田中栞日記

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『校正のレッスン』

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 大西寿男さんの新著『校正のレッスン』(出版メディアパル、
20117月、A5128頁、定価1200円+税)が出た。
 前著『校正のこころ』(創元社、200912月、
2100円(税込))の姉妹編ともいうべき1冊である。

『校正のこころ』が、校正とは何か、校正者とは
どういう立ち位置の存在なのかといった「校正論」で
あったのに対して、本書は、実際に現場で仕事をする
初心者に向けての実践的な入門書になっている。

 本書の核となる「校正10のレッスン」では
赤字の入れ方、表記統一、事実関係の調査、差別表現の
チェックなど、校正作業の必須要件についてやさしく指導し、
後半では、デジタル時代の校正や電子書籍の校正についてなど、
新時代の校正作業について、大西さんならではの校正論が展開されている。
 
「校正10のレッスン」の最後には、「チームワークと
コミュニケーション」という項目が立てられている。
 校正の実作業については、従来のどの校正技法書にも
記されているが、実際にこの仕事をしていると、誤字脱字
誤記のチェック、違和感のない日本語文・日本語組版に
するための提言といった基本作業と同じくらい、担当者との
やり取りが重要だといつも思う。
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 書物が11つみな違うように、校正も一律にはいかない。
 校正者の勉強会やネットの質問コーナーで、「これは
どうするのが正しいんでしょうか」と尋ねる人がよくいるが、
その種の内容は、たいてい仕事の担当者と相談すれば
解決する問題がほとんどである。
 明らかな誤字脱字誤記については、入朱またはエンピツの
疑問出しをするが、それ以外の事柄については、どうするべきかの
答えは仕事を依頼してきた担当者が握っている。
 
 ゲラ全体に関わるような組版や字体、表記方針についての問題は、
あれかこれかと個別にゲラに書き込んでいたら、
エンピツだらけになってしまう。
 出版の現場は忙しい。指摘が多いゲラは、校正者本人にとっては
達成感のある仕上がりであるかも知れないが、数百頁にもわたって、
編集担当者におびただしいエンピツ書きを
判断させなくてはならないなど、不親切きわまりない。
全部にちまちまと指摘を入れる前に、担当編集者に
相談するべきである。
 
 字体ひとつを取っても、出版社・編集担当者・著者により、
様々なお好みがあって、方針がみな異なる。
 また、同じ編集担当者であっても、「お話初出でルビも
入れて」と頼まれたり、「今回は特急なので、この件は
スルーして」と指示されたりすることもある。出版の状況は
1点ずつ異なるので、それぞれに応じた対応をすることが
求められる。
 校正に限らず、仕事というものはすべて、依頼主の望む状態に
仕上げるのが当然である。「全力を尽くした会心の自信作」で
あっても、クライアントの要望に添わない出来では、迷惑を
かけることにもつながり、また、こういう独りよがりな仕事を
したのでは、次回の仕事依頼は来ないと思った方がよい。
 
 校正の方法(方針)が一冊ごとに異なるということはつまり、
校正というのは「正しい方法」は一つではない、ということである。
 校正の仕事は、出版業務の中の一工程にすぎない。
「こうしたほうが、より良い本になる」という、クオリティを
上げる提案も大事だが、自分の校正刷りをもとに次に作業する人
(組版担当者、著者・編集者)がいるということを忘れてはならない。
 丁寧な仕事をして指摘を山ほど入れたと言って、喜んでいる
ようでは、ただの自己満足である。次の作業者の実務が軽減される
ような仕事をしてこそ、プロと言うべきだろう。
 
 本書『校正のレッスン』の中に、大西さんの実体験として、
自著のゲラに別の校正者からの「重箱の隅をつつく」ような
指摘があったことがある、というエピソードが載っている。
 校正者は、自分で文章を書く際、「自分で校正できるから
良いですね」とよく言われるが、これはとんでもないことで、
自分の書いた文章は自分で校正できない(これを俗に
「自力校正はできない」と言う)。
 大西さんの本の校正ができる校正者とはどういう方なのか、
大変興味があるが(こういう著者のお眼鏡にかなうのは
並大抵でないことは確か)、さぞかしやりにくかったことだろう。
 完全原稿に近かったために「重箱の隅」のような
指摘くらいしか入れられなかったのでは? とも思うが、
表記統一のような全体に関わる事柄については、指摘を
入れる前に相談すると良かったのではないかと思う。

「本づくりはチームワークであり総合芸術です」という
大西さんの言葉は、そう難しいことを言っているのではない。
校正の仕事は、それだけで完結している作業ではなく、
一つの出版物を作り上げる一員としての作業である
ということである。
 多くの専門家とともに、一つの出版物をより良い形で
世に出すための仕事だということを忘れてはならない。
 
〜〜〜〜〜・・ご・・案・・内・・〜〜〜〜〜〜
 
夏期、計画停電が実施されるおそれがあるため、
自宅教室の開催日程は検討中です。
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蒲田産経学園〈東京・蒲田〉豆本教室
2011年7月24日(日)布表紙のハードカバー豆本  
      *オマケ講座 1枚の紙で作る豆本いろいろ
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2011年9月10日(土)布表紙のハードカバー豆本  
      *オマケ講座 1枚の紙で作る豆本いろいろ
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  …本かがり上製本・和本など5種類作ります

20119月?(日程調整中)朝〜晩、製本三昧!
放課後講座*『泉孝次蔵書票作品集』の折本ワークショップ
 
  …豆本を4種類作ります
20119月?(日程調整中)朝〜夕、豆本三昧!
放課後講座*消しゴムはんこワークショップ
 
*ワークショップ1日丸背豆本&函教室
  …憧れの丸背豆本とリボン付きの貼函を作ります
201111月?(日程調整中)朝〜晩、豆本三昧!
 
*ワークショップ「1日和本&帙教室
  …和本2種(麻の葉綴じ・綴葉装)と帙を作ります
201111月?(日程調整中)朝〜晩、和本三昧!
 
  朝日カルチャーセンター
 
 
*ブログ「本好き101人の森」も更新中
  in「本のある時間」/「豆本の展示販売
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