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親友からメールが届く。 「ひどく悩んでいる。すぐに会いたい。」
彼女にしては珍しい事だった。
私はうろたえながら、しかし久々の再会に喜びながら、待ち合わせ場所へ急いだ。
結果は散々なものだった。目の前で泣きだした彼女に私は完全に無力だった。
そしてそんな状況下で自分を必要としてくれた事実に打ちのめされそうになった。
頭が痛くて気が遠くなりそうになるくらい考えてひねり出した答えは
どれもこれも使い道がなさそうだった。彼女が遠くに行ってしまった。少しだけ離れている間に・・・
結局彼女は自分で自分の道を選び出した。
ついでに自分の悩みを打ち明けてみた。
それは言ってみれば、目に見えない敵へまったく抵抗出来なくなってしまった事。
前に進めなくなってしまった事。恐ろしい事態。
彼女は自分の事のように、むしろそれ以上にひどく憤慨して、声を荒げた。
温厚で純粋で、少なくとも私はそんな姿を想像すらできなかった。
私にはそんな優しさは、ない。
彼女と別れるそのほんの一瞬、「笑え、笑え、」と念じてしまった。
それはこの日の私が何よりも望んだ事だった。
彼女は笑顔で手を振ってくれた。
その後一人で三時間、泣き続けた。様々な事が次々と襲いかかってくる。
彼女の優しさに触れて一気に溶け出してしまったようだった。
三時間後、知人から連絡がきて正気に戻った。
この人は、恵まれた環境に生きてきていながら人の痛みを分かち合おうとする人。
外国に行ってもわざわざ貧民街などに足を運ぶ。
今日の私の後悔を、一緒に共有しただけでも力になったはずだよ、と言った。
彼にも彼女にも遠く及ばない。私は大切な人すら救えない。
全てが意味のない事のように思えた。
机の上でああだこうだ難しい話をして、一つでも多くの知識を得たいと思う。
何も知らないで死ぬくせに。家族の事も、友達の事も、自分自身の事だって・・・
一体何が大事なんだろう。何が欲しいって言うんだろう・・・
こんな状況なのに眠ると毎日、とっても楽しい夢を見る。不気味で仕方がない。
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