長良川のような天然遡上がある河川では遡上量がそのシーズンの良否に大きく影響します。
さて、すでに新聞報道等でご承知の方もあろうかと思いますが、岐阜県河川環境研究所(他県の水産試験場にあたります)では、長良川の天然アユの遡上予測研究を行っています。
これは、三重県水産研究所、愛知県水産試験場と共同で伊勢湾における海水温やプランクトンの状況、あるいはカタクチイワシの資源量などから天然遡上鮎の予測計算式を作成するという手法で、過去3年間はほぼ当たっています。
今春これが正式に記者発表されました。
そこで、今年の予想はというと、平年の3倍強の1300万尾余という数字が出ました。
この数字は1995年に長良川河口堰で調査が開始されて以降3番目という大きなものです。
長良川河口堰における遡上数は河口堰のホームページで発表されています。
この数字の7〜8倍が実際の遡上数とされていますので、逆算するとグラフの伸びも過去3番目ということで、実際そのようになりつつあり、岐阜県河川研の計算式は精度が高いものと言えそうです。
遡上時期は若干遅いという予報が出ており、実際もそんな感じでしたが、ここへきて川を見る限り、鮎は一杯でピカピカになってきましたので、さほど遅さは感じません。
一方、昨シーズンは、8月に入ってからエドワジエラ・イクタルリという細菌感染症が発症し、鮎の活性が低下、斃死も出ました。
近隣では、数年前に北陸の河川で発症、その後岐阜県では飛騨方面の河川で発症し、昨年はとうとう長良川でした。
渇水、高水温という環境が被害を助長する病気だそうで、去年の長良川はまさに恰好の病気の温床となったようです。
ようやく冷水病が一段落したと思ったらまた厄介な病気の登場ですが、この病気も現時点では対症療法は確立されていません。
河川間のアユの移動を行わないこと、つまり防疫に努めることが現時点での唯一の対策ということになると思います。
僕を含め、釣り人の皆さん、釣ったアユやオトリ鮎を生きたまま他の河川へ持ち込むことはやめましょう。
このままでは発症河川が一気に増えるような気がしてなりません。
一説にはこの病気は同じ河川で何年も連続して被害が出ることはないとも言われています。←裏付けはないようですが。
今年の長良川は天然遡上が好調です。この遡上鮎は放流アユよりも病気に強いと考えられます。だって、厳しい冬を海で越して、長良川の激流を遡上してきたんですから。
今年の長良川がどんな状況になるか、この点もエドワジエラ・イクタルリ感染症の傾向を見極めるための貴重なデータとなりえることと思います。
そんなわけで、まずは天然遡上は好調の長良川です。