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鍾乳洞本というのは、別の話題がメインで、その中になぜか鍾乳洞ネタが…というのが多いのですが、今回紹介する「ニッポンの洞窟」は、鍾乳洞本に見えて実は…という、大変珍しいタイプの「鍾乳洞本」です。 タイトル・表紙からは、正統派の「鍾乳洞本」のようですが、敢えて「こんなの鍾乳洞本じゃない!」と、書いてしまいます!(断言しちゃっていいのか?) Yahoo!ブログは、長文書きには致命的な「文字数5000文字まで」の、非情な壁がありますので、今回はスペシャル企画として「総論」「各論」に分けて、批評を行いたいと思います。 あっ、タイトル「酷評」になってる…まあ、嘘じゃないし、いっか♪ タイトル :ニッポンの洞窟 出版社 :イカロス出版 ISBN-10 :4863206216 ISBN-13 :978-4863206212 発行年月日:2012/08/30(発売日:2012/07/31) ページ数等:ムック、190ページ 価格 :1,524円(税別) 洞窟の種類として、表紙で「鍾乳洞」「熔岩窟(なぜか「熔岩洞」ではない)」「海蝕洞」とある時点で、それなりの内容を、普通は期待してしまうものです。 ところが、 「第1章 神々も住まう古き歴史の舞台」 「第2章 今も行き続ける信仰と行場」 これだけで、本の約半分を占めています。相当気合い入ってます。 しかも、神社仏閣の類が大半…ちょ、ちょい待て! まあ、確かに「洞窟」には、間違いないんですが(苦笑)。 自然洞の紹介本に見えながら、人工洞の掲載が、かなり多くを占めています。 その結果、驚くべき事に、この本には、鍾乳洞空白県の神奈川県の「洞窟」が、9ヶ所も掲載されているのです。 47都道府県中、ぶっちぎりの1位!(2位は埼玉県の6ヶ所) ※おまけ:神奈川県が全国に誇れる(らしい)9つの「洞窟」 「光則寺」「顕鏡寺岩窟」「毘沙門洞窟」「江の島岩屋」「銭洗弁天」「長谷寺」「瑞泉寺」「寿福寺」「しとどの窟」 表紙で一番に謳っている「鍾乳洞」は、ようやく「第3章 自然が作り上げた神秘の景観」での紹介となります。 しかし、掲載順は「海蝕洞」→「熔岩洞」→「鍾乳洞」… きっと、鍾乳洞は大トリ扱いなのだろうと、むりやり解釈して読み進めると、なんと、鍾乳洞のトップページが、まさかの井倉洞! 写真の注には堂々と「日本三大鍾乳洞のひとつ」の文字が!(井倉洞は日本三大鍾乳洞ではありません) 見出しの「映画ロケにも使われた〜」に、深い溜息…(それって、少し離れた場所にある「満奇洞」の間違いでは?) 嫌な予感を覚えつつも、ページをめくると、いきなり鍾乳洞3ページ目で、1ページに2つの鍾乳洞紹介のレイアウトに変更。 そして5ページ目で、1ページに4つの鍾乳洞紹介のレイアウトに変更…だけでなく、信じがたい白黒ページ突入…! …で、全6ページで鍾乳洞紹介は終了。 次ページより「第4章 観光需要を掘り起こす鉱山跡の再生」「第5章 人間の営為と情熱の跡」と続きます。 ページ数的には「江の島岩屋」+「銭洗弁天」+「長谷寺」=「日本の鍾乳洞」となるようです(あり得ない!)。 掲載鍾乳洞の選定も、これまたかなり微妙です。いや、本音はダメ出ししたいです。 コラム的に掲載されている「日本の大洞窟 総延長ベスト10」の洞窟の中で、実質6つは一般人でも入る事ができるのですが、この本に掲載されているのは、第3位の「球泉洞(熊本県)」のみ。 第1位の「安家洞(岩手県)」、第2位の「秋芳洞(山口県)」は、掲載されていないのです。 安家洞はまだしも、「ニッポンの洞窟」というタイトルにもかかわらず、全国で一番知名度の高い鍾乳洞「秋芳洞」が入っていないのです! その他にも、このタイトルであれば、絶対に落としてはならないと思われる鍾乳洞(龍泉洞(岩手県:日本三大鍾乳洞のひとつ)、日原鍾乳洞(東京都:首都圏中心に考えるなら掲載すべき)、玉泉洞(沖縄県:ここも規模的に載せるべき)etc.)を掲載せず、逆に「えっ、こんなマニアックなところを紹介するの?」という鍾乳洞が入っていたり… そうか、この本の正式タイトルは「ニッポンの「穴場」」なんだ!と、自身を納得させようと思ったのですが、この本の冒頭には、 本書は、日本全国に分布する洞窟の主なものを本書独自の分類で、(以下略)
ええっと、このセレクションが「主なもの」???と、突っ込まずにはいられない一文がありまして… あれか?関西のノリか?と、思わず出版社の住所を確認するも「東京都新宿区」… どうやら、本気で選んでいるようです。 この本の最終ページには「イカロス出版・刊行物のご案内」が掲載されております。 「廃道をゆく」「廃城をゆく」「廃村をゆく」「酷道をゆく」「珍駅巡礼」「あやしい天守閣」…このタイトルを見る限り、自然系観光スポットを紹介するのを得意としない出版社に思えます。 本当は「洞窟」に詳しくない人達が、文献等を参考にして、一生懸命作成したのでしょう。 現に「洞窟取材協力・資料提供・写真提供者」の一番最後には、 このほか、多くの人たちのHPも参考にさせていただきました。
と書かれており…まさか、一般人の旅行の感想まで参考にしたんじゃないのかと、不安になってきます。 実はこの本、鍾乳洞関連ページだけでも、間違った記載が相当数あります。
いっそ、正誤表を作成しようかという気にさせられます。 …という事で、「各論(近日投稿予定)」では、鍾乳洞選定から紹介ページ中の間違い、そして、日本地理(?)を脅かす衝撃(笑激)のミスを、解説していきたいと思います。 |
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こんばんは。
突っ込みどころ満載の本のようですね。
マニアックで神社仏閣に偏っているなら、秩父札所の橋立鍾乳洞は載っているのでしょうか?
その出版社の刊行物のタイトルが気になります。廃道とか廃村とか、寂れたところが好みのようですね。
もしかして秋芳洞のようなメジャーな観光地は相手にしていないのでしょうか?(でも飛騨大鍾乳洞が載ってますね。)
私は「あやしい天守閣」というのも気になります。
Azuriteさんとしては「珍駅巡礼」は気になるところではないでしょうか?
各論もすごそうですね。楽しみにしております。ポチ。
2013/1/13(日) 午後 10:21
すごいです。Azuriteさんが編集したら、良い本が出来そう。間違いなく出来ますね。白黒はひどい( ̄▽ ̄;)
2013/1/13(日) 午後 10:50 [ - ]
バブさん、コメント&ポチ、ありがとうございます。
確かに埼玉で洞窟なら、真っ先に橋立鍾乳洞ですね。もちろん載っていません(笑)。
(バブさんのおかげで、また誤植を発見しました)
岐阜県の鍾乳洞セレクションは、それほど悪くありません。
ただ、岐阜県こそ、別の意味で「笑激」だったりするのです(「各論」をお楽しみに!)。
おそらく「廃〜」シリーズが、この出版社の得意分野だと思います。
珍駅はぜひ、駅舎のテツの方に批評していただきたいものです。
(そちらも「管轄外」で、酷評になる可能性がありますが…)
ちなみに戸塚には「田谷の洞窟」という、超マニアックスポットがあります。
そこを掲載する位にぶっ飛んでいたら、少しは本の評価が違ったかもしれません。
2013/1/13(日) 午後 10:56
ぽーさん、コメントどうもありがとうございます。
白黒は完全に萎えました…
その後の鉱山のページも白黒で、金色の鉱物も残念な写真になっています。
地学系スポット本はかなり良い本があるので、後日紹介しますね!
2013/1/13(日) 午後 11:05