田中栞日記

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嵐の出張校正〜その1

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 絶対無理だ、どう考えたって、終わるはずがない。
 しかし、新聞広告と見本搬入の日程が組まれているので、
17日一日で全部校了にしなくてはならないという。

 特別に校閲を頼んだ方から毎日、30頁、20頁、というような
単位で1日2回、大量の指摘と提案のコメントが書き込まれたゲラが
少しずつ届いていたが、それもまだ第3章までしかupしていない
のだ(第4章が、本文の最終章になる)。内容に踏み込んだ指摘が
入るので、どうしたって修正が多くなる。
 校閲を頼んだ人物というのは、実はもともと
青土社の『ユリイカ』編集長として、この『書肆ユリイカの本』を
企画として青土社に通してくれた方だった(現在は退社、フリー)。
したがって内容に詳しいのはあたりまえで、私が詩や詩人について
無知なために書き落としたり見当違いなことを書いていたりする
部分を、見事に軌道修正するという、重要な赤字入れになっているのだ。

 この赤字を反映させなくては、本書を世に出すことはできない。
 連日徹夜で内容校閲をしてもらってきたが、出張校正日の朝を
迎えても第4章がまだ残っていた。印刷所での修正確認作業がどうせ
午後までかかるので、途中段階で校閲のKさんからゲラを受け取る
ことにして、とにかく17日は朝から印刷所に行き、出張校正に入る。

 最後の作業を印刷所でやることは、ゲラのやり取り時間をなくす
ことにつながるので、最終段階に印刷所内の一室で校正作業をする
ということはよく行われる。
 したがって、社内に「出張校正室」という小部屋があるのが普通
である。この印刷所(八丁堀から徒歩5分)にも、そんな部屋が5つほど
並んでいて、その1室で編集部長のNさんと作業を行うことになった。

 第3章までの赤字が訂正されたものが、章ごとにできあがっては
部屋に届けられる。
 Nさんがチェック後、私が確認して仕上げていく。同じ章の校正刷りが
何度も出るので、校正紙がうずたかく積み上げられていく。

 途中、雑誌『ユリイカ』の表紙絵を描いている画家の名前が
「浜田伊都子」となっている箇所があり、そういえば別の箇所で
「浜田伊津子」という表記もあったと気づく。
 Nさんが編集部に電話して辞典を調べてもらうが、どっちの表記が
正しいかわからない。出張校正で困るのは、手もとに資料や現物が
ない状態で疑問点を解決しなくてはならないことである。
 この雑誌の現物は自宅にある。自宅に電話するが誰も出ないので、
娘の携帯に電話。案の定、部屋で寝ていた。ユリイカ本が納められて
いる10個ほどの段ボールの中から、この雑誌を探し出してもらい、
問題の号を見てもらう。たたき起こされて不機嫌な娘だったが、
「都」になっていることを確認してくれた。
 この雑誌に描いた3回分は、通称とは違う筆名(画名)になっているようだ。
 しかたがないので画名の「都」の部分に「ママ」(原本の表記通り)
というルビを付ける。

 午後4時半。校閲のKさんの作業がまだ終わらないので、第4章の
できあがったところまでを印刷所のFAXに送信してもらう。その指摘を
読みながら、戻しゲラに反映させる赤字を記入していく。
「絶対に終わらない」という思いを頭の片隅に抱きながら、夕方を迎える。
 印刷所が用意してくれた夕食が届く(お昼ごはんもお茶も、全部
印刷所が出してくれている)。
 午後6時半、校閲のKさんから、第4章の残りが届く。本文はとにかく
最後まで処理できそうだ。
 
 夕食に手を付ける間もないままに、作業に没頭して午後8時。
 印刷所の担当さんと、今後の段取りを相談する局面に至る。
 松戸にある印刷工場が、18日の朝から印刷にかかるべく印刷機を
スタンバイしているので、今晩中に組みを仕上げなくてはならないという。
「今晩中に」って言ったって、あとがきの改稿はしていないし、
「書肆ユリイカ総目録」は校正していないし、「索引」にいたっては
編集のNさんが作ってくれただけで、私はノータッチというおそろしい
状況だ。これで一体どうしろと……。

 とにかく、待ってくれそうにないので、できるところまでやるしかないと
腹をくくり、印刷所内で、あとがきの改稿をすることに決める。
 本書のあとがきは、ある本の調査経緯を記したものだが、あとがきのデータを
入稿後に、決め手となる本が見つかったことで、結末を書き足さなくてはならない
という、厄介なあとがきであった。文章が大幅に増えるので、とても手では
書いていられない。
 組版オペレーターの皆さんが作業している部屋に行き、Macを1台借りて、
改稿部分のデータをワード入力する。私は相変わらず、キーボードにある
平仮名を連打しては平仮名文字入力するという方式である。与えられた
キーボードは、文字入力に使用していないとかで、「ろ」「へ」「ー」など
右端の文字が、キーを打ってもその字が出てこないので難渋する。
 七転八倒しながら、とにかく改稿部分の文字入力が仕上がったのが
午後10時半であった。

 出張校正は17日一日だけという予定だったが、最終の第4章の部分の
確認作業と、本文以外の作業が残ってしまったので、18日にも
持ち越しとなる。
 18日朝から本文の刷りにかかり、残りの部分はその後、追っかけてという
進行になるようだ。
 朝までに「出版総目録」と「索引」をなんとかしなくてはならない。
 私たちがここに居残っていると、印刷所の皆さんが家に帰ることができない
ので、取りあえず大量のゲラを袋に詰め、引き上げることにする。 
 
 八丁堀の駅までの道すがら、Nさんと本書の販売戦略について話していたが、
当初からお願いしていた本書の製本仕様について、ここへ来て「日程的に難しい
ので、糸かがりでは作れない」という衝撃の宣告を受けることに。そんな馬鹿な……。
 出版の告知どおりに制作が進まず、延びに延びてきたことで、この段階で
製本所に「あじろ無線」より工程が2日余分にかかる「糸かがり」をさせると、
8月24日の販売のための見本搬入が間に合わないことになると言うのだ。

「製本にうるさい田中栞の本が、糸かがりではない」となったら、一体どんな
リアクションが来るか、それに東京製本倶楽部の皆さんや愛書家の方々に売り込もうと
計画していたのも、すべて中止せざるを得なくなる。これにまつわる状況を
あれこれ想像しただけで目眩がする。なんとかならないのか……。
 八丁堀の駅ホームで30分にわたりNさんと押し問答するが、打開策は見つからない。
 終電が到着したので仕方なく乗車、思いのほか混雑する車内で総目録のゲラを
眺めながら、暗澹たる気分で帰路につくのであった……。    〜この項、続く

〜〜〜〜〜〜〜・・ご・・案・・内・・〜〜〜〜〜〜〜〜
*ワークショップ「1日製本教室」
…本かがり上製本・和本など7冊作ります
2009年9月6日(日)朝〜晩、製本三昧!
消しゴムはんこワークショップあり!
http://blogs.yahoo.co.jp/azusa12111/34777498.html

*ワークショップ「1日豆本教室」…豆本を4冊作ります
2009年秋(日程調整中)朝〜夕、豆本三昧!
http://blogs.yahoo.co.jp/azusa12111/41409123.html

*通信講座「消しゴム版画で蔵書票」朝日カルチャーセンター
http://www.asahiculture-tsushin.com/koza/#G7
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