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本作は、「スパイダーマン」のサム・ライミ監督の、復讐に燃えるダーク・ヒーローもので、「スパイダーマン」と違って、原作のないオリジナル・ヒーローである。 人工皮膚の研究をしていたペイトンは、恋人である弁護士のジュリーの仕事の書類を間違って持ってしまったために、マフィアに襲われ、全身を大火傷してしまう。 その一方で、全身の神経が失われたことで痛覚がなくなり、超人的な力を手に入れる。 彼は、自分の開発した人工皮膚を利用して、マフィアに復讐をしていく。 人工皮膚でマフィアになり済まし、一人づつ復讐をこなしていくペイトン。 時に、本人と出くわし、コントのように回転ドアを挟んで相対したりもする。この辺は、コメディっぽくて楽しい。 しかし、人工皮膚は時間制限があるため、計画は迅速に行わねばならない。 これは、恋人と再会するシーンでも失った男の悲しみを強調している。 包帯まみれで現れた時は、自分だと認知してもらえなかったので、人工皮膚で自分の顔を復元し、再会を果たすものの、彼は常に時計を気にせねばならない。 それに加え、ペイトンは感情の制御が困難になっており、恋人の前で人を傷つけ、崩れる人工皮膚の顔を隠しながら逃げていく。 ところで、日本には、「仮面ライダー」という代表的なヒーローがいる。 仮面ライダーの本郷猛は、悪の組織ショッカーと戦いながらも、人間以上の力を持った事に苦悩する孤独な姿が描かれている。 ペイトンは、前述したような悲しみと苦悩を背負いながらも、マフィアの黒幕の存在が恋人の背後に迫った時、戦うのだ。 ラストバトルで、「ここで俺を殺したら、お前は俺よりも悪人になるぞ。お前の良心では殺せないだろう。」と言う台詞を聞き流し、黒幕をビルから落とすペイトンは正義のヒーローではない。 本作で描かれているのは、正義ではないのだ。 正義とは、現実の世界では、自分の正当性をこじつけるための大義名分として語られることが多い。現に、僕自身が正義と言う言葉を信じていない。 特にアメリカは正義が好きな国であるが、本作がアメリカで制作されたことに大きな意味がある気がする。 最後、ペイトンはダークマンとして恋人の前から姿を消す。 彼は最後まで悲しみを背負い、その逃れられない運命を受け入れ、街に消えていく。 良作。見るべし。 |

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