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維新から10年。
町並みも世情も変わりゆく中、いまだ江戸が残る薬研堀・九十九庵。
その庵の主は一白翁と名乗る老爺。
かつて怪異譚を集めて諸国を巡ったという、博学にして無欲なる世棄て人。
若者に乞われて隠居が語る、怪しく、悲しい昔話とは?
胸によみがえるのは鈴の音と、忘れえぬあの声・・・。
―御行奉為
第130回直木賞受賞作。
辞書並みの厚さを誇る京極作品、漸く読み切りました。
『後巷説百物語』は、『巷説百物語』『続巷説百物語』の前2作の後日談的作品。
前作までの話を若者に語り、それをベースに話が進んでいる構成の様です。
この百物語シリーズの好きな方なら直に「一白翁=百介」なのは解る作りなのですが・・・。
彼岸と此岸の狭間を漂っていた百介が、何故旅を止めたのか。
一白翁が庵を構え、何故人と関わらず生活しているのか。
読めば成る程納得です。
シリーズ最終巻。
高齢な百介への幕引きとしては、天寿の全う。
結末としては仕方なし。
それでも読後に何とも言い難いものは漂います。
ただ、「志は引き継がれるもの」的な感があり、私は嫌いじゃない結末でした。
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