田中栞日記

「かわいい豆本づくり」ヴォーグ学園東京校/横浜校・途中受講できます

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 古書目録で刊本作品『KAGEYA(武井武雄刊本作品No.72
昭和4212月発行)を買う。
 この本は、暮れに発行した日本豆本協会会報『豆本手帳』
2号「武井武雄刊本作品特集」で、稲山ますみさんが
「私の好きな刊本作品」と題して紹介している1冊でもある。
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 木口木版で彫刻刷摺された美しいアルファベット文字が
特徴である。
 一見、「英語で書かれたものを読むのは面倒くさい」と
思われる向きもあるかもしれないが、これは英語ではなく
ローマ字表記。言語は日本語なのだ。
 周囲の装飾模様も、これまたもちろん武井さんが
描き起こしたもので、「日本のケルムスコットプレスか!」
という緻密な美しさである(ちょっと大げさ?)。


 いつもながら、モンダイは造本構造である。
 なにしろ開きが悪い。これは既にたくさんの人が言っている
ことなので、ここでまた取り上げるのも何なのだが、それにしても
開かない、それがあまりに甚だしいので、ついぼやきたくなる
開きの悪さよ。中の印刷面が美しいだけに残念この上ない。 

 木版刷りなど、美術的な印刷を行う場合、片面印刷しか
できないため(つまり、両面刷りにしようとすれば、
2回目の刷りの際、すでに刷ってある面をバレンで
擦らなくてはならないから)、本文紙が外オモテの二つ折り
または中オモテの二つ折りにするしかない。これはまあ
仕方がない。
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 本書は外オモテの二つ折りで、これを製本しようと
すると、ぶっこ抜きで平綴じ状態になる。

 本文紙が柔らかい和紙であればしなやかに開くのだが、
腰の強い硬い紙だと、本文部分が2枚重ねになっていることも
あり、めくりにくいし開きにくい。これはもう「紙」というより
「板」に近い感触である。

 ハードカバーにすることで、開きの悪さは極限に達する。
本を閉じている状態はいいのだが(外装は洋装の顔を
しているので)、開いてみると、くるみ表紙と本文紙の括が、
およそ別人格のように乖離する(ように私には見える)。
「開きたいけれども開かない」というその状態が、美しくないのだ。

 洋装ハードカバー表紙と、和本の構造である本文部分を
無理矢理合体させているので、こういうことになる。
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 ぶっこ抜きの綴じ部分を隠す必要もあってか、見返しと
本文ブロックの外側との糊付け寸法も広くて、ここもまた
開かない。


 刊本作品は専門の職人集団で制作していたのだから、
こうした製本の面でも研究を重ねて、この問題点をクリアする
新しい製本構造を開発してくれればよかったのだが、そこに
情熱が注ぎきれなかったのは残念でならない。
 
〜〜〜〜〜・・ご・・案・・内・・〜〜〜〜〜〜

  …本かがり上製本・和本など4冊作ります

2013224日(日)朝〜晩、製本三昧!
放課後講座*『泉孝次蔵書票作品集』の折本ワークショップ
 
  …豆本を6冊作ります
2013127日(日)朝〜夕、豆本三昧!
放課後講座*消しゴムはんこワークショップ
 
*ワークショップ1日丸背豆本&函教室
  …憧れの丸背豆本とリボン付きの貼函を作ります
201323日(日)朝〜晩、豆本三昧!
 
*ワークショップ1日和本教室
  …和本2種(麻の葉綴じ・綴葉装)と帙を作ります
2013211日(月)朝〜晩、和本三昧!
………………………………………………
蒲田産経学園〈東京・蒲田〉豆本教室
 2013年2月2日(土)和本2冊(亀甲綴じ&麻の葉綴じ)
 2013317日(日)版画入り豪華折本
 201346日(土)和本2冊(亀甲綴じ&麻の葉綴じ)
吉祥寺産経学園〈東京・吉祥寺〉豆本教室
 2013427日(土)布表紙のハードカバー豆本と1枚の紙で作る豆本3
………………………………………………
通信講座「消しゴム版画を楽しむ」朝日カルチャーセンター
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閉じる コメント(2)

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田中 栞さん

私も、ペラ製本、二つ折り製本などなど手がけて
おります。紙の目を縦目で製本すれば、そんなに
開きにくくはならないと思います。
分厚い紙はべつですが、もし横紙の場合いは印刷
を片面にして袋トジ「大福帳」の様に製本すれば
いがいと開きやすいと思います。悪しからず。

2013/1/23(水) 午後 5:49 [ フウテンの猫 ]

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コメントありがとうございます。
紙の目については、クリアしていることを
前提としております。

開きの良し悪しにかかわるもう一つの条件は、
本文紙の横寸法(綴じ目から用紙の前小口へりまでの寸法)だと
思います。

おそらく、フウテンの猫さんが手がけていらっしゃる本は
ある程度大きな本(普通サイズの本)なのでしょう。
刊本作品は小型本が多いのです。
小さな本は、綴じ目から用紙の小口までの寸法が短いため、
開きやすい本を作るのが難しいです。

横長本にすれば、この点、いくぶん
ごまかしはききます。
洋紙で作る和本形の本の場合、
横本にすると開きが良い感じになりますが、
これは一種の錯覚ですね。
大福帳の構造も、このひとつだと言えます
(綴じ目から用紙の前小口へりまでの寸法が
長いですから)。

もうひとつは、くるみ表紙をつけてハードカバーにして、
なおかつ開きの良い本に作ることが難しいということを
書いているつもりです。

これがクリアできる方法があったら、画期的だと
思います。

2013/1/23(水) 午後 11:56 [ 田中栞 ]


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