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本づくりについての入門書はこれまでにも色々と出版されているが、このたび、とてもユニークな本が出た。
*yojohan『Petit Book Recipe プチブックレシピ』(毎日コミュニケーションズ、2007年7月)
A5判変形127頁、ほとんどカラー、定価・本体1700円+税
既存の本は、製本技術の指導が主眼だったが、本書は「どんなに楽しい本が作れるか」、具体例を紹介しながら見て読んで楽しめる1冊になっている。
本づくりの流れは、内容を決めて、台割(本書では「サムネイル」と表示)を作り、組版レイアウト、プリント、綴じ、パッケージ仕上げ……と、つまり従来の製本にあたる「綴じ」の部分は、比重がとても小さい。というか、あまり難しい技術は必要ない形で仕上げている。
ここで紹介される本は、「スティックつき/スイーツのレシピブック」(アイスクリームの棒つき)、「1枚ずつ引き出して読む、ティッシュブック」、「手さげバッグ形/カバンの中身カタログ」、「ランチボックス入り/折本型お弁当ダイアリー」、「紙コップ入り/コーヒー豆形の本」、「キャンディー形/巻物ダイアリー」などなど。
本というよりは冊子形カード、という感じだが、どれもかわいいではないか。
私が一番気に入ったのは「ランチボックス入り/折本型お弁当ダイアリー」。お弁当箱をあけると、中身が折本状態でわらわらと出てくるもの。これ、ランチボックスにきれいに納まるように、ちゃんと本文紙の四隅を丸くカットしたり、ボックスの外側には帯をつけたりして、結構手間がかかっている。
私がもし作るとしたら、もうちょっとしっかりしたお弁当箱に、厚めの用紙で作った本文紙を納めるだろうけれど、今の若い人たちはこういうお手軽仕上げのほうを好むんだろうな。糊付けに両面テープを使うのだけは、避けて欲しいところだが……。
1点制作ものの作品を作るというのではなく、どちらかというと複数冊作ってネットやイベントで売る、という方向性だろう。
本書の巻末には、販売価格をつけて売る方法や、ネット販売での注意点などについても記されている。作るだけでなく「売る楽しみ」まで含めるところが、これまでの「製本入門書」とは大きく違うところ。
いずれにせよ、従来の書物とは違う発想の作品が生まれるのは喜ばしい。
特に、本の世界の人ではない人たちに、こういう本をどんどん見てもらって、ブッ飛んだ書物作品を作り出してもらいたい。
構造的に難のある部分もあるだろうが、それはいくらでも改良できるし、技術も後からついてくるものだから。
〜〜〜〜〜〜〜・・ご・・案・・内・・〜〜〜〜〜〜〜〜〜
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