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前回会ったのは東京製本倶楽部の企画で工場見学させて
もらったときなので、20年ぶりくらいになると思う。
宮田さんは当時から、機械製本の会社の社長であると
同時に、伊藤篤さん(製本家)のもとで手製本も学んでいて、
両方を熟知している稀有な存在であった。
しばらく交流が途絶えていたが、先月、宮田さんから
たまたま日本豆本協会への入会申込み葉書が届き、
久しぶりに電話でおしゃべりをして、その勢いで
会社を見学したいとお願いしてみた。
今回見せてもらったのは宮田製本所の工場ではなく、
宮田さんと懇意にしている会社3社で、場所は
小竹向原駅からすぐの場所である。
最初に訪れたのが大進堂で、丁合以降の工程全般を
行っている。丁合の機械(上の画像)は、同様のものを昔見た記憶がある。
ここで作業していた本は、あじろ綴じの角背で、フランス表紙風の
ちりのある「くるみ表紙」を取りつけたもの。
興味の対象は背貼り部分の構造と接着剤である。
使っていた接着剤は白いもので、最初、ホットメルトかと
思ったがそうではなく、「サクラノール」というボンド系の
接着剤。
熱で熔解するのではなく、塗布した後、熱をあてて
乾燥させている(下の、赤く見える部分のある画像が、乾燥の工程)。
宮田さんのところではPURという新出の
接着剤も使っているが、今回の作業ではこれは使用して
いなかった。
出版物により、またクライアントの要望により、
どういう仕様で製本するか、そのつど決めているようだ。
表紙付けを行った後、締め作業がダブルでできる
年季の入った機械でプレスして、できあがり。
次に訪れたのは折りの作業をしている会社であるが、
これについては次回書くことにして、最後に訪れたのは
星共社である。
ここは『聖書』なども手がけており、昨今では珍しく
上製本を作ることも多い製本会社のようだ。現場で
立ち働く人たちはほとんどが年配のおじさまで、
いかにもな熟練の職人集団。
今回見せてもらえたのはソフトカバーの丸背上製本(角丸)で、
スピン(栞ひも)が2本も入っている。
そして、ここの背貼りで使用している接着剤は、
なんとニカワであった。折丁の背に塗布した後、
寒冷紗や背貼り用紙(エンボス加工したクラフト系の檀紙)、
花布と地券紙も、全部ニカワで付けている。
表紙付けの終わった本を、ぐっと開いて見せながら、
「このほうが柔らかく開くんだよ」と言う。
機械製本といえばホットメルトかPURだとばかり
思っていたのが、今回見ることのできた現場では
両方とも違う接着剤が使われていた。
当たり前のことだが、そのとき入った仕事によって、
製本仕様による判断はもちろんだが、ちょうど
タイミング良く使える機械という兼ね合いなど、
現場の事情や効率も決定要素に加わる。
「一概には言えないのだな」と、今更ながら認識を
新たにさせられたのであった。
〜〜〜〜〜・・ご・・案・・内・・〜〜〜〜〜〜
…豆本を6冊作ります
2013年6月8日(土)朝〜夕、豆本三昧!
放課後講座*消しゴムはんこワークショップ
…本かがり上製本・和本など4冊作ります 2013年6月9日(日)朝〜晩、製本三昧!
放課後講座*『泉孝次蔵書票作品集』の折本ワークショップ
…憧れの丸背豆本とリボン付きの貼函を作ります
2013年11月23日(土)朝〜晩、豆本三昧!
…和本2種(麻の葉綴じ・綴葉装)と帙を作ります
2013年11月24日(日)朝〜晩、和本三昧!
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朝日カルチャーセンター湘南〈神奈川・藤沢〉
2013年7月7日(日)消しゴム版画で手ぬぐい作り(大小2本作成)
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*田中栞の「豆本・製本ワークショップ」予定表
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