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昨日届いた青猫書房目録で注文、購入した本のうちの1冊である。
昭和29年に元々社から発行された、民族教養新書シリーズという新書判の本。古書価は1500円である。
私は日夏マニアではないが、青猫目録の紹介コメントに、本書収載の「出版の十六等国」「探偵と文学」などの見出しが記されていたので注文してみた。
内容は、新聞などに日夏が発表したコラムを集めた一冊だが、「大学革命閑説」に始まり、「書斎の声」「読む日記、書く日記」など、本の周辺のエピソードが多々つまっている。
驚いたのは、この本が版元から書店に届いた時の、ほぼそのままの姿を保っていることであった。
昭和30年の新聞記事は前所蔵者が挟み込んだものにしても、帯はもちろんのこと、愛読者カード、元々社の売上げスリップ、そして書店から取次店の東邦書籍への発注スリップまで挟み込まれている。
極めつきは栞ひも。これも、おそらく出荷当初の状態のままと思われる。私も、栞ひもの形を崩したくない人なので、前所蔵者の性癖が手に取るように理解できるのだ。
ここまで来ると、「完本」どころか、「超完本」と言ってあげたくなる。通常、新書判1冊に古書価1500円というと高いと思われるかも知れないが、この状態でこの価格はかなり安い。
前所蔵者がこの本の中身をちゃんと読んだかどうかは不明だが(私は、買った本を読まないことの方が多いので、なんとなくそんな想像をしてしまうが)、相当な愛書家、蔵書家であったことだけは間違いない。
さて、この本、パラパラめくっていたら次のようなくだりを見つけた。
「わたくしの書室は、いつのまにやら、本が一杯になつてしまつて、もう自分でもどう動かすわけにも行かなくなつてしまつた。
わたくしの本棚は、だから背を見せて並べるやうな贅沢はゆるされず、縦に水平に一杯に突込むほかはない。
一つのエセエを書かうと思つて、参考文献が二、三あたまに浮んでも、それをそれと取り出すことが容易ではない。大体のけんとうは勿論ついてゐるけれど、何それがどこにあるかがかいもく判らない。その内にエネルギイがおとろえて了ふ」(「水平に突込む」より)
タイトルからしてイイ感じだが、きっと前所蔵者も、この文は一読して気に入ったに違いない。
〜〜〜〜〜〜〜〜・・ご・・案・・内・・〜〜〜〜〜〜〜〜〜
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日夏耿之介で1500円は安いですよ
ってちゃんと知らないけど
以前は自宅近くに「良心的」な古書店があって
神田では3000円位する、戦後のまあ貴重な本だが
現在はなんの価値もない粗悪な本が
ここでは500円くらいで売っていました
だいぶ世話になりましたが
ご夫妻とも高齢で引退
でもこの1500円は安い
2008/6/25(水) 午後 8:32 [ yko*t ]
日夏はファンが多いので、私など最近復刊のものくらいしか手に入りませんが、確かになぜかそそられる本が多いです。
古書で見かけても、「私が手を出すべき本ではない」と、結構自分に言い聞かせつつ踏みとどまっています。
2008/6/25(水) 午後 11:15 [ 田中栞 ]