京都のまつ

マルチアンプ駆動と精緻なタイムアライメントへのこだわり

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 今まで使用してきたツィータは、ドイツのTheil& Partner社製25mm口径のダイアモンド・ツィータ「BD25-6-034」であったが、それを、セル・コンセプト仕様の30mm口径「BD30-6-458」に変更した。
 
BD25-6-034」の25mmダイアモンド・ツィータは、過去のユニット選別過程で、Scanspeakのベリリューム・ツィータに選抜で負けた経歴をもつユニットであった。
 
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 しかし、ユニットの選抜評価段階で使用していたのは、MDFのバッフル板に固定していたので、現在の6kgもある石材のツィータ用ベースに装着した環境で真価を発揮しはじめ、結果的にScanSpeakのベリリウム・ツィータから主役を奪還したのである。
 
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 BD-25は、ユニットの形状からも分かるように、樹脂製のハウジングに収まっており、そのハウジングの共振は質量の大きい石材のベースに取付けることで、ユニットの固有音が消え、ダイアモンドならではのトランジェントの高い高音域が聴けるようになり、評価を上げることになったと思っている。
 ツィータについては、ユニットの制震を配慮しないことが少なくないが、ツィータについても、改めてユニットを収める環境の重要性を認識する結果となった。
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 近年、Theil & Partner社は、セル・コンセプトという仕様で、マグネットの強化と共に振動板の駆動方法の見直しなどが行われ、ツィータの形状についても、かなり小型化されるなど、大きく仕様が変わったこともあって、いつか、「STS-Limited」へ採用したいと考えていた。
 
 BD-30になって振動板の口径が25mmから30mmになったことで、クロスオーバー周波数も1,800Hzまで下げられるので試聴をしてみたが、やはりダブル・ネオジウム仕様でツィータの能率もトランジェントが、良くなったことから、現在のミッドレンジとのコラボではレスポンスがツィータに追いつかない印象になることもあって、結局、BD-25のときと同じ2,500Hzに設定して使うことにした。
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 2,000Hz以下でバランスを取るには、さらなる強力なミッドレンジへのレベルアップが必要であろうが、その強力なミッドレンジは、既にT/Sパラメーターも公表されており、あとは輸入が可能になり次第、新たなミッドレンジのユニットを採用したいと思っている。
 そのミッドレンジを搭載の暁には、現在のストーン・スピーカー「STS-Limited」は、「STS-Ultimate」に命名変更する予定で、スペック的にも当初の開発コンセプトも完全に達成できるとものと期待をしている。
 
 今回、ツィータの変更に伴うチューニングは、先般TORINNOV-magnitudeの解析で把握した「平均音圧法」によってシステムの計測と調整をやり直してセッティングをした。
 この「平均音圧法」によるチューニングによって、計測・調整の完了とともに、ほぼ納得できるサウンド・バランスに纏めることができたのである。
 ツィータをBD-30に変更して間もなく、Tさんにこのバランスで評価をして頂いた結果、ツィータの音圧を0.8dB下げることで、さらにベスト・バランスになるという評価で落ち着いた。
 ±1dBまでは「平均音圧法」の誤差の範囲といえるもので、この調整方法の妥当性が、今回のユニット変更の機会を捉えて、自他共に確認できたものと思っている。
 永年、マルチアンプ方式の音圧調整を試聴用音源による聴覚による調整に頼ってき来たことを考えると、このバランスの可視化による音圧の最適化手法は、極めて大きな発見であると思っている。
 
 Tさんもわずか、0.8dBの見直しで、これ程に音楽表現が変わることに驚かれていた。
 
 この翌日にTRINNOV ST2-HiFiが我が家にやってきたが、充分補な能力を発揮させる状況に至らならない段階で、ダブル・ウーファーズの幹事長であるリベロさんが拙宅を訪問され、先日、発売された「Analog」誌をプレゼントして頂いた。
 
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 STS-Limitedを聴いていただいた感想は、リベロさんのブログの通りであるが、TRINNOVをオフにしたサウンドでも充分なサウンドを実感していただけたものと思っている。
 今後、TORINNOVについては、拙宅のリスニング・ルームにおいて、最適な補正テクニックを探り、別の機会に結果報告をしたいと思っている。

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 TRINNOV magnitudeのチャンデバ機能の検証では、設定したクロスオーバー周波数によって、ウーファー、スコーカー、ツィータ間の正確なタイムアライメントと共に、ユニット毎の最適な音圧調整を自動で設定するのを目の当たりにしたことは、既に当ブログに掲載したとおりである。
 
 小生はデジチャンにおけるウーファー、スコーカー、ツィータ等におけるユニット間のタイムアライメントの調整については、TRINNOVに勝るとも劣らない調整テクニックを習得してものの、適正音圧の調整については、未だに聴感に頼る状態で、TRINNOVの調整アルゴリズムを何とか解明したいところであるが、その手法については公開されていない。
そこで、magnitudeを借りたときに、Accuphase DF-65と同様のバターワース型のフィルター・タイプによる24dB/octの設定値で、TRINNOVが自動で計測設定したアッテネータの設定値をDF-65に移植しておいたので、推定できる計測手法でその結果を検証してみることにした。
 
 TRINNOVのアルゴリズムは恐らく、ウーファー、スコーカー、ツィータの各ユニットからピンクノイズを再生させ、リスニングポイントにおいて、その一定時間の平均再生音圧を計測し、その平均音圧が各ユニットとも均等になるようにアッテネータの設定をしているのではないかと推測をしたのである。
 
しかし、この一定時間の平均音圧を計測する手段が拙宅にはない。
平均音圧の測定には通常、騒音計が使われるが、一般的な騒音測定の規格には、低域、高域を減衰させたC特性といわれる特性で平均音圧を測定する規格になっているので、今回の計測目的のように、フラットな周波数特性による平均音圧の測定には廉価な騒音計では使えない。
そこで、フラットな周波数特性の平均音圧を計測出来る機材を調査する中で、PHONIC製のPAA3X ハンドヘルド型のオーディオアナライザーが使えそうであることが分かってきた。
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 最近このアナライザーはモデル・チェンジされ、フラットな周波数特性の平均音圧もキャリブレーションされた高性能なマイクが付属し、精度の高い計測ができそうなので調達することにした。
このハンディ・タイプのアナライザーは、以前からオーディオ・ファンにも知られた機材でもあり、昨年、スピーカーのレジェンドである佐伯多聞氏も拙宅の訪問時にもこの旧モデルを持参されていたのを思い出した。
 
PHONIC製のPAA3Xを購入後、DF-65に移植したmagnitude24dB/octの設定値で、各ユニットからピンクノイズを再生させ、リスニング・ポイントで平均音圧の計測をしたところ、小生の推測通り、ウーファー、スコーカー、ツィータとも、ほぼ同じ平均音圧を示したのである。
 この結果は、TRINNOVのチャンデバ機能における適正音圧の設定アルゴリズムが、各ユニットからの平均音圧を計測して設定していることを示していると言えるだろう。
 
 ピンクノイズの再生音圧は、結構な振幅の幅があるので、PHONIC製のPAA3Xの計測でもピークとボトムは無視して20秒間程度の平均音圧を計測することで、ほぼ適正音圧の特定が出来ることが分かってきた。
従来、リスニング・ポイントにおける周波数特性の計測によって、おおまかに調整してきたのであるが、数デシベルの凹凸があるので、大まかにアッテネータを設定して、あとは聴感で詰めるしかなかったが、平均音圧の計測による数値の可視化でほぼ、±1dBの範囲で設定値が絞れるというメリットは大きい。
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 また今回の計測手法で、リスニング・ポイントにおける、ウーファー、スコーカー、ツィータの平均音圧は、カットオフの減衰カーブによって大きく変化することも分かってきたので、この新たな計測方法によって、DF-6596dB/octによる平均音圧を計測して、アッテネータの値を再設定し、現在もその音圧バランスでの妥当性を確認すべく試聴を続けている。
このバランスで、さらに臨場感が向上する結果となったことに、正直驚いている。
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タイムアライメントの調整については、カメラのフォーカスのように一点しかピントが合わないのと同様に、適正音圧の最適値についても、一点しかないのではないかと思わせる程の変化なのである。
これは、付帯音が極めて少ないストーン・ウーファーをベースにした「STS-Limited」ならではの変化かもしれないとも感じるのである。
従来は、3Wayマルチであれば、3Wayのトーンコントロール感覚でアッテネータの値を調整してきたが、このような感覚は初めてで、楽器の質感だけでなく、臨場感までが1ランク次元が上がったような変化なのである。
 
 当初、リスニング・ポイントでの平均音圧の計測と最適化のアルゴリズムには、TRINNOVも高域については、数デシベル下げているのではないかとの推測もしていたが、そのような兆候はなさそうである。
何故ならリスニング・ポイントで、各ユニットの平均音圧を同一レベルにすると、一般的には高域がきつく感じるのではないかとの思いがあったからである。
従来、様々な音源の試聴で時間をかけて決定してきたチャンデバのアッテネータの設定値も、この新たに習得した「リスニング・ポイントにおける平均音圧法」の計測で、極めて短時間で適正な値に調整出来るようになったと思っているが、この計測方法で設定したサウンド・バランスで、もう少し評価を確かなものにしたいと思っている。
これで、TRINNOVの力を借りなくても、デジチャンの設定については、同等の設定をすることが出来そうであるが、オーディオ・ルームにおける定在波などの補整については、TRINNOVに頼るしかないだろう。

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  今回、maginitudeを借りた目的は、小生が今日まで音響計測技術を活用して積み上げてきた、マルチアンプ方式のチーニングにおける「タイムアライメント」と「ユニット間の適正な音圧調整」をTRINNOVのアルゴリズムがどこまでの精度で自動設定するのかを検証することである。
 
 搬入されたTRINNOV magnitudeを目の前に置きながら、ケーブルの手配ミスでステラの橋隅氏の再訪問を待つだけで何もできないのも歯がゆいので、ステラに連絡して自力で最初から設定作業をすべく、計測マイクの延長ケーブルと操作マニュアルを送ってもらうことにした。不明な点はメールでサポートを願うこととして、自力で使い始めることにした。
 
まずはiPadにコントロール用の汎用VNCアプリをインストールし、ネットワークへの接続環境も整えて、まずは3Wayのデジチャンとして使うためのキャリブレーション作業に入った。
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 計測用のマイク入力や出力の接続環境の設定など、全てiPadのタブレットの設定画面からの操作で行う。
 DEQXはパソコンに専用のコントロール・アプリをインストールする必要があるが、TRINNOVの場合は専用のコントロール用アプリを必要とせずに、汎用のVNCソフトで直接コントロールできるのがよい。
TRINNOVのフィルターはFIR型で、バターワース、ベッセル、リンキッツ・ライリーの3種類からが選べるが、Accuphase DF-65のフィルターは、IIR型のバターワース・タイプの固定フィルターなので、DF-65と同じバターワース型を選択して設定作業を始めた。
 小生は永年、カットオフ・スロープを各帯域の重なりが少ない96dB/octにこだわってきたが、残念ながらmagunitudeのカットオフのスロープは最大24dB/octまでなので、最大に設定してキャリブレーション作業の信号音で高価なダイアモンド・ツィータを壊さない様、設定値の誤りがないか慎重に確認しながら作業を行った。
  結果、小生が数年の歳月をかけて磨いてきた調整作業を、片チャンネル当たり、わずか15秒程度のピンクノイズでユニット間のタイムアライメントと音圧差を計測し、最適値を設定してしまうTRINNOVのアルゴリズムには驚くしかなかった。
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 チャンデバ機能のキャリブレーションを終え、ユニット間の遅延時間とそれぞれの帯域の音圧が1dB以下の単位で設定がされていた。
いつもDF-65で設定しているディレイタイムと音圧差の値に近いものの、かなりの差がみられるが、DF-65とはカットオフのスロープが異なるので、その妥当性は分からない。 
設定が終わり慎重に音出しの確認をしてから、magunitudeのチャンデバのAuto-Cariblationで設定された値でサウンドを聴き始めた。
magunitudeDACは一般的なDACチップではなく、PC用のintelCPUを使用したDAC機能であるが、ツィータに近づくと若干の残留ノイズが感じられる。
また、ノイズフロアーの低いオーディオ・ルームの環境もあって、若干のファンノイズも気になる。 
magunitudeのデジタル入力には一般的なCOAXIAL端子の装備がなく、TASCAM配列のDB25というプロオーディオ用の端子しかないので、本格的な試聴に入る前にTASCAM配列のDB25ケーブルを調達してデジタル入力でネットワーク・トランスポートに接続して試聴を開始した。
magunitudeのスロープが最大で24dB/octまでなので、DF-6596dB/octに比べ、鮮度が良くないのではないかと危惧していたが、あまり劣るような印象は感じられず、いつもの音源でしばらく試聴を続けたが、充分に各ユニットの音圧バランスの取れたサウンドと評価できる。
3種類のデジチャン用のフィルタータイプの全てにキャリブレーション作業を行って試聴したが、ベッセル型がもっとも良い印象をもった。
このサウンドの印象から、キャリブレーションの自動設定によるデジチャンとして、かなり高いレベルにあることが聴いてとれた。 
 後日、maginitudeのチャンデバの設定に関するキャリブレーションが正しく設定されているのか、小生の計測方法で検証してみることにした。
結果、インパルス応答によるタイムアライメントの観測では、インパルス波形写真のとおり、ほぼ完全に最適化されていることが確認できた。
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さらに一歩進んでクロスオーバー周波数でユニット間の位相差を確認したが、若干の位相差があることが確認できた。
小生はこの位相差をゼロになるように設定しているが、フィルターのタイプによっては、必ずしもゼロにするのが正しいのかどうかは議論の余地がある。
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もう一つの最適化のポイントは、ユニット間における音圧差の調整であるが、最近は特にその重要性を感じているところである。このバランスの如何によって、システムの音色が大きく変わるからである。
しかし、この音圧差の把握にかかる音響計測による最適化の手法については、今日まで見いだせないままで、様々な試聴用の音源を聴いて着地点を探るしかない状態なのである。
FFTによるオクターブバンドを活用して、粗い追い込みは実施しているものの、5dB程度の誤差が簡単に出てしまうが、TRINNOVでは1dB以下の単位で自動設定されている。
ユニット間の適正音圧の自動設定の結果については、小生も測定による検証のすべを持ち合わせていないので、様々な試聴用の音源を聴いて、納得できるサウンドに調整されていることを確認するしかないのであるが、充分に納得できるレベルに設定されていると評価できる結果である。
このユニット間の音圧調整にかかるTRINNOVのアルゴリズムについては、是非とも知りたいものだ。 
引き続き、作年借りたST2-HiFiでも試したオプチマイザー機能との相乗効果を試すべく、オプチマイザーのキャブレーション作業に入った。
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今回は、時間の余裕もあったので、何度もキャリブレーションをし、その中で感じたことは、マイクの設置位置とわずかな設置角度の変化でも敏感にサウンドの印象が変わることがわかった。
単一の計測マイクからの情報だけではなく、計測位置の異なる4本マイクを使ったTRINNOV特有の計測ノウハウによるものであろう。
従って、オプチマイザーによる補正機能についても、マイクの設置位置や角度を慎重に見極めながら測定を何度も繰り返してみた。
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TRINNOVの優れているところは、マルチポイントで計測をして、複数個所の計測結果のウェイト付けが出来るところであろう。しかし、残念ながら今回はこの機能まで確認する余裕はなかった。
 1回の計測結果で、補正の範囲と深さを変えて何度でも逆補正のカーブを作り直すことができるので、何度も試してみたが、やはりあまり深い補正は違和感が出るので、上限を±5dB程度にするのが好ましいように感じた。
従って、補正値を深くしなくても良いように、なるべく素特性が良いことが望まれるのは言うまでもない。 
 magunitudeが自動設定したチャンデバとオプチマイザーのサウンド・バランスで様々な音源を試聴したが、特に定在波のうねりの大きい帯域の改善効果が大きく、ストーン・ウーファーの締まった低音がさらに改善され一段と引き締まったリアルな低音になる。
 オプチマイザー機能で諸特性が最適化された上で、さらにリスナーの好みや聴覚の違いも補うべく、グラフィックとパラメトリックの両方のイコライザー機能が装備されているので、自分のサウンド作りが出来るなど、極めて多くの機能をもっている。
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  マルチアンプ方式のユーザーが自身の耳だけでチューニングしている諸兄が少なくない中で、小生は音響計測テクニックを活用して、今日までチューニングをしてきたが、TRINNOVのキャリブレーション技術の活用で、極めて短時間で高次元なサウンドに整えてしまうポテンシャルには脱帽するしかない。
 
しかしこれらのメリットを得るためには、TRINNOVに代表されるような高度な音響機材の機能を理解し、充分に使いこなす為のスキルが別途必要となってくるが、うまく使いこなすことで、さらに高い次元のサウンドを目指すための大きなツールになることは間違いない。
しかし一方では、機械任せの音作りになってしまうリスクもあることも承知しておくべきであろう。
ネットワーク方式のフィルターを構成する部品の性能もどんどん高性能化して、中途半端なマルチアンプ方式では、ネットットワーク方式に劣る結果にもなりかねない中で、今後TRINNOVに代表されるような技術を積極的に取り入れるべき時代に入ったことを目の当たりにした思いである。
 
TRINNOV magunitudeを返却後、現在では、magnitudeが計測した設定値をDF-65に移植して聴いているが、今まで小生が設定してきたバランスよりも、より音楽的なバランスが好ましいと感じている一方で、やはりカットオフのスロープは96dB/octが好ましいとも感じている。
しかし、改めてAccuphase DF-65の高いS/N比による透明度の高いサウンドにも捨てがたい魅力を感じるのである。

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 マルチアンプ方式におけるサウンド・チューニングの要となる機材は、なんと言ってもチャネル・ディバイダーであろう。
 小生のチャンデバ使用歴は、35年前の一時期、LUX-KITのチャンデバを使い、CRボードを自作していた時期があったが、その後は、Accuphaseのアナログ・チャンデバのF-15Lに始まり、現在のDF-65まで一貫して同社のチャンデバを使ってきた。
 特にDF-35以降のデジチャン世代に入ってからは、クロスオーバー周波数の自由な設定と信号の遅延操作が可能となり、最適なクロスオーバー周波数と正確なタイムアライメント調整が可能になったことに加え、最近では120dBという高いS/N比で鮮度を確保出来ることから、今日まで欠かせない存在として重宝をしてきた。
 Accuphaseのチャンデバには、クロスオーバーとカットオフのスロープから割り出される机上の遅延時間がプリセット出来る「ディレイ・コンペンセーター」という機能がある。
 しかし、実際に遅延時間を音響測定すると、ユニットの磁気回路やパワーアンプの回路の違いによって、かなりの誤差があることが確認されてからは、このディレイコンペンセーター機能は使わずに実測で計測した遅延時間をマニュアルで設定して使ってきた。
 従って、デジチャンのフィルターで生じる信号遅延については、0.5cm以下の精度で調整できるようになった。
 しかし、低音、中音、高音の各帯域の最適な音圧バランスの調整については、周波数特性計測の活用で、以前より短期間で最適化出来るようになってきたが、ストーンスピーカーのSTS-Limitedになってから、微妙な違いを鮮明に表現出来るようになってきたことやアンプ等の再生系のさらなるレベル向上で、Low,Mid,Highのいわゆる3Wayのアッテネータの調整だけでは限界を感じる場面が多くなってきていた。
 このバランスの最適化が難しい理由の一つに、人間の聴覚にはイコライジング機能があり、不均衡な特性でも脳内で平均化されることや、聴感の個人差がより最適化をより困難にしているとの思いがある。
 今までは周波数特性による粗い調整後に、調整用に使う音源にて試聴を繰り返してアッテネータを調整してきた。
 この各帯域の音圧バランスの最適化をするアプローチの中で、昨年から本格的に高度な音響解析が可能なプロセッサーの活用を試行すべく取り組んできた。
 昨年は、フランス製TRINNOVとオーストラリア製DEQXを拙宅に持ち込んで試聴させてもった。
 結果、今までにない音響解析に基づく調整効果を実感する結果を得られたこととは、当ブログでも報告をしてきた。
 中でも昨年、試聴したTRINNOVST2 Hi-Fiで、高い音響補正機能は確認したもののチャンデバ機能は2Way仕様で試せなかったので、改めて同社の4Wayチャンデバとサウンド・オプチマイザーの両方の機能を持つ「magnitude」を拙宅で試聴させて頂くことになった。
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 ネットワーク経由でiPad にインストールしたVNCアプリによる操作で、チャンデバの各種設定を全て自動で調整する優れ者なのであるが、最初は勝手がわからないこともあって、ステラの橋隅氏が来訪されて設定いただく手はずになっていた。
訪問後早速に設定に作業に入ろうとしたところ、音響計測用マイクの延長ケーブルの手配ミスで設定作業が出来ないことになった。
折角の拙宅訪問の機会なので、メースの坂本氏と共に耳の肥えたハイエンド関係者によるオフ会に切り替えて、STS-Limitedのサウンドを聴いていただくことになった。
TRINNOVによる補整の必要ないのですね」との感想をいただき、TRINNOV magnitudeの搬入日の予定外の日程を終えることになったのである。

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超高精度クロック

 小生と交流のあるハイエンド・ユーザーの間で、ドイツMUTECMC-3+USBなるマスタークロック・ジェネレーター・DDCを導入され、相当な改善効果がある旨の報告がなされて気になっていた。
 小生も過去に外部クロックを試したことがあるものの、特段の効果を認める経験をすることもなく、むしろ以前はソースのサンプリング周波数ごとにDACに注入する発振周波数の切り替え等の煩わしさもあって使うことがなくなっていた。
 又、マスター・クロックの送出周波数も時代と共に変化し、少し前は20Mzと思っていたが、いつの間にか10Mzになっているといった認識レベルである。
 拙宅には外部クロックを接続できる仕様の機材がないので、なおさら外付けの高精度クロックの導入にも関心がなかった。
 
しかし、MUTECH製のMC-3には、入力デジタル信号を内部又は外部の高精度クロックで再構成して出力するというリクロック機能があることを知り、外部クロックの入力端子を持たない機材でも、高精度クロックによるジッターの低減効果が期待できるとのことで試めしてみることにした。
 このリクロック機能について拙宅の機器構成では、MUTECの高精度なクロックでデジタル信号を再構成しても、最終的に実質のDACになるAccuphaseDF-65の内部クロックの精度に依存するのではないかとの思いが払しょくできないものの、試さないことには評価できないとのことで、とりあえずMUTEC MC-3+USBを調達することにした。 
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拙宅の現状は、先般パワーアンプを更改して、かなり鮮度と奥行き感が改善され、これ以上の次元はどんなレベルだろうと、期待をしながら調達をしたMUTEC MC-3+USBを接続し始めたのであるが、内部の高精度クロックによるリクロックモードで再構成したデジタル信号をDF-65に注入した結果は、残念ながらアンプの更改以前の鮮度の落ちたサウンドに逆戻りしてしまったのである。
 MUTECの設定や接続方法に問題があるのではないかと、様々なトライをしたのであるが、結局サウンドの改善を確認できなかった。
 拙宅の接続環境は、全てS/PDIFLUMIN D2 MUTEC MC-3 Accuphase DF-65の接続環境なので、USB経由ではどうだろうかと、DELAUSB出力経由でもMUTECに接続してみたが、MUTEC MC-3接続以前のサウンドには及ばないことが明白になった。
 
MUTEC MC-3+USBの内部クリックは±0.1ppmOCXで決して悪くないのであるが、DF-65は外部クロックの接続ができないので、この際、MUTEC MC-3の内部クロックではなく、さらなる超高精度な外部クロックを調達・接続して、リクロックのメリットを検証することにした。
 
 MUTEC製のマスター・クロックであるREF10は高価なので、半額程度のコストで済む国内メーカーのサイバーシャフト製のUltemateクラスの10MHzの超高精度マスター・クロックを調達した。
MUTEC製のREF10という外部クロックは、サイバーシャフト製のUltemateモデルに比べ、位相ノイズは低い周波数からずば抜けているものの、クロックの周波数精度はサイバーシャフト製には及ばないようである。 
 格段に高精度なクロックでリクロックされたデジタル信号で、どのように変化するのか期待する一方で、拙宅の実質DACであるAccuphaseDF-65のデジチャンは、外部クロック入力も持たないので、正直、大きな効果は期待できないだろうと思っていた。
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サイバーシャフトにオーダーをしてから、2週間して超高精度マスター・クロックが送られてきた。
オーブンの恒温槽仕様のOCXOが最高に安定するには、最大30日間も連続発振が必要なクロックなのであるが、とりあえず一晩の電源投入を経て、MUTECMC-3+USBの外部クロックとして接続し、超高精度な外部クロックによるリクロックモードで試聴を開始した。
 
 結果は、鮮度と臨場感がさらに向上し、非常に繊細な弱音まで見事に再生するサウンド・レベルに変化したのである。まさに圧巻の変化といえるほどの改善効果だ。
 
 MUTEC MC-3+USBの内部クロックではレベルダウンの結果となったリクロックモードが、超高精度クロックの追加で初めて、ジッターの低減効果を実感するとともに、改めてMUTEC MC-3+USB追加前の音源レベルの高さも再認識することとなった。
やはりデジタル音源のレベル向上は、いかに様々なデジタル信号に混在するノイズを排除するかに尽きるということを痛感させられる結果となった。
しかし、この種のサウンドの変化を十分に享受できるオーディオ・システムは、それなりのポテンシャルを持ったシステムでないと期待した効果は発揮しないのではないかとの思いも感じる。
 超高精度なマスター・クロックも様々で、最近ではルビジュームよりもOCXの方が評価が高いようであるが、今後も機会をみて、クロックの精度も含めたデジタル音源のノイズ低減対策を試行してゆきたいと思っている。

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