タカオの雑食

とりとめのない映画レビューです。

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4時48分 サイコシス

今日は、脚本塾はお休みで、講師の先生が他にやっているワークショップの発表会に行ってきました。
「リーディング」っていう、まぁ、台本読みながら芝居する物なのですが、それの発表会です。
演目は「4時48分 サイコシス」という、サラ・ケインと言う99年に自殺した作家の遺作です。
このサラ・ケインと言う人は鬱病で、毎朝4時48分に目が覚め、それから一定の時間、頭がクリアーになって、その時間に執筆していたという事です。
おまけにこの戯曲自体、一般的な脚本のプロセスを踏んでおらず、ト書きやセリフもはっきりとわからず、それなだけに解釈のしようでいかようにもとれる作品で、演出するほうはやりがいのある作品なと言う事です。
明確な物語があるわけではなく、サラ・ケイン自身の内面の言葉にできない感情や、葛藤を、なんとか言葉に紡ぎだして、それでも言葉が足りず、愛されたい、求められたい、なぜ愛してくれない?なぜ?なぜ?と終わりのない葛藤を紡いでいくような、観念的な感じでした。
これはきっと言葉尻一つとって、理屈で理解するのではなく、全体で「なんとなく」わかるものではないかと思いました。
おそらく、これはサラ・ケインの覗いてほしいと熱望した心の中身を戯曲に託した、極めて私的な作品なのではないか。しかし、それはあまりにもプライベートで、他人が理解しようにも、100パーセントは理解できない。その寂しさが、この作品のリアルなのではないか。
そういう感想を持ちました。

しかし、「愛されたい。」「求められたい。」という感情は、時にあまりにも痛みを伴う感情です。
そもそも、愛とは「素晴らしい」で足りるでしょうか?愛の真相は、痛みを伴う気もします。

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マンガにしろ、小説にしろ、映画にしろ、不良が主人公と言うものは、社会への憂いと反発を、暴走する若者の無軌道さに乗せて、その暴れっぷりにカタルシスと美学を堪能するものだと勝手に思っている。

この作品は石井聰互監督のデビュー作であるが、大学の卒業制作でもあり、低予算ながらも勢いと情熱にあふれている。

幻の街、サンダ―ロードで暴走族が連合を組む。暴走族・魔墓呂死(まぼろし)の特攻隊長であるジンは、数人の仲間を連れて連合に反発。暴走、暴力行為を繰り返す。手を焼いた連合は、ジン一派を皆殺しにせんと総動員をかける。
一方、魔墓呂死(まぼろし)の創始者であり、元・リーダーだったタケシは、ジンのカリスマ性と無軌道さにほれ込み、自らが率いるスーパー右翼に召集するが、ジンはそこでも反発、脱退。その陰でジンの仲間がスーパー右翼の中で幹部となりのし上がり、ジンを狙うようになっていく。
ジンは、再び暴走と、暴力を繰り返し、右手と右足のつま先を切り落とされ、バイクにも乗れなくなってしまう。
全て失った絶望の中、彼は全てをぶっ潰すべく立ち上がる。

う〜ん。情熱と衝動を脚本に叩き込み。そのまま映像になっちまったいうべきパワーが、画面からばしばしと伝わる。
冒頭の暴走シーンは、ハンディカメラのせいか、ものすごくリアルで「暴走列島24時」のようであったが、どうやら本物の暴走族に協力してもらったとのことで、あのリアリズムの理由に合点がいった。

なにしろ、この映画。単なる「不良の若者の無軌道な衝動」ではくくれない。
まず、暴走族のたまり場が「バトル・ロイヤル広場」。ジンを呼び出す場所が「デスマッチ工場跡」と、タケシ率いる「スーパー右翼」もそうだが、ネーミングがぶっ飛んでいる。
その辺は、まぁ表面的な部分に過ぎないのだが、その「表面」。つまり、ビジュアル的なインパクトも含め突き詰めると、不良の抗争も、最終的にはロケット砲をも使用した「一人対多数」の戦争になる。

物語は全てラストへの伏線である。「なるほど、これが撮りたかったのか。」と思うのである。
ジンが黒いヘルメットと、防弾チョッキに身を包み、松葉杖をつきながら、カギヅメでショットガンを撃つ。
あまりにもショッキングな主人公の戦いっぷり。
それに対する、タケシを演ずるは小林稔侍。しかも、同性愛者の役である。
作中に、ジンと直接かかわるような重要な女性キャラは出てこないので、このタケシとの対立が、愛憎を含む見どころとなる。タケシは不条理な大人社会の比喩なのかもしれない。


「不良」とは魅力のあふれる題材である。
それは、期間限定である事と、多くの人が「できなかった」事だからだと思う。
僕なんかは、学校じゃ大人しすぎるほうで、学ランを着崩す事もためらうようなへなちょこだった。
オタクな知識で、「俺は周りとは違う」とアイデンティティを保っていた俺は、優等生にも不良にもなれなかった。
しかし、そういう人は大人になってから「不良くらいやっときゃよかった。」と思ったりもする。
若いうちは道を外しても修正がきくからだ。むしろ、外した道が大切だったかもしれない。
道を外れることに、勇気が必要になった時。人は大人になる。

しかし、この映画の不良達は少し行きすぎ。

ほとんど中学生。

昨日職場で、「百夜行」と言うドラマの武田鉄矢はすごかった。という話があった。
僕はそのドラマは未見で、うまく話には入れなかったのだが、そのドラマは東野圭吾原作だったらしい。
何気に調べてみると、東野圭吾はドラマ化が多い。そんだけファンが多くて、映像化もしやすいのだろう。
でも、僕は東野圭吾は「ガリレオ」くらいしか読んだことがない。
なんとも申し訳ないのだが、みんな読んでるから、読まなくていいや。と思ってしまうのだ。
これは僕の悪い癖で、ミーハー嫌いというか。
いや、本当は僕も大いにミーハーなのだが、大衆に迎合したくないというか、不特定多数に入りたくない自分がいるのだ。
実際、僕は毎月のように中島らもを読むのだが、中島らもの読者だって相当なものだ。彼のエッセイに感化されて影響を受けた人物はいくらでもいる。その癖僕は、らもやオーケンやみうらじゅんなどのサブカルチャーの大家を鼻にかけて、マイノリティぶっている。もはや、それらはマイノリティでも何でもないのに。

それは、少数派であることで「周りの人間と違う」という固辞の表れではないかと思うのだ。
これはカッコ悪い。
発想としては、中学生である。
あまり自己分析もほどほどにしないと、自分が未だ中学生である事を発見してしまう。


最近、平日は思いついた事をこまめにメモをとっている。
休日は、何も考えてないので、自動的にメモをとる必要がない。

5月の本

2010年5月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2031ページ

■世界の海賊 伝説と謎 (PHP文庫)
暇つぶしに買った割りには、楽しめたかな。実在の海賊から、エピソード。最後のほうは、無理やり海賊に結び付けてるようなものもちらほら。
読了日:05月26日 著者:クリエイティブ・スイート
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/6232953

■神はテーブルクロス
スピリチュアルだけど、そんなにスピリチュアルな感じがしない。楽しく読めたし、手元に持っておきたい。
読了日:05月23日 著者:須藤 元気
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/6193708

■美女と野球 (河出文庫)
下ネタばかりで読ませといて、急に真面目な話やら、母ちゃんの話やら持ってきて、だからリリーは卑怯だよ。
読了日:05月21日 著者:リリー・フランキー
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/6169747

■風の谷のあの人と結婚する方法 (幻冬舎文庫)
つくづくきれいごとが嫌いな俺だが、この人の言う事は信じれそうな気がする。須藤元気という人物に興味がわいてきた。ただのインテリの元格闘家ではないようだ。
読了日:05月17日 著者:須藤 元気,森沢 明夫
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/6125615

■大槻ケンヂが語る江戸川乱歩 私のこだわり人物伝 (角川文庫)
前半がエッセイ。後半が乱歩の短編。全部オーケンでもよかった。
読了日:05月16日 著者:大槻 ケンヂ,江戸川 乱歩
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/6112219

■華麗なる探偵たち (徳間文庫)
中学以来に読んだ。今見ると、チープな設定だけど、面白い設定だな。中学の俺がハマったのがわかる。
読了日:05月13日 著者:赤川 次郎
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/6079122

■赤い彗星 機動戦士ガンダムUC(3) (角川文庫)
赤いの出てきた
読了日:05月09日 著者:福井 晴敏
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/6038006

■世界極悪人大全―「野心」と「渇望」と「狂気」の果て (文春文庫)
悪人の研究として読みました。なかなかいい勉強になった。やはり悪人にも魅力が必要だ。
読了日:05月04日 著者:桐生 操
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/5969941


▼読書メーター
http://book.akahoshitakuya.com/

先月はサクサク読めるものが多かったので、意図せずにたくさん読めました。


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