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ザ・スクエア 思いやりの聖域
…美術館にとって一番の課題は?(アン)
…お金かな。(クリスティアン)
…・・・あ〜! (アン)*Photo左の表情!
この一拍とひと言がいい。英字幕だとどんな綴りにしているのか、かなり微妙なイントネーション。日本語字幕はなかったから、英字も。
クリスティアンは現代美術館のキュレーター。次の展覧会で、地面に正方形を拵えた「ザ・スクエア」という作品を展示する。その中では「すべての人が公平に扱われる」という参加型アート(インスタレーション*)で、現代社会の歪みに警鐘を鳴らす狙いがあった。だがある日、携帯と財布を盗まれて、彼がとった行動は。
インスタレーション*(英語: Installation art)は、現代美術の一ジャンル。室内や屋外にオブジェを置いて作品として体験させる芸術。(とは呼べないモノも)
瀬戸芸以前から、インスタレーションなるアートにお目にかかっているが、タイトルが付けられていても理解できず、さらに共感すらできないシロモノがある。映画で展示のメダマとした、四角形の枠(スクエア)はアートでなく、映画のためのギミック(装置、仕掛け、大道具)としか。
スクエアは、人間の本質は“自分の生存を守る”ことにあるが、そればかりだと社会生活がとげとげしい。だから他人への優しさ、思いやりを問う、そのための大道具(装置)であるという設定。
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唯一奇天烈なやり取りで、笑っていいのか怖がるシーンなのか分からなかったのが、勢いでセックスしてしまった女性記者のアンが、使用済みのコンドームに酷く執着して、クリスティアンを戸惑わせる下り。あとの修羅場を示唆しているように思わせる、ただの演出。意味を成さない演出だがオモシロイ。
とにかかく、アン役の女性(エリザベス・モス)が絶妙。斜(はす)に構えた、演技なのか素地なのかよく分からないキャラがいい。
これもインスタレーション。正装したディナーの席に、美術館側がサプライズとして“猿人(野蛮人)に扮した男”を投入して、「彼は人の恐怖心を感じ取ります、怖がらずに堂々としてください」と、野生の猿人がいるジャングルを疑似体験させようとするが、野蛮人役のオトコが暴走、遂には招待客の女性を襲う。恐怖で周囲の招待客は見て見ぬ振り。ここも前述と同じで、意外すぎてオモシロイ。
一本で三度愉しむ。難解な風刺劇だが単純に観てオモシロイ。二度目は解説、論評を読んで納得。三度目はもう一度観る。
洋画『ザ・スクエア 思いやりの聖域』(2017)
予告篇 https://www.youtube.com/watch?v=G5SebCG5muY
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