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ワールドシリーズっていうのは、正義と正義のぶつかり合いだってことなんだな。
正しいことをやって来たチームだけが生き残るって仕組みでもあるが、野球でそれは「強い」って言葉に置き換えられる。そう書いてしまうと当たり前に見えてくるけれども、戦う者たちにとって強いは=正義ということなんだ。
 
トニー・ラルーサ率いるセントルイス・カージナルスはまさに正義の模範ということ。
力と力の取っ組み合いならカーズより強いチームも浮かんで来るが、力と技をそして知恵を組み合わせた戦いならどのチームよりも優っていたといっても良いくらい、試合巧者振りを発揮した。
 
 
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それにしても戦前の下馬評は、前回チャンピオン時の2006年とかなり類似していた。
あの時も正クローザーのジェイソン・イズリングハウセンを欠き、レギュラーシーズンは82勝80敗といディビジョン制覇したチームとしては恥ずかしいような成績。シーズンを通して目立った成績を残したのは主砲プーホルズエースのカーペンターのみ。クローザーはシーズン終盤で暫定処置した若手で望む格好と、本当に良く似ていた。
 
 
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痛快だったのは、NLDS、NLCSそしてWSと全て相手チームの方が有利だと見られていたこと。
そりゃ、確かに年間成績とかワーとかウォーとか比較したらフィリーズやブリュワー、レンジャーズの方が強いと誰しもが思っていた。カーズの戦力で名が通っているのは投打の柱以外にホリディ、バークマン、あと守りという条件でモリーナくらいだろう。
 
 
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巷では”ラルーサスイッチ”なんて言葉が流行っているが、それだけで世界一になれるほど甘くは無い。このチームが夏に補強した戦力の獲得前の成績を見るがいい。ファーカルなんてLADで半分死にかけてたぞ。ローズも確かクビだったんじゃなかったか?ドーテルは移籍してから結果を出していたけど、表面上の数字を鵜呑みにしてイニングを増やすようなことはしなかった。
 
戦力としては決して、評論家やファンが予想した通りチャンピオンになるようなロースターではなかった。
 
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カーズを正しいチームに仕立てている重要なパーツの一人がモリーナだ。2006年の頃から全てにおいてスケールアップしている。名物となっている一塁への牽制は長年のパートナーでもあるプーホとの息が合ってこその芸当で、そして後逸する雰囲気すら感じないブロック能力。さらにこの捕手はよくマウンドに行き声を掛ける。故障にも強い。もうマグレの三割打者でもない。
 
モリーナのいないカーズなんて○○の入れないコーヒーのようなものだ。
 
 
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今年のカーズは飛び道具も揃っていた。かつてのライバルチームで2005年には辛酸を舐めさせられたことあるバークマンが加入。まだまだ錆びついていないことを証明し、一足先にカムバック賞を獲得。NLDSの初戦でハラディから打った3ラン、そして昨日の同点打。今日のBS中継でインタビューに応じてくれたこと。全てが思い出になる。
 
フリース、クレイグの成長も見事だった。普通こんな大舞台になると萎縮するものだが、ラルーサの配下におかれると、どうもそうした雰囲気にはならないらしい。
 
 
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思えば2006年のワールドシリーズではタイガースがエラーの連発で自滅状態に追い込まれ、今年のNLCSでもミルウォーキーは最後に守備の乱れで緊張の糸が切れてしまった。そしてWSではTEX投手陣の四球押し出しによる自滅。対するカーズもホリディやらフリースやら、いよいよやらかしていたのも確かではあるが、今回感じたのは「ミスをした方が負け」なのではなく、「ミスをキッカケにして意気消沈してしまう方が負け」じゃないかと思う。
 
今日のゲームでも、8回表が終わった時点かな。TEXのベンチが映し出されたとき、妙に静まり返っていた。そしてその裏にカーズのやる気ない攻撃は、「下手にチャンスを作ってからファインプレーでもされたりしたら士気盛り上がっちゃうから、凡打して来い」のように見えた、マジで。で、最後の守りで3塁にデスカルソ、センターにジェイ、そして代打のプントが2塁に入るといった鉄壁のディフェンス。TEXは完全に呑みこまれた様子だった。
 
 
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こうしてカージナルスの正義は貫かれることになった。
正義と来ると連想するのは「悪」なんだが、強いて挙げるならエラーや押し出しが悪だろう。
 
しかし、これもゲームの中の一興であり、正義を引き立てるための味付けに過ぎなかった。
 
 
 
 
 
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2011年メジャーリーグ・ベースボール、ここにて幕引き。
 
See you〜ですね。
 
 

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6回を終わって4対4の同点。
終盤に近付くほど後攻めのカーズが有利なようにも見えるが、
一発長打のあるレンジャーズはビッグイニングを作ることが出来る。
 
さて、ゲームの行方はどんな方向に?
 
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7回表、ついにその一発が出る。先頭ベルトレが右中間センター寄りに勝ち越しのソロアーチを叩き込んだ。明らかにスイングの鈍っている選手が大勢いる中、この人だけは疲れを知らない○○。そしてクルーズも続く。ポストシーズンタイの8本塁打(カルロス・ベルトランですな)はレフト後方にダブルデッキに突き刺さる特大弾。
 
それだけでは飽き足らずか、変わったドーテルからキンズラーがこの日2本目のタイムリー。
点差は3点と開き、残るイニングはあと3回となった。
 
 
 
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第4戦で完璧な投球を見せたホーランド。この日も球威のあるファストボールを中心に
付け入る隙を与えずといった印象。このまま沈んで行くのか?カーズ。
 
 
 
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まだまだ諦めないカーズは8回にセプチンスキーを投入。守備固めとして入っていた(といっても打力の劣る守備固めとは全然違うが)モアランドの打球は一塁線に転がる微妙な打球を処理するゼプチン。これも素晴らしいプレーだった。
 
 
 
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ホーランドを第7戦の先発に持ってくるといったオプションを使わなかったワシントン監督。
これが日本シリーズだったら、不安の残るフェリスよりもホーランドで乗り切ってしまおうか
と、出て来ても不思議ではないが、果たしてどうするか?
 
先頭バークマンが倒れた後、ホリディ負傷のために6番に入っていたクレイグが一発。
二死後モリーナが安打で出塁。ここでワシントンが出て来てマイク・アダムスに交代。
どちらにしても下位打線で2点差は重い。カーズは形振り構わぬ交代で代打クマゴローに
また代打を送ってデスカルソ。
 
このデスカルソの放った遊ゴロをアンドラスがどこに送球するか躊躇してしまい、内野安打となってしまう。そして9番ジェイもシリーズ初ヒットで繋いだ。これが今日のゲームの大きなポイントの一つ。上の打席結果と打順を見て貰えればわかると思うが、7回にプーホルズで終了したことを考えると、例え点が入らなくとも8回に走者を出さないと9回プーホルズに回ってこないという事態が起きてしまう。それを回避したのが7番から9番の出塁だったことを見逃してはならない。
 
でも満塁でファーカル。ここで一気に追いついちゃえ!
しかし、バットの振れないファーカルは無残にも凡退。2点差のまま9回へ。
 
 
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9回はモットが登場。下位打線をピシャリと抑える。レンジャーズは8、9回と淡白な攻撃に終わった。
 
 
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カーズ最後の攻撃で、マウンドには満を持してフェリスが。先頭のテリオはボール球ばかり振って三振。これでプーホにホームランが出ても追いつけない。。。
 
しかしプーホはダブルで反撃。バークマンは敬遠気味の四球。
そして前の回に本塁打を放ったこのシリーズのラッキーボーイ、クレイグ。
 
見応えのある勝負だったが、最後は絶好球を見逃し三振。
万事休す。。。スタジアムは静まり返っている。
 
ここでフリースの放った打球がライト後方へ。クルーズが打球を追いながらジャンプ。
僅かに届かず、さらにはクッションボールが転々とし二者生還。
 
カーズ奇跡の同点劇でゲームは振り出しに。
 
 
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しかし悪夢は10回表に。シリーズでは体調が万全ではないハミルトンがここでドデカイ2ラン。
レンジャーズ再び2点をリード。もう無理。。。
 
 
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既にカーズは野手を全員使っているので、8番から始まるこの回の攻撃で上位に回る可能性は相当低い。そういう意味で10回表は絶対抑えてもらいたかったのに。
 
レンジャーズはフェリスを続投させずに左のオリバーを持ってきた。「ちょっと舐めすぎでない?」とも思えるが、今季のフェリスだってなんだかんだいって不安定なままPOに突入していたのだから、四球を出さない確率で言えばオリバーの方が上。
 
しかし、このオリバーが誤算。デスカルソの打席ではほぼ完璧にタイミングを合わされ、続くジェイも難なくヒットで出塁。カーズとしては嬉しい誤算だらけ。一番に戻って、しかし投手の打順。最初は左打のエドウィン・ジャクソンが出て来て、レンジャーズがフェルドマンにスイッチしたところで作戦をバントに切り替えローシュにスイッチ。このローシュが絶妙なバントを転がし、一打同点のチャンスが出てきた。
 
2番は全く振れていないテリオ。ホーム封殺だけは勘弁と思っていたが、守備が深めだったので
1点が入る。そしてプーホを敬遠しバークマンと勝負。
 
フェルドマンはカーブが持ち味。バークマンはカーブ打ちが上手い。相性的には抜群だが、この場面ではそんなこといってられない。案の定、バークマンも力んでいる。それでもセンター前に運び、またしても同点!!
 
 
 
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11回表、カーズもコマが出尽くした様子。マウンドに上がったウエストブルックは、ロング救援が出来るだけが取り得といっても良いくらいこのシリーズではお荷物的存在。しかも、11回裏はチャンスを作ったとしても再び投手に打順が回る関係で得点する見込みは薄い。
 
つまり、カーズが勝利するためには2イニングを無失点に抑えなければと考えていた。
ところが、レンジャーズ打線も憔悴し切っているのかクルーズの打球も、そしてナポリのヒットも
打球に勢いが無い。無事抑えたウエストブルックにプーホが気合を入れる。
 
 
 
 
 
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止めを刺したのはフリースの一打だった。
 
 
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久々に涙が出た
 
信じられん
 
凄いよ、カーズ
 
みんな凄い
 
ベンチでラルーサが笑った
 
そしてコーチ陣と抱き合っていた
 
もみくちゃにされたフリースのユニがボロボロ
 
スタンドでは「フリースさん、お持ち帰りして〜」のボードが
 
正にミラクルカーズ!!!
 
 
 
 
 

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ミラクルカーズ!!!

長年野球ファンをやっていると、絶対に忘れない試合というものが出てくる。
 
古くは夏の甲子園箕島高対星陵高延長18回の熱戦や、「江夏の21球」でお馴染みの1979年日本シリーズ第7戦、「10.19」と呼ばれている1988年のロッテ対近鉄ダブルヘッダーは球場で観戦していた。
 
MLBだと2001年のヤンキースvsダイヤモンドバックスで2夜連続土壇場での同点劇や、2003年ALCS第7戦のレッドソックスvsヤンキース、同じく2008年のALCSレイズvsレッドソックスで7点差を跳ね返したゲームなどは球史に残る名試合として語り草になっている。
 
そして今日、新たな一ページを刻むに相応しいゲームが生まれた。
 
2011ワールドシリーズ、セントルイス・カージナルスvsテキサス・レンジャーズの第6戦。
王手をかけたレンジャーズはコルビー・ルイス、なんとしてもタイに持ち込みたいカーズはハイメ・ガルシアの先発で開始。
 
 
 
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ガルシアの立ち上がりを捉えたいレンジャーズが、キンズラーの四球から
アンドラスが繋いで早くもチャンス。ハミルトンのタイムリーで先制。
 
 
 
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すかさずカーズも反撃。打撃好調もALDSの第1戦以来本塁打の出ていなかった
バークマンが2ラン。逆に1点をリードした。
 
 
 
 
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2回に入ってもガルシアは不安定なまま。先頭のナポリが四球で歩き、今日スタメンセンターに入っているジェントリーがヒットを放ち無死一、二塁。ルイスの打席でバントを試みるが、
ここはカーズの守りが踏ん張り併殺に討ち取る。しかし、一番に戻ってキンズラーが
左中間を破る二塁打で三塁走者のナポリが還って同点に追いつく。
 
 
 
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2回のカーズの攻撃は下位打線。ここはルイスが難なく抑える。
 
 
 
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3回表、ハミルトンは三振に打ち取ったが四番のヤングにヒットを浴びるガルシア。
しかし、続くベルトレを2ゴロ併殺打に切って取り無失点で切り抜ける。
併殺を妨害するスライディングをかわすファーカルのスローイングが光った。
 
 
 
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3回のカーズは一番からの好打順。しかし、プーホルズも倒れ2回に続いて三者凡退。
 
 
 
 
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4回に入ってカーズは早くも投手をサラスにスイッチ。先頭クルーズの打球はショートとレフトの中間に上がる飛球。これをホリディとファーカルが譲り合ってしまいクルーズを2塁まで行かせてしまう。守備範囲的にはレフトのボールだったが、かなり深めに守っていたことも確か。
 
ここでナポリが一塁線をキレイに抜くタイムリーで1点を勝ち越し。この後も犠打の処理を
誤るなど、カーズの守りに不安が募っていくが何とか抑えきった。
 
 
 
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今度はレンジャーズの守りに乱れが。今日、一塁に入っているヤングのエラーでバークマンが出塁。続くホリディが四球で無死一、二塁。6番フリースは内野ゴロフォースアウトに倒れ一死一、三塁に変わってモリーナの内野ゴロの間にバークマンが生還。カーズらしい地味な得点方法で
同点に追いついた。
 
 
 
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5回表、先頭ハミルトンの打球は三塁定位置に上がった何でもない飛球。これをフリースが
まさかの落球。そして失策の挽回ばかりにヤングがダブルを放ってレンジャーズがまたもや
1点をリード。2イニング目に入っていたサラスは背信の投球で、故意に走者を埋めて9番の
ルイスで勝負するといった苦肉の策。走者を出せば出すほど上位打線に打席が回るというのに。
 
 
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5回裏。カーズは代打ジェイを起用するも、これで3度目の三者凡退。
勝利投手の権利を手にしたルイスに安堵の表情が。
 
 
 
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6回表。カーズは早くも3人目のリン。このポストシーズンではロング救援を任されているが、
打者との対戦数が増えていくほど心配な面も大きくなる。この回は無失点に抑えたが、
外野に飛んだ打球が妙に気になった。
 
 
 
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なんとしても反撃に転じたいカーズはプーホルズからの好打順だったが、敢え無く三振。
続くバークマンの打球はボテボテのゴロが3塁前に転がるラッキーな内野安打。
そしてホリディの打球を再びヤングがエラー。DH制の無いナ・リーグ本拠地でのゲームで
ラインアップが組み辛いレンジャーズにとって致し方ないエラーなのかもしれない。
 
そしてフリースに四球を出したところでルイスからオガンドに交代。
何気にレンジャーズもブルペンは人材難。みんな疲れているのは承知のことだが、
今日もオガンドは乱調。押し出しの四球を選んだモリーナがガッツポーズで一塁に。
止む無くホーランドを投入して逆転だけは防いだ。
 

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昨日エントリした直後に「ダルさんメジャー挑戦決定」のメディア記事が出回り、
やや混乱に陥ったのも束の間、すぐさまダルさん本人がツイ太で反論。
「10億円出す発言」でリードした球団にすかさず対抗策を講じた様が何ともいえませんね。
 
これでまた少し先が見えるようになりました。
 
 
ハム球団オーナーの発言を鵜呑みしてダルさんの来季年俸が10億に設定すると、
MLBの先発投手と比較しても現時点で17番目に入る高給取りになります。
 
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上の表2011年度の年俸が確定している投手と、マスコミを通じてダルさんに提示された金額を合わせて並べたもの。今オフに契約を控えている選手が割り込んでくる可能性はありますので、ご注意を。金額は、1㌦76円(2011年)と117円(2006年12月)の2つに分かれていますが、ここでは前置きしない限り2011年のレートを使って話を進めていきます。
 
来季8年目のダルさんの10億円は1316万㌦に相当し、為替に変動が無ければ来季の年俸はメジャーを代表する先発投手の一人である、ダン・ヘイレンをも上回る金額ということです。トップに位置するCCサバシア(ヤンキース)との開きは、2006年当時のレートでは17億もの差を付けられてしまいますが、現在のレートだと7億5000万ほどに縮まってしまいます。これが円高の恐怖というものでしょうか。
 
ちなみに、ダルさんのNPBでのキャリア年数をMLB式に換算すると、丁度今オフが初のFAとなります(2005年から数えると7年ですが、登録日数が6年に到達するのが2001年のため)。そのFA前年となる2011年の5億円は650万㌦に相当し、これをMLBの先発投手に例えると先発2番手クラスもしくはエース格と同様の実績2年の投手と同等な価値と見て良いでしょう。
 
参考例)
2011 CJウィルソン(レンジャーズ)  700万㌦(調停回避)
2012 ジェイムズ・シールズ(レイズ)  700万㌦(オプション)
2012 ジョン・レスター(レッドソックス) 763万㌦(複数年)
2012 ギャビン・フロイド(Wソックス)  700万㌦(複数年)
 
ですので、現時点でもダルさんの待遇はMLBのこうしたクラスの投手と比べても決して引けは取っていません。違いが出てくるのはこれから、つまりFA取得までの期間です。承知の通り、CJは今オフFAとなり市場価値が1億㌦近くになると噂されていて、レスターも複数年が決まっておりますが7年目の年俸が1163万㌦に跳ね上がることが既に約束されています。シールズもオプションが無ければ市場価値はもっと上がる可能性を持っていました。
 
もっと入り込んでいけば、これまでにダルさんが得た報酬はメジャーの同世代投手のそれと比較してく引けを取っていないどころか、25歳の投手としては破格の提示を受けていたことも事実です。
 
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この表はダルさんと同い年或いは年下、いわゆる25歳以下のMLB先発投手との成績、2011年までの俸比較です。参考としてマーさんこと、田中将大さんにもご登場いただきます。
高卒一年目から一軍の舞台で活躍してきたNPB投手の年俸は、大卒或いはマイナーで育成期間が設けられているMLBの同世代よりも明らかに上回っていることが分かりますよね。ダルさんと比較出来るのは、同じく19歳でデビューしたフェリックス社長ヘルナンデスただ1人です。これまでなら10億なんか出さんでも、メジャー有数の若手先発投手を既に超えているし、また機会も得てきました。マーさんの対抗馬は、少なくとも現時点では存在していません。近い将来、カーショウが抜くのは目に見えてますけど。
 
要するに、投手として完成していれば25歳以下ならMLBよりもNPBの方が好待遇だということです。デビューが早いので当たり前かもしれませんが、ビジネス的に考えると酷く賢い商売です。同い年の社長がダルさんを超える報酬を得ているのも、16歳からプロ入りした先輩だったことが強く影響しているせいです。通常であればメジャー昇格まで3〜4年、21か22歳でデビューすれば良い方です。そこから足掛け3〜4年の実績を作って、25歳辺りでようやく調停権利を得ることになりますね。クエート、ヨバニ、ジャージェンスらはそのラインです。19歳から一軍で投げているダルさんは、彼らよりも2〜3年長いキャリアを積上げて、2〜3若い年齢でFAに到達するのと同じことです。そうした面では、MLB球団にとってNPB球団の若きエース達は格好の獲物だといって差し支えないでしょう。ただし、既に失敗例がありますからNPBの実績を鵜呑み出来ない現実も出て来ている関係上、ポスティングを表明しても「相手の出方がわからない」展開になってきていることは確かです。
 
もう一つデータを出して見ます。
 
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これは球団歳入から見る年俸比率。MLBはフォーブスのサイト、NPBは先日のリンク先から算出しています。上位に入るような投手の年俸は球団歳入の5〜10%の間で賄われており、10億円が提示された場合のダルさんにおいてもこの範囲で収まっています。また、2011年の5億だと4.85%に過ぎません。一投手に総売上の10%を持っていかれるのは厳しいかもしれませんが、その配分で経営してちゃんと利益を出しているのがMLBの球団。同じ売上規模で10%以内の支出に納められるのならNPBの球団だって10億出しても不思議ではないということです。仮に、日本ハムの歳入が赤字補填した後の金額だったとしても、そこは親会社の宣伝価値を明確にして「赤字ダー、赤字ダー」と騒がないで「親会社におけるNPBスター選手の宣伝価値」をちゃんと算出するべきです、今後は。楽天のオーナー代行も「宣伝費用としての補填は親会社から見た球団のマーチャンダイズ」と述べていることですし。
 
戦力的に見ても、ダルさんの勝利貢献度はバーランダーやJJらと比較しても優るとも劣らないといえるもので、「ダルさんが登板する日に何人観客が増えたか」というよりも「ダルさんの働きで順位がどれだけ上がるか」を見て費用対効果を調べるべきでしょうね。年平均で貯金10個作る人ですから、普通に想像して順位を1つ上げるのは間違いなく、戦力を整理すればCSや日シリの興行権をモノに出来る確率が格段に上昇するのは間違いの無いところ。。「10億でも費用対効果がある」というオーナー発言は、この部分から来ていると考えて良いかもです。
 
 
ダルさんのツイ太発言を参考にすると、まだ何も決まっていないということ。
 
決めるのがシーズン終了後だとすれば、以前書いたように11月中旬から球団と交渉に入ってその月内に結論を出さないといけないのは大変です。また、「10億出す」発言がメディア記事を通して知ったのか、それとも既に提示されているのかもポイントになるでしょう。何といっても普通の選手じゃないので、事前交渉は当たり前。その課程でメジャーに行くか残留するかを決断するには僅か半月足らずの期間ではまず無理かと思います。さらに、過去のポスティング例から「落札額と契約金額は同等」と考えても良く、最低でも年俸10億以上出さないと獲得が困難になることが確定したMLB球団としては、6年60億+落札額60億=120億という金額が必要になり、例え入札費用を半分に落としたとしても総額で90億=1億1800万㌦もの出費を要する可能性は極めてり高くなりました。そうした中でダルさんにとって希望通りの条件が提示される保障も無く、余程の筋道が出来ていなければシナリオ通りにはいかないでしょうね。
 
 
ということでダルさん残留決定!
ここで、ハム球団の提示する契約を予想すると、
 
①海外FAとなる2014年までの3年間、最大年俸10億円で契約延長
 
②国内FAとなる2013年までの2年間、総額20億円で契約延長
 
③海外FAとなる2014年までの3年間、総額30億円で契約延長
 
④上の条件では合意せず、ポスティング宣言
 
⑤ブロガーとして転職
 
 
可能性の高い順から並べています。本当は個人の去就に彼是言うのも失礼なことかもしれませんが、別に誹謗している訳ではありませんので、これくらいのことは許される、いや積極的に語られても良い立場にいるのが億万長者の宿命だと思っておりますのでいいんじゃないでしょうか。
 
可能性が最も高いとされる①では7億、8億、10億とステップを踏んで公言を実行するという方法です。「出来高込みで10億」という線も考えられなくは無いですが、そこはメジャーとの天秤に掛けられる唯一の部分でしょう。②と③なら有無を言わず残留、①の条件に納得が行かなければ④を摘要。⑤は大穴です。
 
結果として残留すれば球団の勝ちとなるかもしれませんが、実際は10億円を引き出したダルさんの勝利でしょう。ま、今までに10億を手にしていた選手がいたとしても不思議では無いというか、肝心なことは分からず終いだったのが公にされることの意味は非常に大きいです。芸能人なんていくら貰っているのか、ハッキリとしたことは何もわからないのですから、世間的にはプロスポーツ選手の方が遥かに公正だと思いますね。
 

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日本ハムがエース・ダルビッシュ有投手(25)の引き留めに、最大で年俸10億円を用意していることが17日、分かった。大社啓二オーナー(55)がこの日までに、「あれだけの大エースが残ってくれるなら7億、いや10億円まで考える必要があるんじゃないか」と明かしたもの。

 10億円は今季年俸5億円から倍増で、球界では過去に例のない金額。ダルビッシュは今オフ、ポスティング・システム(入札制度)を行使してメジャー移籍を希望する可能性があるが、仮に残留すれば日本球界の歴代最高額の年俸を手にすることになる。

 それでも「費用対効果は十分すぎる」と力説した同オーナー。シーズン後には入札制度の行使を含め、球団側と話し合いが行われる予定だ。
 2011年10月18日 スポニチより
 
ついに動きを見せましたね。
日本ハム球団とダルさんの駆け引きは「先ずは球団が先手を打った」ということになりました。
 
ついこの間、「ポスティングする場合、本人の意思を尊重」といった腑抜けた内容の
記事が出ていましたけれど、ひょっとしたら反発を買っていたのかもしれない。
そりゃそうです。メジャー挑戦も何も発していない選手にポスティングも何も
あったものではありません。
この時点ではダルさんが一歩リードした形でした。
 
しかし、今回の記事によって「日本ハムは10億出せる!!」とマスコミを使って
牽制球を投げてきました。10億といえば、今季推定5億円のダルさんをあと
2〜3年は囲っていられるほどの金額ですね。
要するに、FAまでは責任を持って保有し続けるとファンに約束したようなもので、
結果はどうあれ最大級の誠意は見せたことになります。
この誠意は正しい誠意ですね。
記事が出た後ではさすがに「やっぱり出せない」とはならないでしょう。
 
こうして主導権を握ったハム球団は、仮にダルさんがポスったとしても
過去のケースのように「選手の挑戦意欲に便乗して商売」というダーティなイメージを
既に払拭出来たのではないかと思われます。
 
この10億という金額、少し前では提示不可能な金額だと思っていたhausさんですが、
色々と調べた上、「可能」という線に方向転換してきています。
 
参考としたのはこの記事。
 
ここで取材を受けている帝京大学の大坪教授は、この手の情報については
第一人者ともいえる存在。hausさんも「メジャーリーグの経済学」などの著書を
愛読していたので、金額の正確さや詳細はともかく信頼の置ける情報源だと思っています。
 
ここで書かれている日本ハムの年間収入(売上)は103億円。
これはMLBで最も歳入の少ないフロリダ・マーリンズの108億円(※)とほぼ同等の
規模となっています。
 
※米金融誌フォーブスによる情報。1ドル76円で計算。
 
そのマーリンズの選手費用(年俸、出来高、ドラフト契約金、バイアウトなど全て含む)
は44億で、収入の40%に相当します。
 
一方、日本ハムの選手年俸はNPB選手会のアンケート調査によると、組合員25億、
組合に加入していない外国人選手の推定年俸合計が2億1700万円となっており、
合わせると27億ちょっとの金額になると思います。
球団収入との比較では26%に相当。
 
これに加えて、NPBで大きな負担となっている球場使用料をハム側にプラスしたとしても、
5億円の上乗せにしか過ぎず、マーリンズの方が12億近くも支出が多い状態になっています。
 
選手年俸・球場使用料以外に考えられる支出としては、
 
・キャンプ費用
・遠征費用
・二軍運営費用(マーリンズは委託)
・ドラフト費用(マーリンズは込み)
・球団職員人件費
・事務所費用
・雑費
・法人税など各種税金
 
などが考えられますが、税金を除けば似たり寄ったりではないかと。二軍で赤字に
なるのであれば、そうならない工夫は取れそうなものですが、同じプロ野球ビジネスとして
同規模の収入がありながらマーリンズは大幅な黒字(これは分配金の収入が70%近くにもなるため、一部球団から批判されていることでもある)、日本ハムは赤字かトントンらしい。
そして、ケチケチ球団といわれるマーリンズでさえ、ハンリーラミレスに11億、
ジョシュ・ジョンソンに7億近くもギャランティしているのに対し、
ダルさんに5億円以上払えないと思っていたのはちょっと浅はかでしたね。
同じように「無理だろう」と思っていたファンの方はこれを見てちょっと考えてみて下さい。
 
払えるんですね、NPBは。
 
それを突き破ろうとしている球団オーナーの発言はある意味、勇気あるものだといえますし、
上のリンク記事を見た限りでは、もしこれが親会社の補填前の売上だったとしたら
実は健全な営業状態だったのかもしれないと推測することも出来るんじゃないかと。
 
それ以上は、今は言及するつもりはないですけどね。
一種のサラリー・キャップ状態だったら、今後さらに面白くなりそうな予感が。
 
 
 
 
 

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