|
雑誌『英語研究』300号記念特集号(研究社、昭和8年10月発行)を
古書店から買う。寿岳文章「近英の私版」、平田禿木「小書斎雑筆」、
福原麟太郎「ベネディクト・ビスコップ」、西脇順三郎
「リチャァド・オオルディントン」、山宮充「芸術至上主義の
成立」という感じで、記念号だけあって、さすが豪華な
記事ラインナップである。
ところが、ご覧のように目次は縦組みなのだが、
記事のほとんどは横組みである(表紙も左開き)。
今ならおそらく横組み記事は左から、縦組み記事は右から、
というようにまとめて頁構成をするはずだが、
この雑誌は、縦組みも横組みもランダムに並べているので、
頁をめくっていると少々混乱する。
なぜこの雑誌を買ったかというと、25日に研究社印刷へ
見学に行くからである。私は既に昨年、訪れているのだが、
今回は日本出版学会の出版技術・デジタル研究部会の例会
ということで、学会員を中心に引率することにしたのだ。
組版印刷するための工場からスタートした。
私も、英和辞典は学生時代から研究社版(『新英和中辞典』
『新英和大辞典』)を使っていて、いまだに手元にある。
辞書の組版は、限られたスペースにできる限りの情報を
詰め込む使命を負っているので、通常の出版物とは活字も
用紙も違うものを使う。同社は、現在はもちろん
デジタル組版だが、活版印刷の活字や紙型などが
まだ残っているのが貴重で、今、出版の仕事に従事している
人たちに、こうしたものの実物をぜひ、見てもらいたいと思った。
さて、『英語研究』の他に『小酒井五一郎追悼録』(昭和38年)
も入手した。研究社創立者である小酒井五一郎氏(明治14
〜昭和37)の追悼録で、氏の一周忌に合わせて
作られたものらしい。
『英語研究』300号記念号にも文を寄せていた福原麟太郎
はじめ、市河三喜、田中菊雄ら著名人も五一郎氏の
思い出を綴る。
昭和20年3月の猛火迫り来る空襲の日の話や、
五一郎氏の謹厳実直であると同時にユーモラスな
一面もあったエピソードなど面白い話がいくつも
載っているが、大著『傳書活版印刷』の著者である
高島義雄氏による「英文印刷育ての親」という短文に、
研究社印刷設立の経緯が簡潔にまとめられている。
研究社の出版物の印刷は当初、築地活版に依存していたが、
同社に労働争議がしばしば起こったため、小酒井社長は
自家工場を作る決心をしたのだという。
昭和初期に工場新築の際、本社は富士見町の古い木造二階建ての
薄暗い事務所のままとして、組版作業場のほうは
「清潔、整頓、設備の近代化と高速化に重点」を置いた。
そして「築地活版が大震災後高層の鉄筋ビルに改築されたが、
その立派なビルには事務系統と活字販売の部門が移り、
最も重要な組版、印刷の製造部門は汚ない狭い薄暗い
工場で仕事をしていたのと対照的」とし、
「(小酒井社長は)工場第一主義に配置されたのであって、
その慧眼にはまったく敬服の外ない」と高島氏は賞賛する。
たった7頁の追悼文の中に、研究社印刷創業初期の頃の
活字鋳造機の様子や、当時の企画出版に対する社長の
意気込みなどが鮮明に綴られていて、この一文は読む価値がある。
〜〜〜〜〜・・ご・・案・・内・・〜〜〜〜〜〜
…豆本を6冊作ります
2013年6月8日(土)朝〜夕、豆本三昧!
放課後講座*消しゴムはんこワークショップ
…本かがり上製本・和本など4冊作ります 2013年7月14日(日)朝〜晩、製本三昧!
放課後講座*『泉孝次蔵書票作品集』の折本ワークショップ
…憧れの丸背豆本とリボン付きの貼函を作ります
2013年11月23日(土)朝〜晩、豆本三昧!
…和本2種(麻の葉綴じ・綴葉装)と帙を作ります
2013年11月24日(日)朝〜晩、和本三昧!
………………………………………………
朝日カルチャーセンター湘南〈神奈川・藤沢〉
2013年7月7日(日)消しゴム版画で手ぬぐい作り(大小2本作成)
………………………………………………
*田中栞の「豆本・製本ワークショップ」予定表
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
|
過去の投稿日別表示
[ リスト | 詳細 ]
2013年05月24日
全1ページ
[1]
全1ページ
[1]




