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この時期にストーヴリーグの話題を持ち出すのは早すぎるし、
宣言もしていない選手のことについて語るのも些か失礼ではあるが、
仮定の中での話しということで進めていきたい。
 
 
ダルビッシュ有(日本ハム)が国内FA資格を取るには、これから先一軍登録され続けても2013年のシーズン中まで待たなければならない。仮に、FA権利を行使するまでチームに残るのであれば、あと2年は日本ハム球団と契約を交わす必要がある。もちろん、海外FA権はその一年後。
彼の年俸は、推定5億円。2007年のオフに3年契約を交わしていた間は、年俸の上昇も多少緩やかなものであったが、複数年の切れた昨オフにその反動が出た形となった。5億といえば、NPBのトップレベルの選手がこれ以上の昇給に限界を感じ、海外(MLB)に移るキッカケになる金額でもある。
 
【MLB移籍前年の年俸】
 
佐々木主浩(横浜⇒マリナーズ)・・・5億円
イチロー(オリックス⇒マリナーズ)・・・・5億3000万円
松井秀喜(巨人⇒ヤンキース)・・・5億5000万円
中村紀洋(近鉄⇒ドジャース)・・・5億円
城島健司(ソフトバンク⇒マリナーズ)・・・5億円
 
今のところ、日本人選手で5億以上の年俸から契約を再更新したのは松中信彦(ソフトバンク)と金本知憲(阪神)の2人だけである。これは年俸据え置きという妥協点で合意し、結果流出を阻止した(或いは評価した)ことになるのだが、云うまでも無くイチローや松井、そしてダルビッシュはこのラインで年俸がストップするような選手ではない。一応、日本人最高年俸は2004年に復帰した佐々木の6億5000万ということになっており、少なくともNPBのキャリアだけでこの金額に辿り着いた選手は一人もいない。
 
ダルビッシュが日本ハムないしはNPB球団に在籍し続ける限り、このラインに到達するのは時間の問題だ。今季の成績なら年内に届く見込みも決して少なくはない。それからさらに3年間NPBに留まれば途方も無い額になることは誰もが想像出来る。これまでの例から見れば、僅か25歳にて制限いっぱいの報酬を既に与えられたことになるわけだ。
 
NPBの中でも契約にシビアだと云われている日本ハムは、これ以上の金額が「出せないだろう」と囁かれている。そして、「出せる」「出したい」と思わせるのがMLBで、そこに多額のポスティングフィー収益が転がり込んでくることを計算に入れない訳が無いとも思われている。落札される金額は、選手自身の実力に比例するとは限らないため予想するのが大変難しいが、昨オフに一旦落札された岩隈久志(楽天)の1900万㌦にしても、相当な美味があるのは間違いない。当然、ダルビッシュにはそれ以上の金額が予想されるだろう。
 
しかし、この件はダルビッシュがポスティングを希望しなければ何も起こらない。過去には「メジャーには行かない」と宣言したようだが、これを興味が無いとニュアンスを和らげたとしても一定の信用に値する根拠はある。「宣言無し」は、昨オフに判明した3年契約に義理を立てたものだと察することも出来なくも無いが、これまでポスティングを使ってMLBに移籍した選手達は、日本でプレーする間なんとなくそれを臭わせるコメントを発したり、球団に直訴するなりして周囲の反応を伺ってきた。特例で日本球界から離れることに批判が出ないかどうか、一応のコンセンサスを取る形をとって筋道を立てたということだ。その辺がFAでMLBに移る選手との違いである。加えて、ポスティングは球団の容認及び申請手続きが必要なため、そこにはどうしても協力を得なければならない。球団としても保有権を持っている訳だから、放出したというイメージは絶対に作りたくないと考えるのは自然で、自らか動く前に本人の意思とファンの反応を確認した上で容認する動きでなければならない。ダルビッシュがスポーツエンタテイメントで稼ぐアスリート、球団が消費者へのイメージを大切にする企業であることから、こうした義理の発想は商売上避けられないものである。
 
両者とも、今までそうした動きは全く見せておらず、憶測するのが名誉棄損に当るのではないかと思うくらい隙が無い。噂を嗅ぎ付けられないスポーツメディアがだらしないせいなのかもしれないが、この点は徹底している。そういう意味でこの選手は極めて賢いと言わざるを得ない。彼の前では、我々は常に下世話な憶測しか立てられていないのは、ある意味大変頼もしい。
 
現実的な話をさらに進めて行くと、今オフにダルビッシュがポスティングを利用してMLBに移籍する可能性は極めて低いといえる。理由は、東日本大震災の影響で大幅に順延となったNPBの日程だ。これまで通りなら10月下旬か遅くとも11月第一週で終了する日本シリーズが、今季は11/20からのスタートとなっている。もちろん、日本ハムがそこに残れば宣言どころの話ではないが、他球団が出場したとしてもこの話がシーズンの最中に出てくることは考えられない。よって、オフが始まってから事を進めるにはタイミングが遅すぎるというのが根拠の一つになる。
 
仮に、11月下旬にポスティングの宣言をすると、募集期間と独占交渉権の期間だけで軽く年越えしてしまう。ポスティングの顛末が都合良く運ばないのは岩隈の例で実証されているから、もし交渉不成立に終わった場合、日本ハムに残留することも考えなければならない。そして、球団は球団で6億を超える巨大な案件を抱えたまま年を越さなければならないとなると、補強も何も出来なくなるどころか既存の選手達の契約更改も難航する恐れが出てくる。MLBの方も球団によっては、予算編成上待てない時期にもなる。要するに、動かし辛い選手が動かし難い時期に動くことにより、方々で歪みが出てくることも有りうることが予想される。加えて前述のコンセンサスを取るとなると、時間的にはあまりにも猶予が無さ過ぎる。これまでのスムーズな動きを全てブチ壊してしまうくらい両者にとっては危険な動きだともいえる。
 
それでも可能性がゼロとはいえないが、今オフは日本で契約するのが慎重な策だと思える。寧ろ、日本ハムがどのような動きを見せるのか?という興味に移るのも個人的には悪くはない。
 
元はといえば、ポスティング移籍を実現するのは先ず選手の熱意である。実力が飛びぬけていれば挑戦する資格はあると支持されるが、行く気の無い選手は行かないものだと考えなければならない。そして、行く気の無い選手は行かない方が良い。ましてや、球団が抱えられないだろういといった憶測や、ファンの願望などといった本人の意思とは無縁の理由で無理矢理海外に目を向けさせるとしたら、気の毒でならない。また、MLB好きな自分の目からは変な理由で来ないで欲しいとも思っている。変な理由とは、単なる腕試しや金額面で追い出された格好になった選手のことを指している。そうした選手に限ってキャリアを随分と無駄にしている。FAになって日米の市場が競合した上で行くのであれば話は別だが、少なくともポスティングで行くのは止したほうが身のためだ。
 
最後にまとめると、先ずは日本ハムが彼を支える姿勢を貫いて欲しい。金額的に支えるのが不可能なら巨人でも阪神でもトレードを思案すれば良いのではないか。それで戦力均衡が崩されるのであればそれは日本ハムやダルビッシュの責任ではなく、球界全体の体制上の問題になる。少なくともポスティングであぶく銭を掴むような動きを、裏で手を引くような行為はして欲しくない。そして、メジャー行きを希望するのであれば、日本ハムのファンに対する義理は通しておくべきだろう。そこから彼の去就を考え始めることが出来る。

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