計7本塁打が飛び交う乱打戦。両チームの安打合計が16本(フィリー、ドジャー共に8本)なので、 安打の38%が本塁打。二塁打が3本なので69%が長打と言う凄まじいゲームをフィリーが制し、 2年連続でワールドシリーズに駒を進めることとなりました。 ゲーム前の始球式ではチーム史上初のワールドチャンピオンとなったときの監督、ダラス・グリーン氏が登場。 チャーリー・マニエル監督と談笑していました。 先発はハメルズとパディーヤ。初回から本塁打攻勢でしたが、イーシアーがソロアーチだったのに対し、 走者を貯めた場面での違いと、これまで散々手を焼いていたインコースに食い込んでくるシュート回転系の 2チームにバットが合っていたワースの3ランが効き、フィリーが2点をリードします。 ドジャーも負けじと、ロニーのソロアーチで追い上げますが、その裏フィリーの攻撃で先頭のフェリースが初球をライトに弾き返し、リードはまたもや2点差に広がります。 3回は両チーム共に三者凡退でしたが、4回裏フィリーの攻撃。 ワースを1塁に置いてイバニェスのダブルが出て1点追加。 ここでトーリ監督はパディーヤを諦め、トロンコにスウィッチ。 フェリース凡退、ルイズ四球の後、ハメルズがバントで送って1死二三塁。 ここでトロンコは1番ロリンズを追い込んだにも関わらずHBPを与えてしまい、傷口を広げてしまいます。 そしてトーリ監督がコールしたのは何とシェリル。 確かにPOに入ってから投球内容が悪かったので、セットアップを郭と交代する可能性はありましたが、 まさかこんなに早いイニングで出てくるとは。 そして打席に派お騒がせマンのヴィクトリーノ。 シェリルは今日もブレキーングボールの制御に苦しんでいた 面を覗かせましたが、アンパイヤのコールもチト辛め。 3-2となった6球目、インハイのボールが内側に外れてしまい、 これをヴィクトリーノが当たりに行きました(笑)。押し出しで思わずガッツポーズ。 フィリーの攻撃力はただ振り回すだけではないのが証明されたロリンズとヴィクトリーノの出塁でした。 5回の表、今度はハメルズが捕まりかけます。代打O-Dogはインコースを見事に捌き、ソロで1点追加。 ファーカルも連打したことで、ハメルズ降板。ハップにスウィッチ。 しかし、ベリヤードを歩かせてしまい一、二塁のピンチ。 一発が出れば同点の場面でイーシアー、マニーを迎えてしまいました。 そのイーシアーは初球かなり甘いボールを叩きましたが、これを打ち損じてしまいます。 左中間へ力の無い打球が上がってしまい、相当悔しがっていました。 ここでまたもやチャーリーがマウンドに向かい、ハップは不満の表情を浮かべますが 問答無用でダービンと交代。 今回のシリーズではマニーに対して徹底してインコース攻めをしているフィリーのバッテリー。 今日も2球目に投じたファストボールをマニーが強振しましたが、 自らの脛に当ててしまい酷く痛がっていました。 この後、2球続けてアウトコースでじらし最後はやはりインコース。 バットを止めにかかりますが「マニー合わず」内野ゴロに討ち取られてしまいました。 今のインコースに過剰反応してしまうマニーには厳しいボールだった、 そんな風に思わせた打席でした。 ドジャーは5回からカーショウをマウンドに上げています。 ここまでユーティリティに起用されたことがほぼなかったこの若手左腕。 3イニングでも抑えてくれれば反撃の余地もありましたが、それをヴィクトリーノが許しませんでした。 ロリンズを一塁に置いての初球、カーショウにしては威力に欠ける真っ直ぐを見事に捉えた完璧な打撃でフィリーが2点追加。 さらには7回から登板した郭にもワースがこの日2本目のアーチを浴びせ、スタジアムはお祭り騒ぎとなって行きます。 9-3で迎えた8回、ドジャーが再度反撃に出ます。 マウンド上の朴からベリヤード、イーシアーと連打が続いて 打席にはマニー。フィリーはマドっちに交代。 ここでは無理をせずマニーを歩かせて無死満塁。 昨日のハムvs楽天戦みたいになってきました。 ここからマドっさんのピッチングがガラリと変わってきます。 マーティンへの勝負球はアウトコースのベースいっぱい、球威的にも押して空振りの三振。 さらにブレイクとの勝負はもっと熱く、徹底した外目中心の配球で討ち取ろうとしますが、 ブレイクが食い下がります。 9球目、チェンジアップが決まりショートへの封殺でピンチを切り抜けました。 こうしてNLCSはフィリーズが4勝1敗でドジャースを下しました。 本当に「らしい」ゲームでした(笑)。 でも、第4戦といい今日のゲームといい、ブルペンの再整備を図るには最適な展開だったと思いましたね。 ピンチを切り抜けるというのもまぁ、自作自演ではありますが(笑)絶対に必要なことなので、 マドっさんの今日の出来はワールドシリーズに向けて良い機会であったし、また結果でした。 打線ではチェイスに元気が無いのは気になりますが、ほぼ全員がバット振れてるもんね。 有り得ないくらいの打点を稼いでいるワースは元々それだけの珠でもあったし、 ヴィクトリーノもそうですが、この両者共にドジャーから整理されてフィリーに来て飛躍したんですよね。 絵になる勢力構図です。 でもチェイスは気掛かりだなぁ。送球といい、打撃といい。 先発はリーが大黒柱の働きで、ペドロが調整を上手く踏んでいけばこの二枚看板は頼りになる。 駄目ルさんはまた戻ってしまいましたが、ん〜頑張ってね。 その代わりブラントンとハップの起用展開が嵌っていないです。特にハップは 器用貧乏的な扱われ方で塩梅が宜しくないです。 リッジはここまで無失点。ネイサン、フランクリン、ストリート、パペルボン、フエンテス、ブロクストン、 おまけとして福盛と各チームのクローザーにBlsvがついていく中、なんとも奇怪な状態となっています。 過酷な場面で登場していないというのは最もですが、何気に神懸ってますね(笑)。 そんな訳で今年もナショナル・リーグを応援します。 |
2009MLB
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逆転に次ぐ逆転というシーソーゲームも面白いですが、同点のまま 緊迫した状態で繋いでいくゲームはそれに勝るとも劣らない。 5回以降計6IP、都合10人の投手がそんな好試合を作ってくれました。 それにしても見ている方だって大変疲れた。私なんか途中で転寝してしまいました。 現地時計も午前0時を回り、悪天候と底冷えする寒さの中で選手達もお疲れでした。 【神の国からやってきた男】 最近何かと神のバーゲンセール状態ですが(苦笑)、野球神に最も愛されているのは ノムさんではなく(笑)、きっとあの人なんだろうかと。 「あの人」マリアノ・リベラは本当に神の国からやってきたのではないか?という気がしてきた、マジで。 そんな気がする理由を数字で挙げるとすれば、 ☆投球の90%以上が伝家の宝刀カットボール。こんなピッチャー他にはいない。 ☆ポストシーズンの通算成績が124.1IPで0.72ERA、0.76WHIPという途方もないレベル。 ☆過去2年間のRシーズンBlsvは3度のみ。セーブは83個と成功率にして96% ☆ポストシーズンでのBlsvを記録したのは2004年(3回)のみ。 と、これだけでも超人的なのはお馴染み、十何年も研究しているだろうあのカットボールが 未だに攻略出来ないまま。相手チームから見れば不治の病みたいなものです。 何かこう、コースとかスピードとかじゃなくて、打者の死角を突いているとしか思えない。 そしてあの、悟りを開いたような表情と風格ですから、野球選手としてだけではなく 何か人間を越えている部分さえ感じます。 きっと自宅は人間界ではなく、神の国なんじゃないかと(とかいって、自宅でドンちゃん騒ぎしてたりして、爆)。 マリアノが打たれるときは神様の気まぐれか、それとも人間が神に近付いたときだけ? 【ソーンダースの投球も圧巻】 神の国といえば天使。そうです、このチームも(順番はともかく)神様に愛されているチームの一つかも。 先発のソーンダースは2点こそ失いましたがヤンクスの中軸をピシャリですから。 特に走者を背負ってのピッチングは徹底してゴロを打たせるインコース主体の攻め。 これが際どいコースに決まるんですよね。 同点に追いついた5回裏にはカブレラ、モリーナを連続安打を浴び(モリーナにはビックリさせられた)、 無死一二塁のピンチを招いた上、打席にはキャぴテン。 ここちょっと可笑しいなと思いました。投ゴロでソーンダースは二塁に放って併殺が完成するのですが、 二塁走者は進塁しましたので二死三塁という形になってしまったんですね。 一塁走者は多分MLBで最も足の遅いモリーナ。1-5-3もしくは1-5-4というプレーを 作れなかったのかなぁというシーンでしたが、従来の(MLBの)フォーメーションってどうなんでしょうね? そこはまぁいいとして、最後の打者デーモンを討ち取ったボールでアームアングルをチェンジするんですよね。 これが外角いっぱい完璧に決まり、デーもん脱毛(笑)。感動しました。 【A-ロッドはやはり野球馬鹿だった】 今日の同点アーチも「やられるかも」「やったらすげ〜な」なんて不安がありました。フェンテス云々じゃなくて。 そしたら0-2に追い込んでいたのに3球目をドカーン。先日のパバーノから打ったボールよりは内寄りでしたが 肩口に近い高さ。これをバットをぶつけて運ぶというよりか、飛んでいきました。それまではこの日無安打。 フェンテスも強烈な雨足の中でチェンジアップを繰り出しませんでした。 でもこのシーンを見て、「嗚呼、まだゲームが続いてしまうのか」と凍り付いてしまったファンって、 結構いたんじゃないでしょうか。特にスタジアムのヤンクスファンの中でも密かに(笑)。 それをいきなりタイに持ち込むんですから、やっぱりこの人も呆れるほどの野球馬鹿です(笑)。 前日のゲームでも松井のヒットでホームに突進し、マシスと衝突しましたよね? あの後、判定と同時にしっかりベースを手でタッチしていました。 ああいったプレーは基本でもあるのですが、かなり激しいぶつかり合いでしたので 一瞬(タッチを)忘れてしまうは別のケースでは良く見かけます。 それを怠らずにしっかりと行うA-ロッドは自他共に認める野球の虫という表現がピッタリ来ます。 時には張り切りすぎてグラブを叩いてみたり、走者を妨害する騒音を出したりと、 トーリ本にも書かれているようなドン引きキャラなのと同時に、 少年野球のコーチを職業にしても可笑しく無さそうな一面もあることは確かなようです。 【致命傷はエラーでしたが】 天使は昨日も失策絡みで失点しましたので、悪いイメージがさらに重なってしまいましたが、 あのグラウンドコンディションは気の毒に見えました。芝生とのアンツーカーで不規則になるバウンド。 強い雨の中でフライをキャッチするのにも相当神経を使っていました。 プロだから批判されてもしょうがないんですけどね、あの天候と気温は過酷な条件でした。 【お手軽Boxはこちら】 |
ヤンキースvsエンジェルスの勝者がワールドシリーズを制すなどという意見があちこちで見られます。 NLもフィリーズvsドジャースという戦力が質量共に豊かなチームが順調に勝ち上がっているというのに。 それは両者の選手や戦力を均等かつ公平に見て出した意見なのでしょうか。 MLBのお膝下であるアメリカ国内の論調でもそういわれたから信じ込んでいるのでしょうか。 私から見れば、フィリーの打線はヤンクスが好調な状態とほぼ互角なのは間違いないですし、先発のコマは 逆に豊富。ドジャーのブルペンは質量共に現在残っている4チームの中でトップの状態にあると思っています。 ただ、ヤンクスにはマリアノという切り札、これだけは追いつけない。 戦う前からALの勝者がNLに勝つというなどの発想を浮かべる理由は別にあります。 オールスターゲームでの連敗、インタリーグでの勝率などいずれもNLが劣勢状態にあります。 では、ワールドシリーズではどうかといいますと、過去10年間ALの覇者はヤンキース(1999、2000)、 エンジェルス(2002)、レッドソックス(2004、2007)、ホワイトソックス(2005)の6度に対し、 NLはD-バックス(2001)、マーリンズ(2003)、カージナルス(2006)、フィリーズ(2008)の4度と こちらも負け越していますけど、それと同様に2004(カージナルス)、2005(アストロズ)、2007(ロッキーズ)と NLの3チームがスイープを喰らった悪いイメージも左右している部分じゃないかと思います。 それ以前に、ALに人気チームが集中している点は日本とアメリカのにおいてはそう大差ないと 想像出来ますし、特に日本ではALの一部球団への偏重報道により 今のNLをまともに見る環境が中々作れないですからねぇ、 昔のNPBだって西武が日本シリーズに出てこなければ日本一になれなかった期間 (1978年の阪急から1999年のダイエーまで)が長かったですから、 海を見ないまま海を語るなといいたいところです。 いけね、本題本題。 チャーリー(マニエル)がヤバいことになっています。 MLBでダントツの数を記録したクロージングBlsv(9回に限定したセーブ失敗、記事最後部に資料付) の後遺症からまだ立ち直っていません。 直接の原因は、ここで何度も出しているブラッド”神から悪魔へ”リッジの不安定さ。 細かい部分は過去記事を見ていただくとして、 http://blogs.yahoo.co.jp/ava20060217/49298519.html 「今頃(9月)になってブルペンの再整備では遅いだろう」との懸念がピッタリと嵌ってしまいました。 むしろPシーズンに入ってからのリッジは好調、いや結果的だけを見れば抑えています。 しかし、ライアン・マドソンを始めとした中盤のリレーが崩れに崩れ、本日のNLCS第二戦では なんと、8回に5人もの投手を送り出した上での逆転負け。 こんなジャンキーな継投は記憶を呼び覚ますのに苦労します。 チャーリーが起用した投手は、朴⇒エア⇒マドっさん⇒ハップ⇒ダービン。全て左右交互です。 ドジャーの打線がジグザグなのでピンチを迎えるなら、左右の相性を買うのは悪い戦法ではありません。 しかし、まだシリーズ2戦目。対戦が重なる度に生きたデータや経験が活かされ、 中盤の投手については打者有利になることは至極可能性の強いことでもあると思います。 本来はマドっさんが8回固定のセットアップでしたが、Pシーズンに入ってアップアップの状態。 その代わりに故障から戻ってきた朴が前日にピンチを摘む好投。 1点差という厳しい場面でもありましたが、下位打線ということで 感触を持っての起用だったと思われます。 その朴が抑え切れなかったというよりも、チェイスのエラーで同点。 1死二塁で迎えるは代打のトーミさん。 ここでチャーリーが堪えきれないんですよねぇ。 左ということでエアにスウィッチしましたが右前打で一三塁のピンチを作ってしまいます。 こんな場面でマドっさん登場。信頼性の落ちた投手を、一打逆転のピンチを作って しまった後で投入してしまう優柔不断さ。ケンプを三振に討ち取って役目は果しますが、 左のイーシアーを迎えるにあたりハップと交代。そのハップが押し出しで決勝点を奪われ、 結局最後はダービンで締めたという形で終わりました。ゲームもブロクストンに締められ敗戦。 こうした継投は非常手段で用いるのであれば「後が無い」というモチベーションの中、効果も 期待出来ますが、逆に5人も起用すれば誰かがポシャルといいますか、投手のコンディションが 全て均等に仕上がってくるとは思えないのですよね。「調子の良い投手を送れば良い」なんて、 どこかの国際試合で人気先行監督に向けられた言葉ではありませんけれども、 このような結果になってしまうとその結果論を突かれてしまう形になってしまいますし、 極端に言えばカードを5枚潰したと考えられなくも無い判断でした。 ここまで言い切れば代案を考えるべきですが、ちゃんと考えてますよ。 その前に、Pシーズンに入ってからチャーリーが起用したリレーを再確認しましょう。 赤丸は勝利投手、黒丸は敗戦投手。白抜きオレンジはセーブ、緑はホールド、茶色はBlsvです。 背景グレーはビハインドでの登板、薄水色は同点の場面、 配色無しは先発もしくは4点差以上リードでの登板です。囲いの数字は失点数です。 inBPはブルペン待機の投手達です。 点差にもよりますが、POに入ってからのフィリーはまぁ何とも節操の無いリレーを繰り返しています。 リッジへの不安からエアを挟んだお手軽セーブにマドっさんの連続BS。さらには今日の朴への セットアップ交代ですね。一体、誰がブルペンの軸なのかさっぱりわかりません。 Rシーズン中はマド-リッジのリレーにとことん拘り、それでクローザーの交代機を見誤った。 さらに左で最も信頼が厚かったロメロが出場停止⇒復帰後故障と良いところがなく、 ようやく朴が良い感じでミドルリリーフを続けていましたが、9月中盤に故障してしまい、 パターンが構築出来なかった。 NLDSの天候にも影響されました。ハップとブラントンをブルペンで起用するなど、先発に対する 比重が高められなかったのも良い材料とはいえませんでしたし、その天候の中でゲームを行った 関係上、投手達のコンディションも心配な点があります。 これがドジャーだとどうなるかといいますと、 とてもキレイに仕上がっています。 6回はベリサリ、7回は郭、8回はシェリルで最後は巨漢。お陰でトロンコの出番が著しく減ってしまい 小数精鋭となっていますが、多少崩れても逆算の出来るパターンをキープしています。 巨漢が打たれればお終いですけど、シェリルと郭、ベリサリとトロンコの役目を入れ替えるのは 比較的容易といえます。それとちょっと確認していないのですが、 先発はウルフ、カーショウ、パディーヤと使っていますので、 ビリングと黒田のどちらかがロングマンとしてブルペンに入るという贅沢な選択も出来そうですね。 フィリーの方はどうしようかといいますと、イニングにつき2名の投手で乗り切る ということで一先ずは落ち着いて欲しいところです。 それでウォームアップを念入りに行う。こうやってコンディションを整えていくしかないでしょう。 5人も投入したら4つ勝つまでは同じ対戦を繰り返すPシーズンのようなケースだと 相手に弱みを見せているだけです。 でもこのシリーズ、接戦になればなるほど終盤が荒れてきそうですね。 ※、最後はまたまたオマケ資料。クロージングBlsvが無かった場合の今季Rシーズン勝敗表です。 リッジさんは痛い(偉大)です。 |
<レンジャーズ> ハミルトン、クルーズといった初調停の選手で予算が跳ね上がるかと思いましたが、 抜ける人も大勢いたんですね。 ここは若手が溢れていますので、トレードを含めて何でも手が打てそうです。 マイケル・ヤングの$16Mは3割を打っている間は不良債権とはいえないでしょう。 <レッドソックス> 長期契約者が多いとはいえ、若い選手のベースアップが多いため余剰はあまり発生しないと予想。 ルーゴは放出しましたが、来季年俸の大部分を賄わないといけません。ただし、昨年のペイロールが 抑え気味でしたので、今オフでは大幅な増資が成される可能性はあるでしょうね。 <ロッキーズ> 予算は潤沢ではありませんが、現状維持でも戦えるほどの25menを持っています。 アトキンスは劣化が激しく、Non-Tenderの可能性が高いと見ているのですが、 その前にトレードが成立しますでしょうか? ヘルトンの長期契約は最後の方に来ていい形を作っています。 <D-バックス> 薄かった戦力層をそれなりに埋めてきた今季、改造人間のお馬鹿契約が まだ残ってはいますが増資によっては割と戦えるんじゃないかと。 クリヤンも不良債権にならないようにね。 <B-ジェイズ> カオス状態にあるジェイズ。リオス放出で少しは予算も軽減されましたが、 Vウェルズの契約が2010年は$12.5Mに。さらに2011〜2014年は$20Mを軽くオーバーします。 もう一つB.ライアンのサラリー分も来季まで保証と、編成には相当な工夫が必要とされます。 元GMのジェラルド・リッチアーディは2度とカナダへは入国出来ないでしょう(苦笑)。 <レッズ> 来季は据え置きの可能性が高いと見ます。アローヨ、ハラング、Fコルデロが契約上の3本柱ですが、 将来的にはヴォット、ブルースちゃん、スタッブス、Jフランシスコと野手に投資する見込みが強いため、それまでは資金をセーブするかもしれないと予想。 <ホワイトソックス> ケン・ウィリアムズは相変わらず良くわかりませんね。 球場特性からパワーバットに投資すれば回収の見込みが高いチームですので、 ダイのopも行使するのではないかと見ています。 金額的にはスリムとはいえませんが、でも随分とフレッシュになってきました。 <カブス> プラマイゼロというのは珍しい(笑)。経営交代によって財政がどう動くのかに注目。 ソリアーノやブラッドレーみたいな地雷源も豊富です。 <レイズ> 元手が安いので年俸高騰は避けられません。さらに年俸調停がゾブリスト、 アプトン、ガーザ、ハウエル、バルフォーと増加しますので、活躍出来なかった選手は トレード対象となる可能性も示唆されます。岩村は確かオプションだったと思います。 <ブレーブス> 今季の健闘は称えられるものではありますが、オフでは終盤の軸2名とポイントゲッターを失います。 マイナーの宝庫なので、クローザーの後釜はクレイグ・キンブレルなどが有望ですが、 まだ少しはベテランのサポートが必要ではないかと思います。 <マーリンズ> 昨オフは調停に掛かる選手を整理しつつも前年度から150%の増資。今オフはそれがさらに進み、 少なく見積もっても大幅に上昇してしまいそう。アッグラの放出はかなり現実的な予想と されていますが、放出が前提での交渉は足元みられるんじゃないかと心配です。 <ドジャース> 結局シュミットは一体何だったのだろうか(苦笑)。あと、アンドルー解雇に付き2014年まで毎年 $3.2Mの債務が残っています。他にも若手選手の長期契約を先延ばしにしていた都合、現状維持でも 前年度予算を軽くオーバー。コレさん夜逃げの体制か? <ツインズ> ツインズも現状維持だけで昨年度を大幅に上回ることが確実視されています。 ただし、新球場ターゲットフィールドの評判如何では収益を伸ばすことも 考えられ、元々それに合わせたマウアー、モルノーの契約でしたからね。 来季の成績は今年以上に重要なものとなってきそうです。 <ロイヤルズ> 成績の割には高脂肪な編成でした。ココとか、怪我が直ればやれそうな選手をも切っていかないと 予算が確保出来ないのではないかと。調停組でもジェイコブ、バック当たりはヤバそうです。 <フィリーズ> 来季は新たな補強の必要が無いチームです。ですので、来年もリッジには悩まされ続けるでしょう(笑)。 以上、何処のチームのファンかによって目くじら立てられるかもしれませんが、
その辺は大目に見てやってください。 |
フィリーズvsロッキーズのNLDSも今日で決着が付いてしまいました。 承知のとおり極寒のデンバーで行われていましたから、選手生命に関わるような怪我は勘弁と 思っていましたから、無事終了して良かったんじゃないでしょうか。 ロッキーズとしては残念な結果に終わりました。 終盤では地区覇者のドジャースをも追い抜きそうな勢いでしたので、 場所や相手が何だろうと期待していたのですけどね。 でも、シーソゲームの連続は楽しかったんじゃないかと思います。 そのロッキーズで1・2番を任されたカル・ゴンこと、 カルロス・ゴンザレスが打率.588という驚異的な数字をマーク。 これは2000年以降のPシーズンでは2006年のジェフ・ケント(LAD)の .613(13打数8安打)に次ぐ2番目の記録です。 さらに、10安打以上という括りにしてOPS1.514というのは5番目に高い数字だったんですね。 以下、2000年以降のOPSトップ10(10安打以上)です。 この中で強烈なインパクトとして残っているのは、 2002年のバリー・ボンズと2004年のカルロス・ベルトランです。 ボンズの方はこの頃あまり中継を見る時間が無かったのでニュースでしか記憶が無いんですけどね、 初めてPOで爆発したシーズンといってよかった年でしたね。 ベルトランはさらに強烈でした。 NLDS初戦のアトランタとの対決でまずは3/3の固め打ちとシリーズ第1号。 第3戦では先制の2号アーチ、そしてダイ戦では5打数4安打の2ホーマー、5打点の大暴れ。 安打全てに打点が付く大活躍でリーグ優勝決定戦へと導きました。 そこから次のカードであるカーズ戦の4戦目まで何と5試合連続のアーチ。 盗塁も6個決めていましたから、RC的にはマニーを越えているんじゃないかと思います。 (越えてました。でも、ボンズは越えていませんでした)。 http://espn.go.com/mlb/stats/batting/_/year/2004/sort/runsCreated/type/sabermetric/order/true そのベルトランはオフにFAとなり、メッツと7年$120Mの巨大契約を勝ち取ったのは有名な話です。 それはそうと、上の選手達を見てもそうそうたる顔触れですよね。 松井もこの年は実績2年目でした。それでもこんなに打っていたんでしたね。 下の部分はディビジョンシリーズを勝ち抜いた選手達。A-ロッドの今後はOPSでも注目です。 話は戻りまして、カル・ゴンがMLBに入団したのはD-バックス。 ダン・ヘイレンらとの交換でブレット・アンダーソンらと共に2008年A'sに移籍。 さらには例のマット・ホリディを軸にした交換トレードがあったのは昨年の11月。 現クローザーのヒューストン・ストリートらと共にロッキーズに入団。 常に大物選手の交換要員として他チームからも目を付けられていた有望株でした。 デビューは昨年の内にしましたけど、まだまだメジャーの球種に追いついていけなかったのか、 打率、本塁打、盗塁共に5ツール予備軍としては少々物足りない成績に終わりました。 特にK/BBが6.23(三振が四球の6.23倍)という荒っぽい打撃は先行きに不安も感じましたけど、 6月に今季初のメジャー昇格を果して以来、主として併用カードではありましたが 未完のツールが開花。いや、爆発。 9月にハムを炒めてベンチを温める日が若干続きましたが、スタメン復帰後もそのバットの勢いは 止まりませんでした。 そして今回のシリーズでの大活躍に至るわけですが、たまらんですねぇ、こういう選手は。 ここでちょっとカル・ゴンの安打傾向を見てみようと思いますが、 比較的早いカウントで打っていますね。ファールにならず打球が前に飛ぶ。 反対にカウントが悪くなった場合、対処はまだ未知数なんじゃないかと思いますけど、 簡単ではありますが、如何に状態が良かったかということを指していたかもしれません。 また、こんな資料も。 これはですね、「スラッガー誌」の今季予想プロジェクション(元はビル・ジェームズの手帳) からOPSを1割以上あげた選手のランクを作成したものです。 ここでもカル・ゴンは10番目。 今季は長打が増えたイチローの順位まで載せています。 バートレットは反則技だな(爆)。 いずれ、D-バックスやA'sが机を叩いて悔しがりそうな選手となれば、 ロッキーズにとってのポストシーズン出場は直ぐにでも手に届くような身近なものになるやもしれません。 それくらいの大活躍でした。あっぱれ!カル・ゴン
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