全体表示

[ リスト ]

 紅蓮の炎に包まれる応天門。
「不動明王二童子像(青不動)」(平安時代 青蓮院 国宝)「平冶物語絵巻 三条夜討の巻」(鎌倉時代 ボストン美術館)とともに日本の三大火焔表現とされているこの姿をごらんください。

イメージ 1


イメージ 2


イメージ 3


イメージ 4


風上にいる人々も、その物凄さに驚いているが風下の庶民ほどではない。風上は、内裏の内側であり、官人(貴族)の人たちが多い。比較的余裕のある様子である。うしろの会昌門を背に、涼しい顔の高みの見物のような人もいる。どんな時代も同じである。

イメージ 5


そして、火災の凄惨な現場から一転して、夜の静寂の画面である。遠く火災の方を眺めているのか、後姿である。動と静、この対照はただならぬ気配である。無言の胸の内に秘められたものは?
謎のこの人物は誰なのか、これまで大論争になってきたという。人物のすぐ後ろは、絵巻の紙の継ぎ目になっており、不自然な継ぎ目であることから、後で何らかの作業が行われたと考えられている。

イメージ 6



イメージ 7 イメージ 8

                  


宇治拾遺物語には、この事件に関して「大納言伴善男は、自分の出世のため左大臣源信を失脚させそのポストを狙おうとした。そのため、伴善男が応天門に放火し、それを左大臣の仕業と天皇に讒言する。

天皇は直ちに左大臣の処罰を決定されるが、そこへ太政大臣藤原良房が現れて、十分な調査を行うよう諫言した。その結果、左大臣の無実が判明し、犯人は不明となっていったのである」と記されている。

ひとりたたずむ男は伴善男その人ではないかと最近は言われている。
清和天皇に話をしているのは、良房、簾の外で中の様子を伺っているのは、伴善男と関係が良かった右大臣藤原良相ではないかという声がある。

密室の中で、天皇に進言する良房の姿と、情報をキャッチしようとする政敵の姿。パワーオブバランスのつばぜり合いである。
ここにあるのは、「政治」というものの普遍的な姿が絵画化されているのである。

イメージ 9

清和天皇


イメージ 10

藤原良房<太政大臣>

イメージ 11


藤原良相<右大臣>(?)

イメージ 12


  
<第1巻おわり>


 

この記事に

閉じる コメント(2)

顔アイコン

写真きれいにはいってますね。記事書くの時間かかりましたでしよう。おかげさまでお勉強になりました。

2006/10/23(月) 午後 4:53 [ - ] 返信する

顔アイコン

ありがとうございます。さすがにげっそり疲れてしまいました。本日は別の軽い記事にしようかなと考え中です。

2006/10/23(月) 午後 9:24 [ アズライト ] 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


みんなの更新記事