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映画は13:10〜の回にした。
メールを入れる。
【明日川崎でやってた。13:10の回でいい?】
【じゃ、待ち合わせは12:30に川崎駅でどうですか?】
【オッケー。じゃ、明日ね。おやすみなさい】
【楽しみにしてますね。おやすみなさい】
寝られるわけがない。明日映画で寝ることだけは避けたい。
どうにか寝ようとベッドに横になる。
が、考えることが多すぎて眠るには至らない。
もしかしたら幻想で、実は彼のことはそんなに好きなわけではないのでは?
とかありえない現実逃避に走り出す思考。
落ちつくためにお風呂に入ることにする。読書して気をそらす。
いつもなら出来ることが全然できない。文字が上滑りする。
気が付いたら12:00を過ぎている。本当に寝なくちゃ・・・。
気が付いたら寝ていたらしい。
起きたら6:30だった。まだ眠れる。が眠気はどこかに行ってしまった。
朝ご飯を作り、食べる。食欲は落ちない。悲しいことに。
そしてシャワーを浴びて出かける準備をする。
日差しが強いので化粧もする。
別に彼のためとかじゃなくて・・・。
いつもしないくせに言い訳ばかりが浮かんでくる。
そして川崎に到着。11:00だ。早い。早すぎる。
タバコの吸えるドトールに入って本を読む。読んでいるのは≪告白≫。
何回読んでも面白い。
がやはり意識は飛びがちだ。
外で普通にデートするのは本当に久しぶりなことに気が付く。
よく考えれば(考えなくても?)不毛な恋愛だったのだと思う。
やはり彼のことが好きなんだ。変なところでまた自分の気持ちを発見する。
気が付いたら12:20だった。慌てて改札に向かう。
川崎駅の改札は混んでいた。私は人込みで人を発見できないのだ。
きょろきょろできないので諦めて待つことにする。
「おはようございます」
彼が来た。
「おはよう。よく見つけられたね」
「すぐ分かりましたよ。オレ人を見つけるの得意なんです。」
「すごいね〜。私はダメなんだ。行こうか」
微妙な距離を取りつつ映画館に向かう。
話はアンソニー・ホプキンス繋がりで≪羊たちの沈黙≫のことになった。
観たことがないという。
「アレ、3部作だよ。面白いよ!おすすめだよ」
「ホラーじゃないですよね。」
「≪ハンニバル≫はスプラッタかもしれない・・・」
映画館に到着し、チケットを購入する。誘った手前私が払う。
お金を出そうとする彼を押しとどめた。
映画は思ったよりは面白かったが、アンソニー・ホプキンスの出番が少なかった。
映画の後、帰ろうと思ったがお腹がすいたので軽く何か食べようかという話になった。
川崎ではなく都内に出ることにし、電車に乗った。
「ご飯食べたらどうするんですか?」
「?帰るでしょ。なんで?」
「帰っちゃうんですか?」
腕を掴まれた。その瞬間に冗談ではなく体を電流が走った。
「どこかに行きたいの?」
そんなことはおくびにも出さず質問を返す。
「家に行きましょう。」
・・・。体は正直だ。立っているのが辛くなってくる。
「うん。」
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