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*『“手”をめぐる四百字』文化出版局、2007年1月刊、A5判上製130頁、定価1680円(税込)
雑誌『季刊「銀花」』の第100号から連載が始まった「“手”をめぐる四百字」が、1冊の単行本になった。
様々な著名人が、「手」をテーマに記したそれぞれ400字(見開き2頁)の手書き原稿を、そのまま印刷するという趣向の内容で、この連載は現在も続いている。本書では、50名の肉筆原稿を読むことができる。
『季刊「銀花」』の記念すべき第100号といえば、「百の手 百の宴」と題して、13名の版画家がこの号のために新作版画を彫って、その実物を1枚ずつつけるという、商業出版の雑誌としては大変に贅沢なことを行った号であった。
ちなみにその版画家とは、藤井克彦、平岡望見、大野隆司、古川通泰、野村たかあき、吉田正樹、渡辺洋一、山田喜代春、榛葉莟子、鈴木尋士、宍戸トミ子、山室眞二、加藤昌男の13名。この号は、版元の文化出版局になくても古本屋さんで入手できるので、探してみることをお勧めする。
この第100号が発行されたのが1994年冬だから、もう12年経ってしまった。
編集長の山本千恵子さんがあとがきで書いているように、この間にワープロが普及して、更にはそれがパソコンに取って代わられ、原稿もパソコンで書く派が急激に増えた。
私の本業である校正の現場でも、今や手書き原稿は絶滅寸前と言って良いだろう。
ところが、校正する対象としてお馴染みであった手書き原稿の筆跡が一つ、この本に載っている。白川静先生だ。
「左右の手は神を呼ぶ」の題で、金文(甲骨文)文字をまじえながらの2頁である。
手元の書類をひっくり返してみると、白川先生の原稿を手にして初めて校正したのは1994年4月頃のことだ。それは先生の文字学の集大成ともいえる漢和辞典、『字通』の初校であった。
以来、先月の単行本(おそらく絶筆原稿を含む)の仕事まで、だから数えてみると13年近くになるが、その原稿は、講演録のテープ起こし原稿と既発表論文の影印複製を除けば一貫して、100パーセント万年筆の手書きであった。
いささか癖のある字だが、慣れればなんということもない。
『字通』の校正をきっかけに篆刻を習い始めたので、おかげさまで金文文字も随分読めるようになった。
先生ご本人と言葉を交わしたのは一度だけだが、原稿とは随分対話してきて、勉強をさせてもらったと思う。
昨年10月に96裁で亡くなり、あの手書き原稿と接することがもうないのかと思うと、かなり寂しい。
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ランダムから来ました、面白そうなブログですね。私は月夜の砂漠を旅する「砂の右手」という大人向けの絵本を描いてます。良かったら遊びにきて下さいね。また来ます。
2007/2/19(月) 午後 0:31 [ - ]
拝読させていただきました。安東麟
2010/2/5(金) 午後 0:48 [ gam*g*me*126 ]
ご来訪いただき、ありがとうございました。
2010/2/5(金) 午後 4:02 [ 田中栞 ]