京都のまつ

マルチアンプ駆動と精緻なタイムアライメントへのこだわり

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 リスニング・ルー厶の閉じられた音響空間においては、その部屋のサイズや建物構造などによって様々な音響上の歪が生じる。
 その代表的なものとしては、定在波や反射音、残響、構造体による共振・付帯音などがあり、無響室でない限り、一般的なリスニング・ルームでは、それらの複合音として再生音楽を聴いていることになる。  
 リスニング・ルームに求められる基本特性を向上させる為のルーム・チューニング材も多く登場している一方で、リスニング・ルームで発生する音響上の歪みを総合的に逆補正することを目的とした音響補正用オーディオ機器がある。
 この音響補正用の代表的な機器といえば、一昔前はトーン・コントロールやグラフィック・イコライザーであったが、今日では、DSPを活用したデジタル・フィルターによって音響上の補正するのが一般的になってきた。
 特にプロサウンドの世界では、今やDSPによる音響補正機能の活用・搭載は不可欠とも言える技術で、この技術の進化のお陰で、ライブコンサートや狭いカーオーディオの環境でも、いい音を聴く上で大きな恩恵を受けていると言える。
 この音響補正用機器は、リスニング環境で生じるアコースティックな歪だけだはなく、オーディオ機器の信号処理やスピーカーの周波数特性、位相変化など、原音再生における阻害要因を逆補正するのが目的である。
 その補正機能については、様々な歪みの状況を正確に把握する音響アナライザー技術と的確な補正をするためのイコライジング・フィルター技術の両面で評価する必要があるが、その手法についてはかなりの違いがある。
 コンシューマ・オーディオの分野では、AccuphaseDGシリーズ、オーストラリア製DEQX、フランス製TRRINOV、アメリカ製Dirac Audioなどの音響補正機器があり、小生も15年以上前から機会を捉えて様々な機器を借りて評価してきた。
 しかし、新たに開発したスピーカー・システムである「STS-Limited」以前のシステム環境では、何故か改善効果を実感するまでには至らなかった。
 音響空間やオーディオ機器で生じる歪を改善しているにもかかわらず、芳しくない評価になる原因については、以前から2つの要因があると考えてきた。
 一つには音響補正にはイコライザーのフィルターで、かなりの補正をかけることによって、その補正フィルターで群遅延歪が増大することから、効果と副作用の両面で評価する必要があること。
 もう一つには、補正の大半が200Hz以下の定在波の補正に加えられることによって、ウーファーへの過大なブーストアップが伴うが、その結果、低音の暴れと付帯音が増加し、ブーミーな低音が強調される側面があることと感じてきた。 
 そんな思いから、低音の付帯音がストーン・ウーファーによって大幅に減少したことを機に、定在波対策の効果を期待して再度、音響補正機器を試すことにしたのである。
予想したとおり、以前の評価とは様変わりの高評価となったことは、当ブログでも報告したとおりであるが、この結果を得て、スピーカーのレベルアップでは解決できない音響空間上で発生する課題を軽減すべく、TRINNOVST2-HiFiを導入することにした。
チャンデバ機能については、減衰スロープの96dB/octへのこだわりとS/N比の確保を考え、今まで通りAccuphaseDF-65を使うこととした。TRINNOV導入後、2ヶ月近くになるが、この間に様々な設定を試してきた。
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 このテーマで前回にブログで報告した以降に、パワーアンプの更改やツィータのレベルアップも行い、基本性能もかなり向上したこともあって、TRINNOVの導入前のサウンドを凌駕するのにはかなりの試行期間を要する結果となった。
 全帯域を補正することにこだわると、軽度な補正に限定しても群遅延増大の影響なのか、良い結果が得られなかった。
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 様々な試行錯誤の結果、補正前後の特性画面では大きな違いはないようにみえるのであるが、200Hz以下の定在波領域のみを±5dB程度補正することで大きく臨場感が向上することになったのである。
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 永年、臨場感の改善には中高音が基本と考えてきたが、「STS-Limited」の完成による低音域の改善で、臨場感が大きく向上することを実感してきたが、TRINNOVによるリスニング・ルームの定在波の補正でも改めて実感させられることになり、改めて低音再生の重要性を認識させられる結果となった。
 200Hz以下のリスニング・ルームの定在波の影響を受ける低音域のみの補正だけで、大太鼓などの低音再生の力感が増し、実にリアルな低音を聴けるようになった。TRINNOVは実に多機能な設定が出来るので、今後も引き続きポテンシャルを引き出せるように使いこなしてゆきたいと思っている。

閉じる コメント(6)

すばらしい追い込みをされていますね。
大昔DG 28、38などで主に315のデップを取ろうと試みましたが大きな補正だと劣化があり他の方法で埋めたと言うことを思い出しました。トリノフの豊富な機能は使いこなせば素晴らしい効果があるのでしょうね。

2019/8/12(月) 午前 9:19 [ デビルJyajyaoの秘密基地 ] 返信する

ジャジャオさん
ようやくオプチマイザーを常時オンにして聴ける状況になりました。多分、TRINNOVのようにキメの細かい設定が出来なければ、どんなアルバムでも補正による効果を実感することが出来なかったかもしれません。

2019/8/12(月) 午前 11:48 [ 京都のまつ ] 返信する

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いつも参考にさせて頂いております。私も6月からST2 Hifiを導入し、使い慣れたDEQXからの移行で手間取っています。補正をかける周波数レンジと強さを変更して良い結果が得られたとのこと、私もトライしてみるつもりです。 音量調整についても現在検討中です。おそらくST2の音量調整はデジタルVRと思いますので、現在はST2のチャンデバ出力(アナログ)の後にVRを入れています。ビット落ちのない方法で何とかデジタルVRにしたいところです。

2019/8/12(月) 午後 3:12 [ MilesTAD ] 返信する

MilesTADさん

ついにDEQXからTRINNOV乗り換えられたようですね。
TRINNOVのデジタルボリュームは、ビット落ちの懸念を全く心配するグレードではありません。
これからも情報交換、宜しくお願いします。

2019/8/12(月) 午後 8:09 [ 京都のまつ ] 返信する

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アドバイスありがとうございました。ビット落ちの心配はない、とお聞きして今後のプランの少し先が見通せる様になりました。
「STS-Limited」の完成度の高さは、友人のMyu氏からも聞いております。 少し涼しくなった頃にでも、TRINNOVの設定も含め、一度、音を聴かせて頂ければと思います。

2019/8/13(火) 午後 6:15 [ MilesTAD ] 返信する

Miles TADさん

是非、お越しください。
Myuさんが来られた時より、かなり良くなっていると思います。

2019/8/14(水) 午前 9:44 [ 京都のまつ ] 返信する

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