|
カルフォルニアに住む日系三世のエミーは、亡き祖父から日本についてよく話をさせてもらっていた。
そんな憧れの日本へついに留学することになったエミーは、そこがおじいちゃんから聞いていた、美しい国ではなかった。
何かの映画をDVDで見た折に、予告編が入っていてそれで初めて知った作品。
製作総指揮、企画、原案を森田健作が行っているうえに、脚本も連名ながら手掛けている。
森田健作と言えば、「俺は男だ!」などの青春ドラマで知られる俳優で、自身も時代錯誤なまでの熱血キャラでもって、現在は千葉県知事としてそのキャラを発揮している。
まずこのタイトルだ。
「I am 日本人」。訳すと「俺は日本人だ!」となるわけで、「俺は男だ!」から発想が同じである。さすが森田健作。
これは森田健作が溢れだしてくるほどの「森田映画」である。本人の日本に対する愛。現代日本への危惧、そして希望が溢れていて、全体的にNHK制作の道徳映画を見ているようである。
実際、性善説に基づいて描かれており、悪人は一人として出てこない。
その上、留学生のエミーのステイ先は遠縁の親戚である、森田健作演じる健一の家で、そこは八百屋であり、しかも商店街である。
商店街は一世代前の喜劇よろしく個性的な面々がそろっており、森田健作もおせっかいで、世話好きの男の役である。もちろん、剣道もやる。
いやあ、僕のような若輩が見ると、古い。古いには違いないが、見れてしまうのだ。
それはひとえにエミーのキャラクターがうまい。自分の想像とのギャップから、現代の日本へ様々な問題提起をするエミー。大学のゼミではディベートのたびに生徒から疎ましく思われるほどだが、エミーを演じる森本クリスティーナがかわいいのだ。それ故、嫌味にならないし、その一生懸命さに健気ささえ覚える。実際、劇中でも彼女のまっすぐな姿勢は理解者を増やし、みんな友達になっていくのだ。
何気に脇役陣が個性的で商店街の面々に岩本恭生、斉藤暁、小野真弓、浅香光代。大学の先生役の京本政輝はほとんど生徒の声を聞いているだけなのに無駄にかっこいいし、エミーの父親役の藤岡弘はいるだけで存在感がすごい。
とにもかくにも、いい映画だ。若い人は物足りないかもしれないが、いい映画だ。
ただ最後のカットで、作品のテーマがずれてるような気がするのだが、そこはまぁ、実際に目で確かめてほしい。
|