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朝日新聞の夕刊の一面には「素粒子」という名前のコラムがあります。どうして「素粒子」などという物理的ネーミングなのかは不明です。 ネーミングセンスに恥じない、科学的な内容の記載を求めたいところなのですが… 昨年、2010年11月30日(火)の朝日新聞の夕刊の「素粒子」。 この内容は、あまりにも「失礼」なものでした。 (前半3分の1を抜粋、カッコ内は本文中ではふりがな) 失踪(しっそう)して音沙汰(おとさた)なし。断崖(だんがい)の洞窟(どうくつ)に骸骨(がいこつ)−これからこんな漢字が使えます。しかし、怨霊(おんりょう)でも出てきそうな感じだねえ。
常用漢字表の改定により、この日から一般使用ができるようになった漢字(196字)が増えた事が元ネタであるのは明らかなのですが、鍾乳洞好きとしては、ものすごーく印象の悪い文章です。 (ちなみに、追加されているのは「窟」です。念のため…) 鍾乳洞(というか、洞窟)愛好家からの「怨」念が心配です(笑)。 しかし、一般の人の鍾乳洞(というより洞窟)に対するイメージというのは、こういう何気ない、全く悪気のない文章により、形成されているような気がしてなりません。 おそらく、このコラムを書いた方も、どこかで「洞窟」に対する、おどろおどろしいイメージを持っていて、このような文章を書くに至ったのでしょうが… 同日(火曜日)の朝日新聞夕刊には「橋に願いを」という連載記事が掲載されており(連載は2010年末で終了)、皮肉にもこの日紹介されていた橋は「雄橋(広島県)」だったりします。 「雄橋」は「日本百名橋」のひとつだそうです(本当に「百○○」というのは、たくさんあります…残念ながら、"観光"鍾乳洞は国内に100はないと思います)。 それだけでなく「世界三大天然橋」のひとつという大変珍しい橋で(広島県商工労働局観光課のHPに書いてあるので間違いないと思いますが、Wikipediaには、町が勝手に(世界三大天然橋だと)言っているニュアンスの文章が書かれているのが気になります)、実際に見ると、その巨大さに、そしてそれが自然に出来たものである事に驚かされます。 (これだと、ただの穴に見えますが…(2004/09/17撮影)) (上を見ると…ちゃんと「橋」なのです(2004/09/17撮影)) どうして自分が、このような場所の写真を撮影していたのかと言いますと…このすぐ近くに「白雲洞」という鍾乳洞があるからです。 ここまで書くとピンと来る方もおられるかと思いますが、この「雄橋」は、石灰岩が川によって浸食されてできたものなのです。 これも鍾乳洞と同じ「石灰岩地形」なのです! 新聞記事によると、この橋、かつては本当に「渡っていた」そうです。 「穴好き」にも「橋好き」にも、絶対外せない観光スポットです! 記事には、近隣の見どころとして「白雲洞(鍾乳洞)」が紹介されています。 鍾乳洞は、もちろん「洞窟」の一種です。 担当者が違うとは言え…一面のコラムで、洞窟のイメージをさんざん悪く書いた後で、1ページ新聞をめくると、鍾乳洞が紹介されているって、何だか矛盾が…(苦笑) 朝日新聞社様、「素粒子」のイメージに合わせて、「白雲洞」はこのような写真にした方がよろしいでしょうか? (白雲洞の洞内(2004/09/17撮影)) 「雄橋」「白雲洞」だけでなく、この場所−帝釈峡−は、川沿いを歩くだけでも、自然に癒される素敵な「散歩道(!?)」です。 広島県に観光に行かれた際には、ぜひお立ち寄りください。 毒舌で締めくくるはずだったのが、実際に帝釈峡を歩いた時の清々しい気持ちを思いだして、さわやかに締めくくる展開になってしまいました。
朝日新聞の矛盾を、叩ける立場ではなくなってしまった…(苦笑) |
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