タカオの雑食

とりとめのない映画レビューです。

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映画を味わいつくす

「ものすごい真剣に作っているのはわかるけど、悪いがおかしくて笑ってしまう。」
こういうのは、所謂「B級」と呼ばれる作品群には多い。
こういうものを楽しむ事を「キャンプ」と言う。
僕は主にレンタルビデオで映画を見るが、ジャケットで「お、これは何やら怪しげな匂いがするぞ!」と言うのを進んで選ぶ時がある。
この時、僕の中にはキャンプ的楽しさを期待している心理がある。
どこかしらに漂う胡散臭さと言うか、単に整合性の問題ではない。圧倒的なシュールだったり、ダダイズムに似たものが現れる。
そういうものは計算で出るものではなく、作り手が真剣であればある程、面白くなってしまう。現代ではそういったキャンプ的なものを楽しむジャンルが確立しているが、そこは狙ってしまうと逆に白けてしまう。
映画鑑賞に関わらず、創作物を観賞すると言う事は、言わば作り手と観客の対決である。
僕はそういう点で、どんな作品も敬意を払い、真摯に向き合っている。
キャンプ的なものも、真面目に作っておかしくなってしまっているのだから、こちらもまじめに笑い、楽しむのである。
こう言った姿勢で臨むと、映画はアンコウのように、あらゆる部位を味わいつくすことができるようになると思っている。
「作った人に失礼」という考えが、一番失礼と考える。
もしかしたら、「あそこで笑ってしまった」がゆえに、名作になった作品だってありうるのだから。

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原作は、日本の3D格闘ゲームとしている。
レンタルビデオでこのジャケットを見た途端に、「なんと、中身の薄そうな映画だろう。」と思い、借りるに至った。その際、ケイン・コスギの存在がこの映画のしょっぱさに拍車をかけていた。
ストーリーは、どのヴァン博士によって買いされる格闘大会「デッド・オア・アライブ」に泥棒のクリスティ、女子プロレスのティナ、忍者一族の末裔かすみが招待されて、その大会の裏にある陰謀に迫っていくというもの。
なんとなく、「燃えよドラゴン」を感じるが、主人公はセクシーな女優たちである。僕としては、それだけでこの映画の価値は成立している。
しかし、この映画。主人公がよくわからないのである。
ジャケットのセンターは泥棒・クリスティーナが張っているが、これらのキャラの中で一番掘り下げられているのは、忍者の末裔であるかすみである。
現に、最初のシーンはかすみのいる日本から始まる。
高い頂の上にある屋敷で兄を捜すために屋敷を出ていくかすみ。
一族を抜ければ、「抜け忍」の汚名を着せられて、命を狙われる。そういった危険を冒してまで兄を捜すために屋敷を抜けたかすみのもとに大会の招待状が届く。と言うものである。
言っておくが、このシーンで日本らしいものなどない。見事な「日本の誤解」が画面いっぱいに広がる。
このような事情を持っているうえに、周辺キャラも充実しており、ケイン・コスギ演じるハヤブサはかすみのお付きのようなものだし、抜け忍となったかすみを追うあやめと言う思いきり外国人の忍者も出てくる。それに比べれば、ティナは純粋に格闘目的の参加だし、クリスティはドノヴァンの持っている財宝を盗むのが目的なので、事実上の主人公はかすみなのだ。
そして、ハヤブサ含む4人がベスト4に入ったところで、ドノヴァンの陰謀が動き出し、4人は閉じ込められる。
ドノヴァンは、サングラスのような同地を装着し、(と言うか、サングラスなのだが。)大会中に採集した戦闘データを、その装置にダウンロードすると、怪しい科学者だったドノヴァンが、最強の格闘家になってしまった。
それで生きていたかすみの兄と対戦して、見事に買ってしまうのだ。
どういう機械だ?
ボディスーツのようなものならばわかるが、サングラスのような装置で、相手の動きの予測ぐらいはできそうなものの、筋力や技術がカバーできるとは思えない。しかし、不思議なもので4人がかりでなかなか勝てないのである。
しかし、最後はそのサングラスが外れてしまうと言うしょぼいミスをしてしまい、最後はかすみの針で動きを止められ、研究所の爆発とともに最期を迎える。
このように、最後の最後でドノヴァンの間抜けさに同情の残る作品となっている。
セクシー目的で成立する作品であるが、それでも「芯を忘れてしまった。」感がある。
それは「主人公はだれなのか?」という事に始まり、その他もろもろのキャラクター描写も中途半端である。
別に忍者の構えが、中国拳法のようなものでも構わないのである。
そのようなディテールは、それはそれで楽しむジャンルは現在確立されている。
キャラが成立していないのはやはり致命的で、B級として楽しむ事も難しいのである。

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