maginitudeのチャンデバの設定に関するキャリブレーションが正しく設定されているのか、小生の計測方法で検証してみることにした。
結果、インパルス応答によるタイムアライメントの観測では、インパルス波形写真のとおり、ほぼ完全に最適化されていることが確認できた。
イメージ 3
さらに一歩進んでクロスオーバー周波数でユニット間の位相差を確認したが、若干の位相差があることが確認できた。
小生はこの位相差をゼロになるように設定しているが、フィルターのタイプによっては、必ずしもゼロにするのが正しいのかどうかは議論の余地がある。
イメージ 4
もう一つの最適化のポイントは、ユニット間における音圧差の調整であるが、最近は特にその重要性を感じているところである。このバランスの如何によって、システムの音色が大きく変わるからである。
しかし、この音圧差の把握にかかる音響計測による最適化の手法については、今日まで見いだせないままで、様々な試聴用の音源を聴いて着地点を探るしかない状態なのである。
FFTによるオクターブバンドを活用して、粗い追い込みは実施しているものの、5dB程度の誤差が簡単に出てしまうが、TRINNOVでは1dB以下の単位で自動設定されている。
ユニット間の適正音圧の自動設定の結果については、小生も測定による検証のすべを持ち合わせていないので、様々な試聴用の音源を聴いて、納得できるサウンドに調整されていることを確認するしかないのであるが、充分に納得できるレベルに設定されていると評価できる結果である。
このユニット間の音圧調整にかかるTRINNOVのアルゴリズムについては、是非とも知りたいものだ。 
引き続き、作年借りたST2-HiFiでも試したオプチマイザー機能との相乗効果を試すべく、オプチマイザーのキャブレーション作業に入った。
イメージ 9

イメージ 5
今回は、時間の余裕もあったので、何度もキャリブレーションをし、その中で感じたことは、マイクの設置位置とわずかな設置角度の変化でも敏感にサウンドの印象が変わることがわかった。
単一の計測マイクからの情報だけではなく、計測位置の異なる4本マイクを使ったTRINNOV特有の計測ノウハウによるものであろう。
従って、オプチマイザーによる補正機能についても、マイクの設置位置や角度を慎重に見極めながら測定を何度も繰り返してみた。
イメージ 10
TRINNOVの優れているところは、マルチポイントで計測をして、複数個所の計測結果のウェイト付けが出来るところであろう。しかし、残念ながら今回はこの機能まで確認する余裕はなかった。
 1回の計測結果で、補正の範囲と深さを変えて何度でも逆補正のカーブを作り直すことができるので、何度も試してみたが、やはりあまり深い補正は違和感が出るので、上限を±5dB程度にするのが好ましいように感じた。
従って、補正値を深くしなくても良いように、なるべく素特性が良いことが望まれるのは言うまでもない。 
 magunitudeが自動設定したチャンデバとオプチマイザーのサウンド・バランスで様々な音源を試聴したが、特に定在波のうねりの大きい帯域の改善効果が大きく、ストーン・ウーファーの締まった低音がさらに改善され一段と引き締まったリアルな低音になる。
 オプチマイザー機能で諸特性が最適化された上で、さらにリスナーの好みや聴覚の違いも補うべく、グラフィックとパラメトリックの両方のイコライザー機能が装備されているので、自分のサウンド作りが出来るなど、極めて多くの機能をもっている。
イメージ 6

イメージ 7
  マルチアンプ方式のユーザーが自身の耳だけでチューニングしている諸兄が少なくない中で、小生は音響計測テクニックを活用して、今日までチューニングをしてきたが、TRINNOVのキャリブレーション技術の活用で、極めて短時間で高次元なサウンドに整えてしまうポテンシャルには脱帽するしかない。
 
しかしこれらのメリットを得るためには、TRINNOVに代表されるような高度な音響機材の機能を理解し、充分に使いこなす為のスキルが別途必要となってくるが、うまく使いこなすことで、さらに高い次元のサウンドを目指すための大きなツールになることは間違いない。
しかし一方では、機械任せの音作りになってしまうリスクもあることも承知しておくべきであろう。
ネットワーク方式のフィルターを構成する部品の性能もどんどん高性能化して、中途半端なマルチアンプ方式では、ネットットワーク方式に劣る結果にもなりかねない中で、今後TRINNOVに代表されるような技術を積極的に取り入れるべき時代に入ったことを目の当たりにした思いである。
 
TRINNOV magunitudeを返却後、現在では、magunitudeが計測した設定値をDF-65に移植して聴いているが、今まで小生が設定してきたバランスよりも、より音楽的なバランスが好ましいと感じている一方で、やはりカットオフのスロープは96dB/octが好ましいとも感じている。
しかし、改めてAccuphase DF-65の高いS/N比による透明度の高いサウンドにも捨てがたい魅力を感じるのである。

閉じる コメント(2)

早速、TRINNOVをセルフで使いこなすスキルは脱帽です。

拙宅では、縦マルチ横マルチ総計24チャンネルのタイムアライメント、現状ではALTITUDEしが最善の選択肢だと思ってます。
一方でこのTORINNOVが故障したら、システムそのものがダウンしてしまう不安もあります。

また色々と教えてください。

2019/4/22(月) 午前 6:50 [ lib*r*_jbl ] 返信する

リベロさん

TRINNOVは使いこなすほど、そのポンシャルの凄さがみえてきますね。
New Fujiyamaも、ALITITUDEありきのシステムだと思っています。

是非、聴いてみたいです。

2019/4/22(月) 午前 7:24 [ 京都のまつ ] 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事