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先日、国会図書館へ行った時のことだ。
後日郵送の複写依頼カウンターで順番を待っていたら、私の前のおばさま利用者が、複写を依頼している資料に関連して「××について調べているんだけど、ここには△△なんかもあるのかしら」と、質問するでもなく呟いたところ(確か、音楽関連だったと思うが)、たまたま複写受付の処理をしていた年配の男性が、「○○という特殊コレクションがあって、××室の右奥の壁にたくさん並んでいますから、ぜひ行かれるといいですよ。それから、……」と、関連する調査方法までやたら詳しく親切に教えてあげていた。
中央カウンター右脇の案内所ではなく、複写受付でこんな案内をするのは、厳密に言うと逸脱なのかも知れないが、一利用者の私としては有り難いことだと好感を持った(というか、白状すると「ああ、あの人はよく知っている人なんだな。顔を覚えておこう」と思った)。
国会図書館のサービスは、かなりくっきりしっかり「ここまでしかやらない」と線引きされていそうだが、この対応を目撃する限りにおいては、図書館員がやることについて、ある程度はそれぞれの館員が臨機応変に判断していい、と任されているように感ずる。
もちろん、図書館員も人それぞれだから、必ずしも案内所に座っている人に質問したからといって、こちらの求める返答が返ってこないケースもある。人間なんだから当然だ。
今日届いた「本のメルマガ」No. 351に掲載の、田圃兎さんの連載「図書館の壁の穴」第25回「図書館の平等について」で知ったのだが、名古屋市緑図書館に勤務する田中敦司さんが執筆した「図書館は利用者の秘密を守る−カウンターで感じた素朴な疑問から−」(『みんなの図書館』2008年2月号掲載)に、「図書館員は、本当は、こういうことはしてはいけないのよ」というような、興味深い記述があるようだ。
孫引きで恐縮だが引用する(以下の引用文において、勝手ながら改行は田中栞が行ったものである)。
………………
毎日のようにカウンターについていれば、常連のかたの読書傾向はだいたいつかめてくる。
新刊図書を購入するときに、「この本を買えば、あの人とあの人は借りていくだろう」くらいは想像できるようになるし、またそれが利用を前提にした選書だと言える。けれども、ここで購入した本が図書館に入ってきたときに、想定していた常連のかたに「こんな本が入りましたよ」とは言えないことである。
なぜなら、その本を読みたい人の中で、たまたま自分の知っている常連にだけ、「特別に」情報を教えることになるからである。
利用者にしてみれば、こうした優遇措置があるなら受けたいという人もいるだろう。しかし、誰に対しても、平等でなければならないのが、図書館であり、図書館員である。
………………
記事には関連する法律の条文も添えられていて、正論だというのはわかる。
しかし、私は思うのだが、図書館員の仕事にはレファレンスという、利用者にアドバイスする「仕事」も確固としてあるわけだ。
私みたいに図々しい利用者になると、「館員の人が親切心を起こして教えてくれる」のをおとなしく待つなんてことは一切せず、些細なことでもすぐに質問してしまう。
というのは、たとえ常連であっても、一利用者の想像を超えるようなことは山ほどあり、レファレンスカウンターで聞いてみると、すごく役立つ利用テクニックが判明したりするからなのだ。
特定の調べ方の相談というのではナシに、常連なら顔見知りの図書館員に「何かお薦めの本は入っていませんか」と質問すれば答えてくれるような気もするが、それとも、そういう個人的な質問には答えられないという禁止事項もあるのだろうか。
田中敦司さんの勤務先は、地域密着型の公共図書館のようだ。
経験豊富な図書館員であればあるほど、「この利用者にはこの本が役に立つ」とわかる機会も多いはず。調べものとお気に入り本の案内とでは別、と言われるかも知れないが、その線引きこそ微妙だと私は思う。少なくとも、私にはその区別がわからない。
地域の人々と毎日顔を合わせる図書館の館内で、利用者にそれを告げるのをガマンしなくてはならないなんて、多分に忍耐が必要であるに違いないと思う。
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