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週明けにようやく仕事が一段落し、ものすごく久しぶりに
仕事部屋の片付けをする。
別に、本の山が大規模な雪崩を起こしたわけでもなければ、
「きちんとしなきゃ」という掃除心がかき立てられた
わけでもない。
「光」の工事が来るというので、壁の配線部分が埋もれた
ままではマズイだろうということと、「おそらく工事の人が
部屋に入るだろうな。壁際で作業できる空間がないと
いけないだろうな」と思ったのがその理由である。
ゴミ袋3袋分の不要品(ほとんどが紙類)を出し、
ドアから机(壁際にある)まで、人が通れる道が
なんとか出現したところで工事車両到着。うーん、
もう少しガラクタの山を低くしたかったのだが……。
片付けをすると、いつも何かしら「お宝」が
発掘される(買ったことなどすっかり忘れていて、
「あら、私、こんな面白そうな本持っていたのね」的な、
発見の喜びを味わうひととき)。今回は大型本は
あまりなく、雑誌類がいくつか。
画像の『書誌學』は、昭和43年から45年の間に
刊行された不揃い7冊。何年か前、週末の東京古書会館展で
買ったものとみえて、1冊200円の安さである(波多野書店)。
この雑誌は、書誌学者・川瀬一馬と長澤規矩也が
昭和初期に設立した日本書誌学会の機関誌として
発行されていた研究誌。その筋の専門家先生たちが、
書誌学的見地から学術的な論を披露展開する場である。
これ、中の組版が神保町の共立社印刷所という、
知る人ぞ知る活版印刷所で組版印刷されたものである。
特殊な文字の活字を大量に有するだけでなく、
その刷りの美しさたるや、まさに職人魂の発露、
という紙面を作る印刷所で、長澤先生がたいそう
贔屓にしていた(と聞いた)。旧漢字旧仮名組の活字が
整然と並ぶ様子は、本当に美しい。
今、内容について云々するつもりはないが、論文の
タイトルをつらつら眺めていると、ひとつ気がつくことが
ある。旧字組ということもあって、必然的に、画数の
多い漢字が並ぶので、紙面がやたらと黒っぽくなる。
表紙の目次部分を見ても「刊本の字様の類似と刊年との
關係(長澤規矩也)」「知見所傳洒落本紹介(中野三敏)」
「遊仙窟の飜譯について(足立雍子)」「唐招提寺
律宗戒學院経蔵目録(川瀬一馬)」「池田可軒の
舊蔵書(岡田祐子)」「神奈川縣郷土資料中の異種異版の
二、三(長澤規矩也)」といった具合に、題名の中に
平仮名はといえば「の」とか「について」くらい
しかない。
そんななかでひときわ異彩を放つ題名がある。
それが長澤先生の次の記事名である。
「「西海雑志」は松浦竹四郎の作ではあるまい」。
これは、『書誌學』復刊第13号(昭和43年7月発行)に
掲載された一文の、れっきとしたタイトルである。
長いうえに、末尾の「ではあるまい」という、
およそ論文題らしからぬ言い回し&平仮名の連続。
論文というほど長くはない記事なのだが、それにしても
違和感があり、目立つ。
密度の高い旧字組の中にあるものだから、この文章が
収録されている『長澤規矩也著作集』を見たときにも
思ったが、この平仮名のところについつい視線が
引き寄せられてしまう。
いまだにこの文の内容は知らないのだが、以上の
ようなわけで、この文のタイトルだけは約20年もの間、
私の目に焼き付いて離れないのであった。
〜〜〜〜〜・・ご・・案・・内・・〜〜〜〜〜〜
…豆本を6冊作ります
2013年3月23日(土)朝〜夕、豆本三昧!
放課後講座*消しゴムはんこワークショップ
…本かがり上製本・和本など4冊作ります 2013年3月24日(日)朝〜晩、製本三昧!
放課後講座*『泉孝次蔵書票作品集』の折本ワークショップ
…憧れの丸背豆本とリボン付きの貼函を作ります
2013年5月5日(日)朝〜晩、豆本三昧!
…和本2種(麻の葉綴じ・綴葉装)と帙を作ります
2013年5月6日(月・休)朝〜晩、和本三昧!
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朝日カルチャーセンター湘南〈神奈川・藤沢〉
2013年3月17日(日)版画入り豪華折本
2013年4月6日(土)和本2冊(亀甲綴じ&麻の葉綴じ)
2013年4月27日(土)布表紙のハードカバー豆本と1枚の紙で作る豆本3種
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*田中栞の「豆本・製本ワークショップ」予定表
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古本屋と古本
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