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チャイルド44

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[ 著者のデビュー作にして2008年度英国推理作家協会賞・スリラー部門を受賞した長編小説。
1950年代、スターリン体制化のソビエト連邦。国家保安省の捜査官レオは、不審な点があるにもかかわらず、部下の息子の死を鉄道事故として片づけます。なぜなら理想国家であるソ連には“犯罪は存在しない”のだから。しかし組織内での権力闘争に敗れてすべてを失ったレオは、真の正義を求めて捜査を始めるのです。
しだいに明らかになる少年少女連続殺人事件の実像。真犯人に迫っていく主人公の執念に圧倒される一冊です。]

 という内容のサスペンス小説で、スターリン独裁体制下の当時のソ連の社会の知られざる真実の姿がこの作品の下敷きになっており、その支配の構造的恐怖が強烈なリアリティを発散する作品だった。
 52人もの少年少女が犠牲になった、実在の「チカチーロ事件」という連続殺人事件が題材になっていて、その犯人が12年間も逃げとおすことができた謎が「ソ連社会の硬直化した建前」にあったことがヒントになっている。

 作者はまだ20代のイギリスの作家、トム・ロブ・スミスという青年で、なんでもケンブリッジ大学英文学科を首席で卒業したという秀才らしい。
 卒業後、イタリアに一年留学し、イギリスのテレビの世界に入り、ドラマのシナリオを書いている人物のようだ。
 この重厚な作品はすでに世界20数カ国での翻訳が決まっているらしいが、なぜか舞台となっているロシアでは、発禁処分とされたとのこと。
 
 手に汗握る展開には、映画にぴったりなのではという感想を誰でも持つのではないかと思ったが、やはりすでに映画化も決定されている。
 圧倒的なストーリー展開と、人間の極限の場面の連続は、この作者の力量を余すところなく伝えていると思う。
 今年最高のサスペンス小説だろうという評価ももっともだと思った。
 上下巻に分かれているが、一気に読んでしまう人が多いことであろう。

 素晴らしい作品だが、個人的な好みとしては、人間の肌合いや人となりが体温と共に感じられるような作品のほうが、多少の欠陥があってもいいかなと思った。
 わたし的には、サスペンス、ハードボイルドでは藤原伊織が最高ランク。
あの独特の都会的な文体にもう触れることができなくなったことがとても悲しいと思うひとりだ。

 とはいえ、チャイルド44の結末は、不思議に違和感や残虐感がなくて、読者に満足感を与えるものとなっている。
 アクションシーンてんこ盛りのような作品より、歩く速度を感じさせる作品で、この作家の実力を味わってみたいと思った。
(週間ブックーBS2で取り上げられた作品)。

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