火山の「人知れぬ涙」

時ならめ 風に挑みて 鯉のぼり

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東日本大震災から昨日で1ヶ月。気分転換と思い、チャンネルを回したら、金子兜太の厚顔が画面にヌッと出た。愛嬌がある。NHK「俳句王国」らしい。

♪アネモネや ギリシャ悲劇の 幕下りる(我孫子市・神長哲郎)

面白い!<ギリシャ悲劇>という言葉を選ぶセンス、火山、気に入った。と思ったら、次がまた行ける。<クルーズ>とか<ピアノ><ソプラノ>――。さらには<ビバルディ>と来た。これは見ないわけには行かない。しばらく見ていなかったが、こういう<含蓄>のある言葉を選べるようになったとは凄い。これは<選評>も楽しみだ。
<選評>と復唱していたら、たちまち<ヴァレンタイン・チョコ>を俳句にした<麗人奥様>の笑顔が浮かんできた。

♪霞立つ やがて来る人 夢に見て(火山)

そういえば「時間がないので、選評はなし」と講師(座間市俳句連盟会長)が宣言、火山が内心<カッ!>となった時、あの麗人奥様が「あの〜、火山さん。私、初心で言葉をあまり知りません。イメージが浮かばないのですが、<やがて来る人>というのは、こういう場合、どんな人なのでしょうか…」と恥じらいを見せながら、聞いてきた。
「あ、それはもちろん女性、憧れの相手でしょうね。あの、チョコとかもらった…」。途端に一座が大笑い。もちろん皆、彼女が前回作った俳句は鮮明に覚えている。

♪行く春や 西行法師の 夢を見る(火山)

火山が逸らさないと知って彼女、さらに大胆に踏み込んできた。「西行法師の夢というのは、どんな…」。一座がシン。「♪願わくば 花の下にて 春死なむ あの如月の 望月の頃(西行)♪ この『如月の望月の頃』、西行は入滅した。これを新暦に直すと火山の誕生日になるのです」。えっ、皆仰天!「この句をブログに出したら、<吉野の宮司さん>が発見してくれ、コメントをいただいた。『<咲け>なくて、何の己が桜かな。<酒>なくて、何の己の火山かな。西行は<俳人>にして<廃人>でした』と」。皆再び仰天!

たったこれだけのヤリトリだが、火山、<天にも昇る心地>になった。<選評>は大事だ。
座が和み、皆、急速に心を開いた。講師の会長の段取りが悪く、ムダに時間が消える。挙句の果てに<選評>なし。皆、イライラ。麗人奥様のお蔭!<幸せ>になったのは火山、一人ではない。♪雪国や 梅桃桜 咲き競う(火山)――。「<梅桃桜>は季節が違う。一緒に詠んではダメ」と<技巧至上>主義の地元俳句同好会会長。その後改心したのか、「素晴らしい秀句」と抜かした。「今頃、気づいたのですか」と火山、心の中で囁いた。

さて<ギリシャ悲劇>や<クルーズ><ソプラノ><ビバルディ>だ。あの「厳(いか)つい<金子兜太>」に、よくぞこんな<含蓄>が理解できる!「ギリシャ悲劇」は良いとして<ビバルディ>とは――。
<含蓄>――。「広辞苑」を引いたら「ヾ泙澆燭わえること。内容が豊富なこと。⊃爾ぐ嫐を内に蔵すること。ふくみ」とある。講師(連盟会長)が西行の句を評して「もう少し具体的にしてはいかがでしょう」と抜かした。<含蓄>が理解できないのだ。

「作者の心情中心に詠まれていますので、感性豊かな鑑賞が力不足でできず、恥じ入ります」と詫びてくれても嬉しくない。西行を多少なりと研究、知見を深めてくれたら、火山の俳句を<特選>にしてくれるはず。<入選>にしたものの、後で地元同好会会長から、ウラ話を聞き、唸ったに違いない!なんちゃって!こんなこと書くから、火山は「人気大賞」になれない。そういえば先日、キャンプデービットで位相さんが言っていた。「雲童さんとボクと、この二人だけは作者を知っている。二人でどうにでもできる」。凄い!

♪まほろばの 卑弥呼も見しや 蕎麦の花(火山)

昨年9月、初めて火山が獲得した「人気大賞」――。この句には<含蓄>のある言葉が入っている。日本人の心の故郷。<まほろば>!そして<卑弥呼>!もしこの含蓄を理解できなければ、この句はただ<蕎麦の花>の光景だけになる。いくら「おひさま」が素晴らしいドラマでも、まだ始まったばかり。「ヒロイン<陽子>が、やがて命が尽きる運命を秘めた母親との思い出をつくっている」と知っていても、その感動は限定される。

♪アネモネや オルゴールから ビバルディ(江東区・吉田尚子・1席)
♪アネモネや ソプラノなりし 母の唄(世田谷区・長谷川瞳・2席)
♪クルーズに 白いピアノと アネモネと(秩父市・須田真弓・3席)

「アネモネ」は新しい<季語>らしい。「地中海沿岸原産のキンポウゲ科の多年草の花。明治初期に渡来し、観賞用に栽培されてきた。早春から初夏にかけて花茎に花をつける。花弁のように見えるのはで萼、白・桃・赤・紫・青などの色がある」(「俳句歳時記」)。

「クルーズは地中海でしょうな。紺青の海に「白いピアノ」が似合う。「ソプラノの母」も素敵。亡き母を悼む。叙情がある。オルゴールの<ビバルディ>。これは『四季』、それも『春』」。ウーン、金子兜太!見直した。家内と見た紺碧の地中海を思い出した。
(平成23年4月12日)


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