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一歩踏み込んだ英文解釈へ −英文和訳では見えない世界−



今から10年以上前に購入して途中で挫折した本を改めて読み直してみることにしました。あの頃は難しく感じていたのですが、今読み返すと・・・やっぱり難しいです(笑) でも以前よりも読むことに慣れたせいか、理解が早くなっていることに気づきました。何度も「へぇーなるほど」という英語の面白さにも出会い、思わずブログを更新することにしました。

今回読んだのは安井稔著『納得のゆく英文解釈』(開拓社)です。

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英文を読むときに、英語を私たちの母語 日本語に置き換えることがよくあります。これは「英文和訳」と呼ばれています。でも、この本を読むと、英文を理解するために、「英語⇒日本語」と単純に直すだけでは不十分であることが分かってきました。実は、英文和訳だけに頼った解釈は、危険を伴うことがあるようです。

そこで、英文を正しく理解するためには、英文の意味・内容を理解し、説明することができるようになることが必要になってきます。こちらは「英文解釈」と呼ばれています。

著者は『「英語の決まり」に則って・「現実世界」に実際に見られる状況を描くのが英文解釈である』と述べています。

確かに、辞書を片手に意味を調べ、文法という規則に従って英文を日本語に直しても、出来上がった日本語が現実世界にあり得ない内容であれば、それは理解したとは言えないはずです。

しかも、短い英文の解釈は意外ににも難しいことが分かってきました。今日はそのいくつかを紹介します。

John and Mary are married. (ジョンとメアリは結婚している)
この英文の正確な意味は(   )内の日本語訳だけではわからないこともあります。
確かに真っ先に思い浮かぶ現実世界の状況は
■『ジョンとメアリは夫婦である』
という内容です。
しかし、一歩踏み込むと
■『ジョンとメアリはそれぞれ既婚者である』
という内容も十分にあり得るのです。

このような「あいまいな解釈」を避けるために次のように書き換えることができます。
John and Mary are both married. (ジョンとメアリは両方とも結婚している)
これは(  )内の日本語ではちょっと意味が不鮮明な気がします。正確に表すと
■ジョンとメアリは夫婦ではないが、それぞれ別の人と結婚している。
という内容になり意味が明確になってきます。わざわざ both を加えることで、ジョンとメアリが夫婦であるという誤解を避けることができるのです。

Where did you get hurt? (あなたはどこでケガをしたのですか?)
これも大抵の場合は
■あなたはどの場所でケガをしたのですか?
という「地球上のどの場所」を尋ねているという内容だと考えられます。
しかし、一歩踏み込むと
■あなたはどこにケガをされたのですか(痛いのはどこですか)?
という「体のどの部分」を尋ねていることも十分に考えられるのです。
日本語では「どこで」と「どこに」を使い分けていますが、英語では where 1語で間に合わせているためにこのような新たな解釈が生まれるのでしょう。

最も簡単な例では次の表現が挙げられます。
a fast train
これは「ファーストフード」にも用いられるfast(速い)という単語から
■速い列車
という意味がすぐに思いつきます。「目の前を列車が素早く走り抜ける状況」を伝えています。
しかし、一歩踏み込むと
■快速/急行列車
という意味にもなるのです。これは「徐行運転をしている場合もあるので常に速くなくてもよい」のです。ですからa slow fast train という表現も可能です。これは「遅い速い列車」ではなく「(他の急行と比べて)遅い急行列車」という意味です。

他の意外な解釈では
My favorite girl's name is Margaret. (私の好きな女の子の名前はマーガレットです)
これもすぐに
■私には好きな女の子がいます。その子の名前はマーガレットです。
という「マーガレットという女の子に恋をしている」という状況が思い描かれます。
しかし、一歩踏み込むと
■女の子の名前は色々ありますが、私が好きな名前はマーガレットです。
という「女の子が生まれたらマーガレットと名付けようかな」という思いまで感じ取られます。
これは [my favorite girl's]/[name]と[my favorite]/[girl's name]のように区切る位置の違うと意味も変わってくるということです。

次に「数」を表す例を挙げます。次の a と b の意味の違いを考えてみると・・・
a. Everyone in this room can speak at least two languages.
(この部屋にいる人はみんな少なくても2ヶ国語を話すことができる)
この場合の2ヶ国語というのは
■2ヶ国語を話す人が集まっているが、それぞれの人が話す言葉は「英語と日本語」「ドイツ語と中国語」「フランス語とロシア語」というようにどの組み合わせでもよい。特に言語の指定はないようです。
b. Two languages can be spoken by everyone in this room.
(2つの言語は、この部屋にいる全ての人が話すことができます)
こちらはちょっと事情が異なります。
■みんなが話すのは、特定の決められた2つの言語である。「英語と日本語」のみなど固定されている。 a の英文を受動態に書き換えると b の英文になりますが(at leastはないけれど)、意味が変わってしまいました。よく学校の練習問題で「書き換えなさい」という問題がありますが、実は「形式が変わると意味が変わる」場合があるので、単純な書き換え問題には注意が必要ですね。

最後にちょっと怖い例を見つけました。
The meat is still cooking. (肉はまだ煮ているところだ)
この解釈には何の問題もありません。但し cook には「・・・を調理(煮る・焼く)する」以外にも「・・・が料理される/煮える/焼ける」の意味があるようです。
それでは、この英文の The meat を Mother に代えてみましょう。
Mother is still cooking.
普通誰もが思い浮かぶ解釈は
■お母さんはまだ料理をしています。
になります。
しかし、上にある英文と同じ意味のcook「・・・が料理される/煮える/焼ける」で解釈すると
■大変!お母さんが人食い人種に捕らえられて、まだグツグツと煮られている。というとんでもない意味が出来上がります。
しかし、このような意味の食い違いは、前後関係を考えれば、回避することは可能です。ここまで深読みするのはちょっと「行き過ぎ」の気がしますね。

それでも「英文和訳」で単純に「英語⇒日本語」で置き換えるだけでは、時折、意味が不鮮明のままであるということがわかりました。英文を理解するときは「英語の決まり」と「現実世界」の両方とつじつまが合っていることが求められています。英文を正しく解釈するとは「その英文が表す状況がまざまざと生き生きとして脳裏に描くことができる」ことを意味しているんですね。

一歩踏み込んで解釈することで「さらに正確でときに偏屈な」内容にたどり着くことを知り、これからは少し深い視点で英文を読んでみようかなと考えています。

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