田中栞日記

「かわいい豆本づくり」ヴォーグ学園東京校/横浜校・途中受講できます

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 明治大学リバティアカデミーの雪嶋宏一さんの
講座「西洋古版本の手ほどき」2回目に出席する。

 本日はヴェネツィアの書籍販売の実際を、いくつかの史料から読み解いた。
 その史料というのは、15世紀に商店を営んでいたフランチェスコ・
デ・マーディの日誌(販売品目の中に、書籍がある)、16世紀の
出版業者宛の荷物送り状(内容物として詳しい書籍リストあり)、
16世紀の販売本リスト、1617世紀の家族三代にわたる書籍購入リストである。
 それぞれの書籍の販売金額について、当時のヴェネツィアの
貨幣単位をふまえて、それが現在の価値のどの程度にあたるのかがわかるように
換算して、ひとつひとつ実感する。
 講義の最後は、禁書目録の変遷についてのレクチャー。新教に対抗して
禁書目録を発行するも、経済活動を重視する土地柄ゆえに、禁止事業が
なかなか徹底されない様子が、わかりやすく解説された。

 お話の折々に雪嶋氏所蔵本などが回覧され(古版本を含む)、指先からも
16世紀の息吹を感じられる贅沢なひととき。最初から最後まで興味深く
面白い講義であった。
 
 ところで前回、宿題としてヴェネツィアについての書籍を何か
読むようにといわれ、候補として3冊掲げられていたうち、私は
永井三明著『ヴェネツィアの歴史』(刀水書房、2004年、四六判上製270頁)を
選んで読み始めたが、これが大変な難物である。

「それまでヴェネツィア文化はあくまで実用に即した、そして理想に走ることのない醒めた傾向に終始するものだった。ヴェネツィア文化がこのような遅れを取り戻すのは、困難な歴史的試練に遭って逆に夢みることの楽しみが理解できるようになったこと、貿易主体の多忙な生活から身をひいて自省する機会が増えたこと、さらには次章で述べるイタリア戦争の戦火を逃れて避難してきた人びとの影響もあったかもしれない。……」(p. 31
という具合の文章が延々と続く。
 読み始めた当初、「これは翻訳本か?」と何度本扉を確かめたか
知れない。残念ながら、私にはどうしても読み進めることができず、
ついに「印刷」「書物」といった言葉の出てくる箇所だけ
視線を止めて読むことに……。
 そういえば藤井敬子さんは『ヴェネツィア』(岩波現代選書)を
持っていて、やはりその読みにくさに閉口しているようであった。
こちらは翻訳書だったので、はなから「パス!」と思ったのだが、
本文を見せてもらったところ、今どき珍しい92段組。ひゃー。これは大変だ……。
 
 雪嶋氏の話を聞くと、すんなり理解できるのに、こういう本は
いくらがんばって読んでも、内容が頭に入ってこないのはなぜだろう。
文体に対する「慣れ」が足りないのか、はたまた、私の読書力が
低いせいか(私は、本は買っても読まないので)。
 この書物に記された文章に対峙するとき、「読む人が理解できるように」
という配慮をしないで綴った日本語文のように感じるのは、
私だけだろうか?
 
〜〜〜〜〜・・ご・・案・・内・・〜〜〜〜〜〜

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201172日(土)朝〜晩、製本三昧!
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