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古書目録で刊本作品『KAGEYA』(武井武雄刊本作品No.72、
昭和42年12月発行)を買う。
この本は、暮れに発行した日本豆本協会会報『豆本手帳』
第2号「武井武雄刊本作品特集」で、稲山ますみさんが
「私の好きな刊本作品」と題して紹介している1冊でもある。
木口木版で彫刻刷摺された美しいアルファベット文字が
特徴である。
一見、「英語で書かれたものを読むのは面倒くさい」と
思われる向きもあるかもしれないが、これは英語ではなく
ローマ字表記。言語は日本語なのだ。
周囲の装飾模様も、これまたもちろん武井さんが
描き起こしたもので、「日本のケルムスコットプレスか!」
という緻密な美しさである(ちょっと大げさ?)。
いつもながら、モンダイは造本構造である。
なにしろ開きが悪い。これは既にたくさんの人が言っている
ことなので、ここでまた取り上げるのも何なのだが、それにしても
開かない、それがあまりに甚だしいので、ついぼやきたくなる
開きの悪さよ。中の印刷面が美しいだけに残念この上ない。
木版刷りなど、美術的な印刷を行う場合、片面印刷しか
できないため(つまり、両面刷りにしようとすれば、
2回目の刷りの際、すでに刷ってある面をバレンで
擦らなくてはならないから)、本文紙が外オモテの二つ折り
または中オモテの二つ折りにするしかない。これはまあ
仕方がない。
本書は外オモテの二つ折りで、これを製本しようと
すると、ぶっこ抜きで平綴じ状態になる。
本文紙が柔らかい和紙であればしなやかに開くのだが、
腰の強い硬い紙だと、本文部分が2枚重ねになっていることも
あり、めくりにくいし開きにくい。これはもう「紙」というより
「板」に近い感触である。
ハードカバーにすることで、開きの悪さは極限に達する。
本を閉じている状態はいいのだが(外装は洋装の顔を
しているので)、開いてみると、くるみ表紙と本文紙の括が、
およそ別人格のように乖離する(ように私には見える)。
「開きたいけれども開かない」というその状態が、美しくないのだ。
洋装ハードカバー表紙と、和本の構造である本文部分を
無理矢理合体させているので、こういうことになる。
ぶっこ抜きの綴じ部分を隠す必要もあってか、見返しと
本文ブロックの外側との糊付け寸法も広くて、ここもまた
開かない。
刊本作品は専門の職人集団で制作していたのだから、
こうした製本の面でも研究を重ねて、この問題点をクリアする
新しい製本構造を開発してくれればよかったのだが、そこに
情熱が注ぎきれなかったのは残念でならない。
〜〜〜〜〜・・ご・・案・・内・・〜〜〜〜〜〜
…本かがり上製本・和本など4冊作ります 2013年2月24日(日)朝〜晩、製本三昧!
放課後講座*『泉孝次蔵書票作品集』の折本ワークショップ
…豆本を6冊作ります
2013年1月27日(日)朝〜夕、豆本三昧!
放課後講座*消しゴムはんこワークショップ
…憧れの丸背豆本とリボン付きの貼函を作ります
2013年2月3日(日)朝〜晩、豆本三昧!
…和本2種(麻の葉綴じ・綴葉装)と帙を作ります
2013年2月11日(月)朝〜晩、和本三昧!
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2013年2月2日(土)和本2冊(亀甲綴じ&麻の葉綴じ)
朝日カルチャーセンター湘南〈神奈川・藤沢〉
2013年3月17日(日)版画入り豪華折本
2013年4月6日(土)和本2冊(亀甲綴じ&麻の葉綴じ)
2013年4月27日(土)布表紙のハードカバー豆本と1枚の紙で作る豆本3種
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*田中栞の「豆本・製本ワークショップ」予定表
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