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内容は2005年に亡くなったAV女優林由美香の仕事仲間でもあり、一時期不倫関係でもあった監督が、過去の作品で撮りためた彼女の映像を再編集したうえで、新たに撮り下ろしたVTRを通して、監督自身が彼女の死から立ち直るまでを描いているドキュメンタリーである。 平野監督は、不倫関係にあった時期に、北海道まで彼女と自転車で旅をする様子を映画として製作している。前半は、その蜜月を中心として描かれており、彼女への愛が(たとえ不倫だとしても)純粋に見えてくる。 見てる側としては映画の内容が、「なくなった女優」という事を知っているので、この辺りはつらい。しかし、これを編集した監督が一番つらかっただろうと思う。 その後、彼女にフラれ、映画監督として彷徨う様子。 彼女の死。それから五年間。監督は、映画が撮れなかった。 時系列に沿って流れていく林由美香という女性の断片が、平野監督によって、神格化されていく。 ある程度なの売れた人物の早すぎる死は、人物のカリスマ性をアップさせる。 この映画によって、林由美香は神格化されたと言ってよい。おそらく、監督が思っている以上の存在になったと思う。 そして監督は、この映画を作ることが、作中でも語っているように「自分なりの葬儀」であった。 亡くなった元・恋人から離れる事ができずに生きる日々はつらかっただろうと思う。想像に絶する。 監督は、まさに人生をかけてこの映画を作った。そして、映画監督としての自分を取り戻した。 次々と、映画を撮る監督もいて、一つのテーマをしつこく追い求める監督がいる。 平野監督は、「林由美香」という素材を追いかけ続けた監督だった。 僕は「作品に向き合う」という事を、この映画によって知らせれた気がする。 |

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