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前記事で色々と有意義な意見を交わさせていただいたため、続編として「ダルビッシュトレード案」の話をさらに進めてみたいと思います。
 
ところで、「トレードは不要な戦力を切り捨てるための処置」というイメージは中々消えませんね。その証拠として激震といわれるような大型トレードが全く発生しない近頃の野球界、地域密着に力を入れるようになった球団が成功するようになってからは、その傾向は益々強まってきたのでは?と思います。これは、FA制度を活用して移籍する選手が少ないというのも一致していて、こちらの方も年俸据え置き処置だとか、補填選手の関係とか、自由を拘束する動きばかりが活発になっています。
 
ダルさんのトレードはそれだけでトンでも案件なのですが、FAにしろポスティングにしろ仮にMLBに行った場合の実入りがあまりにも少ないのは共通していえることです。
 
「FAで海外に流出してしまえば何も残らないが、ポスティングなら落札金が入るではないか?」
 
確かにそうです。そうなのですが、これは飽くまでも球団にとっての実入り。
チームにとってはこの上ない戦力ダウンはほぼ変わりありません。
 
かつて、ポスティングでMLBに移籍した選手の代わりにバリバリのメジャーリーガーを獲得した球団がありました。
 
ジェイソン・ジョンソンとエステバン・ヤン(登録名ジャン)
 
前者は西武ライオンズで松坂大輔の後釜として期待され、後者は阪神タイガースで井川慶に
代わる先発投手の役割を担いました。
 
獲得に当っての年俸は、ジョンソンが3億。そしてヤンは2億3000万。
 
2人の成績が思い出せない人は、どうか関連ページかWiki検索してみて下さい。
 
どうにも、こうにもです。どちらも悪評のまま1年で帰国することになりました。
 
ですが、これは極めて予測が可能な事態でした。それをしなかったのは、プロのスカウトが判断したのだからと、やや遠慮していたのも事実でしたが、今になってようやく謎が解け始めてきました。
 
ジョンソンは糖尿病と戦いながらプロの野球選手になったという凄まじい球歴を持ち、長いことメジャーのローテーションを守ってきた投手でしたが、前年の2006シーズンは1年契約しか与えられず、しかも不振で2度解雇の憂き目にあっていました。そんな投手を契約金含めて3億5000万、一説には出来高も3億と、キャリアダウンした前年の契約($350M)以上の条件を与えてしまった西武という球団、何だったのだろう・・・。
 
Jason Johnson
 
ヤンは阪神時代、先発として働きましたがこれも意外中の意外な出来事でした。一応、7年以上ほぼメジャーリーグで過ごした投手ではありましたが、先発経験は2000年を最後に一度も無し。一時期はタンパベイ・暗黒レイズのクローザーとして名が通った人だったので、てっきりリリーフにするものだと思っていたのですが、、、。結果は平均イニングが5を割り、これがJFKの酷使に繫がったといっても不思議ではない事態でした。そもそも前の年に敗戦処理中心の登板で、翌年のメジャー契約は無理だろうと思われていた投手に、メジャー時代の年俸($125M)を超える3億(契約金含)の条件、、、。
 
Esteban Yan
 
このジョンソンとヤンに関していえることは、2人とも松坂と井川の移籍が決定し球団の入札金を手に入れることが確定した後に入団した経緯があることです。そして年俸も非常に近い点、さらには3人目の外国人投手獲得だったことも共通しています。
 
そう、2人は多額の入札金を還元するための代替選手に過ぎなかったいうことでしょう。
そもそも、ポスティング成立後に良い外国人、しかもメジャー実績の新しい選手を獲れるなどどいった発想をする方が間違っていました。その理由として、資金繰りのタイミングが遅いという事実があります。早くて11月半ばに落札し契約に漕ぎ着けたとしても、ハッキリするのは12月中というのが現実的な線であり、そこか資金が出来たので3億でも4億でもいいから一流処をというのでは、中途半端になるのも無理はありませんでした。
 
当時この2人の年俸を知って「馬鹿みたいな金の使い方」と思ったものでしたが、実力よりも実績が大事だったんでしょうね(ジョンソンはともかく、ヤンの実績は遥か昔でしたけど)。「金があるときほど頭を使わない」見本のようなもので、この契約を知ったMLBの代理人はきっと失笑していたんじゃないだろうか。
 
だから、ポスティングの費用でチーム強化という発想は一旦捨てた方が良いか、短期間での解決を生まない方法を選択すべきなんですね。少なくとも、その年の内に電光石火で元メジャーリーガーを連れて来た場合、スカウティングしていないとの疑いは持って然るべきです。
 
となると、若手の成長かドラフトで凄い成果を挙げないと現状回復するのは厳しいという見解になってしまいます。そうした意味で、日本ハムがダルさんをポスティングに出すのならそれなりの準備をしておかないといけないのですが、既にケッペル、ウルフと外国人枠を精一杯使っている現状を見ると、先はかなり厳しいものがあると見て良いでしょう。
 
ここでポスティングに限らず、中心選手がメジャーに行くとどうなる?といったデータを作りましたので、先ずはご覧あれ。
 
イメージ 1
 
この表はMLBへ流出した選手を抱えたチームの移籍前、移籍後それそれ3年間のチーム勝敗を貯金数で表したものです。収支幅がマイナスに大きいものとして、
 
ソフトバンク(城島)   -83
オリックス(イチロー)  -81
巨人(松井)       -73
近鉄(野茂)       -69
横浜(佐々木)      -68
 
が挙げられます。ソフトバンクはまだいいんだけどね、井口も抜けているし(データ記載忘れました)。備蓄戦力があったのと良い時期に身売りしました。
 
その他、4球団は悲惨そのものです。さすがの巨人も、松井退団後は建て直しに数年かかってしまいました。横浜も相当な打撃を受けていることは間違いなく、オリックスは暗黒街道まっしぐら、近鉄に至っては(別の経緯の方が大きいですが)球団消滅という結末となってしまいました。貯金も年平均で20も減っているわけですから、順位3つか4つは平気で落とすことになりますね。
 
これらの深刻な事態は、ほぼ「メジャー挑戦」という大義名分の下に過去の件ほど闇に葬られています。また、一覧として列挙することも通常はないので、時間の経過と共に選手流出の悪影響は未解決のままになっています。この危機を回避出来ている球団は、強いて挙げると西武とヤクルトなのですが、それでも補填するものが無いのは厳しいでしょう。いつでも保障されるとは限らない。
 
ただ、偶然的に解決策の一つになっているのが実はCS制度。いわゆるクライマックスシリーズ。
 
未だに賛否両論ですが、メジャー流出によって戦力低下を免れないチームに少しでも希望を与える意味で、3位入賞でポストシーズンが与えられるシステムは球団経営の意欲を衰えさせないものとして改めて評価したい意向です。
 
とはいっても、ダルさんの抜ける穴はそんな制度も気休めにしかならないかもしれないほど深刻なものとなるでしょう。上のグラフが正にそれを表しているものだと思いますけどね。
 
この後も続けます、後日にて。
 
 
 
 
 
 

閉じる コメント(2)

昨年日本一で今年はダントツ最下位のロッテ。
西岡の穴などたいしたことないと思っていたのですが、予想以上に大きな穴だったみたいです。
でも毎年20勝近くチームに貢献しているダルビッシュがいなくなれば、それどころの騒ぎじゃなくなるでしょうね。
梨田監督が辞めたくなる気持ちもよ〜く分かります。

2011/9/21(水) 午後 3:38 パケット

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財政豊かな球団でなければ戦力が抜けた後にカバー出来ない面も多いはずですから、ロッテのような球団なら多少のムラは仕方の無い部分もあるでしょうね。
ダルさんの穴の大きさは現在調査中です。後日up出来ればかと思っています。

2011/9/22(木) 午後 10:45 [ haus ]


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